Spilt Pieces
2004年09月28日(火) 
複雑そうに見える道も、結局は全て一本で、そのあまりの単純さに頭を抱えてしまう。
解釈や理解は、しようとすればするほど遠のき、おそらく、直感的に知っている人はあえて考える必要がないのではないかとさえ思う。
認めたくない現実や、うまくいかない日々が、もしも実際単純なのだとしたら救いを求める場所や言い訳がなくなってしまう。
信じたいのは、『複雑な真理』と、それをどうにもできない『自分の正当性』。
受け入れられる現実ばかりが転がっているのなら、それをすくって抱きしめればいい。
残酷さは、たくさんの痛みのすれ違い。
あまりに単純で、だから誰かを責めて楽になろうとすることにさえためらってしまうのだ。


歩いている道は、誰もがまっすぐ。
その直線に耐えられず、あえて寄り道をしたり複雑に考えたりしてしまうのは結局弱さで。
揺るぎない歩みなど、口で言うほどに容易じゃない。


山が広がる風景、冷たくなり始めた夕暮れの空気、高い空。
目の前に続くのは、いつもと変わらぬ道。
今がずっと延長していくとは考えていない。
だけどたまに錯覚をする。
手を広げた。
腕の長さなどずっと変わっていないのに、前以上に小さな自分が空へ羽ばたきたがっているような気がした。
悲しかった。
現実は一つしかない。
多分、少しずつは大人になっているのだろう。


何歳になっても、人など最後まで子どもであるに違いない。
2004年09月22日(水) 
分からない、ということは、こわい。
分からない、知らない、すると対処もできない。
人間関係に限って言えば、応用力がない人間ほどそう思うのではないか。
相手のためにと言いながら、実際は自分のため。
そんな人間の欲求を満たすために私が自分のパーソナルスペースの範囲を歪めてまで心を開くつもりもない。
皆が分からないことをおもしろいと思えたなら、相手の中に土足で入ってくる人もきっと減るだろうに。
私が、自分に強い興味を示さない人を好む理由も、おそらくはそういう人であれば余計な詮索をすることなく人間関係を築けるだけの強さを持っていると思うからだ。
そういう人とばかり一緒にいると、時折寂しくもなる。
だが、常に満腹では色んなことに鈍感になり、また、きっとつまらない。
分からないこともおもしろいと思いたい。
それはすなわち、自分と違うものをきちんと受け入れられるということだと思うから。


相手を思いやったフリをして、自分の正当性を主張していることくらい、気付いているんだよ。
でもきっと本人は自分のその幼稚さを自覚していないから、言ったところでヒビ割れが生じるだけのこと。
心を開いたような顔をして、やっぱり私は本音を口にしない。
不誠実なんだろうか。
何でも言えばいいという問題でもないと思うのだが。
分かっていない人間ほど、気軽に『分かる』と口にする。
相手に向けたつもりの言葉が実は単なる言い訳であることに、どうすれば気付けるのだろうか。
一見『いい人』ほど、何かを伝えようと思ったときにそれが難しくなる。
『悪い人』は、それ自体が半ばSOSだからまだ話ができる。
自らすぐに動いて『相手のために』何かしてしまうタイプの人間は、だから相手に対して不満も持つし、自分の思い通りにならないことに関して無意識的にストレスを溜める。
自ら努力してしまうだけに、その結果を期待し、自分の描いていない像に反発する。
だが人間関係など、うまくいかないことや分からないことだらけなのが当然で、そうなると自分を慰めるための言い訳が出る。
それが相手をいかに傷つけているのかにも気付かずに。


気軽に『分かる』などと言わないでくれ。
誰も、自分以外の人間の人生を送ったことがあるはずもないのに。
2004年09月05日(日) 
携帯から記入しているので、文字化けしても訂正できない。
書きっぱなし。
ある意味日記らしい。
たまには自分の書いた言葉に責任を持つ経験をするべきということか。
パソコンで書くと、そういえば便利すぎる。


帰省している。
昨夜は弟の家に泊めてもらい、今日は朝から大学の友人と再会。
午前中は前に好きだった人と新宿でお茶をした。
短い時間だったから大した話もできなかったけれど、他愛もないことからお互いの近況までを何となく。
昔のようなどきどきがないからか、ゆったりとした気持ちでいられた。
彼は私の女としての感情や醜い面など、多くを見ている。
当時は確かに気まずい期間や連絡を絶つときもあったはずなのに、今は多くを知っているがゆえに気を遣わずにいられる大事な友達になった。
なんだか不思議。
『今度遊びに行くよ』
冗談なのか本気なのか分からない口調で言う。
『いいけど、うちには泊めないよ。町で変な噂立ったら嫌だもん』
『あー小さい町だしな、確かに』
笑う。
今私の心の中にいる人とも、いつかこうやって静かな時間を過ごせるようになるんだろうか。
時間は流れ、色んなことを忘れていく。
思わず泣いてしまったり、自分が自分らしくいられなかったり、仲のいい友達と一緒にいるときでさえ笑えなかったり。
それもこれも、いい思い出だったと笑えるんだろうか。
笑えますように。
その日が来ることを信じて、ちょっとずつ、諦める準備をしよう。
数日前決意を書いたばかりだけれど、やっぱりすぐには無理だ。
忘れようと思えば思うほど気持ちなど募るものだから。
自然に任せよう。
どうあがいたところで、好きなものは好きなのだからどうしようもない。
あともう少しだけ。


午後、大学の同級生と後輩と再会。
ゆっくり過ごせた。
機嫌を顔に出しても許される空間。
誰も私を知っている人がいない街。
ふと、自分がこのまま地元で暮らしてもよいのではないかという錯覚に陥った。
あと半年の活動を放棄して逃げ帰ってもいいのではないかとさえ。
期限つきの、小さな冒険の気分。
戻りたくなくなりそうで少しこわい。
自分が何をしたいのか、分からなくなる。
町を離れると、現実ばかり見てしまう。
まるでこの半年間、ずっと夢の中にいたかのような。
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