2005年04月30日(土) ずがーん。 |
僕はジーンズが似合わないが、ベースボールキャップも似合わない。外出するときはヘアスタイルをセットするのが億劫なので、仕事の日以外、ほぼ100%の確率でハンチングやニット帽をかぶって外出する。彼女は僕がデートの時も帽子をかぶっているので、ヘアスタイルを整えないでデートするなんて手抜きもいいところだと言っているけどまさしくその通りである。 彼女と買い物に行ったときに必ず立ち止まる場所は帽子売り場で、僕がそこで帽子を吟味しだすと途端に彼女の機嫌が悪くなる。僕はハンチングだけでも8つほど持っていて、彼女にしてみれば、8つ持ってるかもしらんがお前はお気に入りの2つくらいしか使ってないではないか。これ以上かぶらない帽子を増やしてどうするんだと言いたいようでまさしくその通りである。 だから今日はベースボールキャップ。ジーパンを腰で履いてボクサーパンツをチラ見せさせるような若々しいお洒落ができない歳になった今、ベースボールキャップなんてかぶりこなせるわけがない。でも欲しい。そういえば二十歳前後の頃、ベースボールキャップなんて30種類くらい持ってたよなぁ。あれどこ行ったんだろうなぁ。昔は似合ってた。うん、似合ってたんだよ。いつからかなぁ。ベースボールキャップが似合わなくなったのは。いつからかなぁと、僕の独り言を傾聴していた彼女が一言。「ベースボールキャップだけじゃなくてあなたハンチングだって似合わないわよ」ずがーん。 |
2005年04月29日(金) いったいこれはどうしたことか。 |
うぉりゃぁぁぁ! って午後11時。僕と彼女、汗流しながら。って何やってるかっつうとこれ淫猥な行為ではなくただの腹筋。 今の彼女には、何でも勝負したがるという特性があり、シャワーも浴びてビール飲みながらぼんやりテレビを眺めていたら、「ねぇ、腹筋何回連続でできる? 私あなたに絶対負けないんだけど」と話し掛けてくる。負けないんだったらそれでいいじゃないかと僕は思うのだけど、彼女は実際に勝負した後の勝利の美酒に酔いしれたいのであって、んじゃしょーがねーなーってことで連続腹筋開始。もちろん僕は勝つ気でいる。 「さんじゅっはち……さんじゅくぅ……よん、よん、よんじ、よんじゅ」 と、腹筋に自信があったにも関わらず、連続三十九回で敗退。やったー! きゃっきゃきゃー! わー! よーわーいー! ひーよーわー! 私ちょー腹筋できるでしょー。おーやーじー! わーいわーいニコニコーぷーん! と彼女は僕の横ではしゃぎ続ける。僕は腹をさすりながら屈辱に耐え、「シェゲノーネノーネノーネー」と、彼女が最近覚えたというかうろ覚えたDef Techの「MY Way」を聞いている。 彼女のこの勝負好きは一体何なんだろうと考える。これはおそらく僕が常日頃からお前は子供だと言っていることに端を発していることは明らかで、年上だから「強い」という、漠然的な強弱関係をどうにかして克服したいという心理からきているものだと考える。 彼女はこの他にも、自分の男の知り合いや、テレビに出ている芸能人の名前を出し、「ねぇ、この人とケンカしたら勝てる? ねぇ勝てる?」という子供発言を連発して僕を困らせるのであるが、「ケンカなんてしねぇよ」と言うと、「じゃあもしケンカしたら勝てる? ねぇ勝てる?」と、ケンカに対して深い執着を持っており、いったいこれはどうしたことか。いったいこれはどうしたことか。 |
2005年04月28日(木) 彼女は空の友達。 |
大型連休を利用して、彼女がうちにやって来た。って簡単に書いてるけど、彼女は香川県に住んでいるのであって、やって来るのにも交通費が必要であって、飛行機で東京に来るとなると大型連休はチケットの割引がないので、片道2万5千円、往復で5万円もの旅費を使って彼氏に会いに来るのである。僕は5万も使って彼女に会いに行こうとは思わない。だのに君はどうしてそんな大金を使ってまで僕に会いに来てくれるのか。好きだから? 愛してるから? 「馬鹿ね。就職の説明会が東京であるから来たのよ。よってあなたは説明会に付随する存在。説明会に行ったらたまたま彼氏が住んでる町が見えた。みたいな。しかも往復5万円なんてかかりません。私は、だって私は、花も恥じらう二十歳。親のすねかじる子の歯は白い。乙女に優しい航空会社。そんな私はスカイメイト」 と、わからんちんなことばかり言うので、情報を整理しようと、まずスカイメイトとは何ぞ? と質問。 「スカイメイトとは、いってみれば会員制の運賃割引サービスです。対象は12歳以上22歳未満に限られますが、 1000円の入会金を支払って会員になると、 国内のほとんどの航空運賃が最大約50%引。一度でも飛行機を利用する予定があるなら、入会して損はないでしょう」 と、どっかのサイトからコピペしてきたようなことを言う。なるほど。子供はチケット半額なのか。日頃彼女にお前は子供だなんて言うと、子供じゃないもーん! と頭をポカポカ殴りながら怒っているが、なんだがっかり。お前はスカイメイトじゃないか。ハッ。都合のいいときは子供づらしてんじゃねぇか。 でもよーく考えよー。ということはさ、僕と君8歳の歳の差あるじゃん? しかも遠距離恋愛じゃん? で、かれこれもう1年半くらい続いてんじゃん? 現在平和な恋愛生活を送っている要因の1つにさ、スカイメイトも含まれてるんじゃない? 彼女が遠距離で28歳だったらさ、しんどいよ交通費。でも君は子供だからさ、半額で東京まで行けるわけじゃん? それってすごくね? やっべまじですごくね? と、間違った東京弁。 |
2005年04月27日(水) ほんとに痛いもの。 |
興味ない人はどうでもいい話なのかもしれないが巨人6連敗。しかも上原初黒星。清原も500号まであと1本なのに打てないし。どないすんのやろ。元木がファーストやってたりするし。どないなってんやろ。 僕はアンチ巨人なんだけど、アンチな理由は、例えば彼女が珍しくサッカー見てて、「ねぇ、どっち応援してんの?」と訊ねると、「うん? 負けてる方」と言うことと同じで、何か強い奴ムカつく。権力とか財力っていうきな臭い力 ムカつくみたいな思考と同じで、巨人が強いという理由でアンチだったわけだが、弱い巨人を嫌いと言ったところで貧乏人が貧乏人を笑うみたいな、何も満たされない自尊心みたいなものが沸いて、試合見てても全然面白くない。強いから負けると嬉しくて、それが巨人戦を見る楽しみだったりするのである。 しかし6連敗。至上最強打線なんて言われてた打線も現在チーム最下位。打率3割超えてるのは阿部だけである。どうしよう。全然面白くない。と、思いながら昨日のナイター中継を見ていたのだが、先日5000本安打を達成したヤクルトの古田が、巨人のローズが打ったファウルチップを股間に受けて退場した。スローで何度も見たけど、ありゃあ痛いってもんじゃないでしょー。ハレー彗星が股間一転集中に落ちてきたようなものでしょー。本人の見解としては。と、顔をしかめて古田に同情していたら、打撲で全治1週間と診断されたらしい。 オチンチン打撲って。オチンチン打撲ってどんな感じになるんだ。しかも全治一週間て。どんだけ腫れてんだろ。想像するだけで痛いなぁ。あの時、解説の人が「股間に当たると一言で言っても、上から当たる場合と、下から当たる場合で、痛みが全然違ってくるんですよねー」と、どうでもいいことを言っていたけど、古田自身はそれどころじゃないはず。痛いなぁ。巨人も古田も。でももっと痛いのは11連敗してる東北楽天イーグルス。 |
2005年04月26日(火) なんかまぁそんな。 |
久々の仕事。婦長さんが休みなので、主任である僕が婦長代理な1日。怒涛のように押し寄せる仕事、と、ここまで書いて、怒涛のようにの「怒涛」ってどういう意味なんだ? と考えて、考えただけで続きを書くけど、怒涛のように押し寄せる仕事を一つ一つこなしていくうちに、あっという間に午後4時。あと1時間で帰れるなぁと安堵の息を吐いたと同時に、今から会議を執り行うからすぐに会議室へ来いと総婦長から電話。 わー。会議なんて聞いてねーよー。って嘘。聞いてた。ちゃんと聞いてたし、4時から会議があることも知ってた。だけど僕は今日久々の仕事だというのにチョーバリバリ働いたから、会議くらい欠席しても罰は当たらないような気がするという自分への甘え? そっから来る世の中に対しての舐めてる感? それとも仕事に対しての倦怠感? 日常生活全てにおける怠惰な状況? まぁそういうダルダル感に侵されながら会議に出席。そして積極的に発言発案。なんかまぁそんな人生。 |
2005年04月25日(月) 毛布の上に東京。 |
3泊4日の帰郷はあっという間に過ぎ、何に名残惜しいって甥と別れるのが名残惜しくて、空港でまだ「マンマ」くらいしか言えない甥を抱きながら、ちゃんと覚えとけよ。僕の顔忘れんなよ。次会った時人見知りなんてしたらひどいからな。このやろー。覚えてやがれ。と、喧嘩に負けた時の捨て台詞のようなことを穏やかな口調で話し掛け、搭乗口でバイバーイって何度手を振っても、甥はなぜか警備員が気になるらしく、母親である僕の妹が「ほら、バイバイは?」なんて話し掛けても警備員に手を振る始末で悲しかった。 いつも以上に揺れる飛行機の中で身を硬くしながら、離陸前にスチワーデスが言っていた「毛布をお使いの方は、毛布の上からシートベルトを閉めてください」という意味を考えながら就寝。目覚めると既に東京。しかしまだ手の中に、甥のふくらはぎのぷにぷにしたとこの感触。 やっぱ田舎帰りたいなー。東京は向いてないかもなー。鹿児島帰りたいなー。と、いつものようにプチホームシックに罹ったのちにマンションへ戻り、締め切り間近の原稿を書いて、シャワーを浴びて、今、新宿で飲んでるから来いという友人の誘いをやんわり断り、深夜のコンビニでビールとフライドチキンを買って、買ったばかりのエドウィン503のジーンズにフライドチキンの油がついて悔し涙ポロリの東京生活。 |
2005年04月24日(日) 甥と公園。 |
先月1歳になった甥を連れて公園。鹿児島は小春日和というか夏日に近い暖かさで、公園に着くなり芝生に大の字になって、雲一つない青い空を見上げていると、甥が僕の腹の上で暴れだす。 おーおーおー可愛いなー。よしよし。可愛いことは可愛いんだけど、喉が乾いたのでお前と遊ぶ前にまずジュースを買いたいと思う。お前は哺乳瓶に入れたリンゴジュースを持ってきたからこれを飲めばいいと思う。僕はポカリスエットを飲みます。 と、甥に話し掛けてみても意味が通じるわけがなく、僕の腹の上での起立を試みたり、故意にずれ落ちて再びよじ登ったり、僕の顔面めがけてダイブしてきたりと、もうしたい放題。寝たままの姿勢で両足でもって甥をはさみ、うぉりゃあって甥を宙に浮かせて、10秒もしないうちに両足がしんどくなって、よし散歩しよう。 と、甥に歩くよう促すのだけど、未だ2・3歩、気分が乗った時でさえ4・5歩しか自立歩行ができない甥は、叔父との散歩を頑なに拒否。お前が俺を担いで散歩すればいいじゃないかという表情を浮かべながら失禁。 わー。何やってんだよー。さっきオムツ替えたばっかじゃんかー。よって替えのオムツは車の中に置いてきた。しょうがないなー。一度車に戻りましょ。と、片手で甥を担いで、わっ! ってな感じで落とす真似をして、そのスリルが楽しいのかキャッキャッキャッキャと笑い続ける甥に、わっ! わっ! と、何度も落とす振りをしているうちにやはり疲労を感じてきて、この甥の母である僕の妹は、旦那と買い物に行ってるし、甥の祖母にあたる僕の母は、ユニクロ行ってくると言ったまま行方不明。 公園に取り残された僕と、失禁してもなお笑い続ける甥。空は雲一つない青。公園は塵一つない緑。あー右手痛てー。と、甥を担ぎ挙げて肩車。しばし経ったのち首筋に失禁の感触。どこかで神様が笑っている声。 |
2005年04月23日(土) 幼馴染が結婚しました。 |
この「好色一代男」という日記、今年で5年目に入ったが、僕が鹿児島に住んでいた前半の3年間の日記に度々登場する、小学校からの女友達2名のうちの1人が、本日、とうとう結婚する。 まだ結婚してない方の友人と式場に向かいながら、「結婚しちゃうんだねぇ」「結婚するんだよなぁ」と、延々と同じテーマを話し合い、溜息を吐き合い、式場の受付嬢が僕達2人を見て、「ご夫婦ですか?」と訊ね、それに対して再び大きな溜息を吐きながら式が始まり、幼馴染の親友がウェディングドレスをまとって登場してきた時には自然に頬を伝うもの。 「か、か、感慨深すぎる!」と、訳のわからない思いを吐露し、隣の友人を見ると、「キレイ! キレイよ! こっち向いて!」と、デジカメ片手にグラビアアイドルを撮影してるカメラマンのようなことを言っている。さすがに20年以上もの付き合いとなると、親友というカテゴリーをも超越し、家族もしくは兄弟のような付き合いになり、お互い隠し事なんてないというほど全てを知り尽くした幼馴染が、純白のドレスを身にまとい、頬を紅らめ、新郎の横ではにかんだ笑顔を浮かべている。 小学校の頃、校舎の2階から僕にめがけてスリッパを投げ、ランドセルを隠し、給食のプリンと牛乳を泣く泣く交換させられた友人が、今、全ての人に祝福され、指輪を交換し、いろんな意味で甘過ぎるウェディングケーキを、「初めての共同作業」なんて恥ずかしすぎるフレーズを浴びながら入刀し、母への手紙を読み涙し、キャンドルサービスで周るテーブルごとにひやかされ、僕達のテーブルに周ってきた頃は、いつもの笑顔で笑い掛け、「幸せにね」という声掛けに「自分の心配をしなさい」なんて酷い言葉を返されて思いがけずションボリ。 「30歳まで独身だったら、3人で一緒に住もうね」 僕達3人が集まる度に出てくる言葉は、もう耳にすることはないけど、彼女はそんな楽しいであろう夢をも越えた幸せな家庭を手に入れた。 幼馴染が結婚した。これからもずっと友達で、良き相談相手で、良きパートナーで。 |
2005年04月22日(金) テロ的思想。 |
本日、午前10時半に部屋を出て、正午過ぎの羽田発鹿児島行きの飛行機に乗らなければいけない僕は、前日歌舞伎町で観劇した後、酒を飲んでおり、ついでに美味い料理も食って、「明日? 休み休み。今日はパーッと盛り上がろうぜー!」なんて浜崎あゆみのライブのような掛け声を挙げつつ、終電前の帰りの電車の中で明日早起きせんければいかんことを思いだして気分が陰になり、部屋に帰ってシャワーを浴びて就寝。 午前10時半に部屋を出なければいけないのに、起床は午前10時。30分しか準備する時間がない。しかも今回は3泊4日の帰郷であるというのに、着替え、洗面道具、土産その他諸々の準備を一切していないという有様。気分は8月31日に「なんで夏休みの間ちゃんと宿題しなかったんだ」と、泣きべそをかきながら必死に勉強するそれと一緒で、僕のこの刹那主義で好い加減な姿勢は小学生の頃から全く変化していないといえる。 羽田空港でひったくるように土産を買って、チケットを取り出す。「E−11」と書いてあるので、搭乗口11番に向かうが、離陸20分前だというのに閑散としている。なんだよみんな結構時間にルーズなんだなァ。僕ってどっちかっつうと時間にシビアな方かもしれないねとの思いはただの自惚れであり、「E−11」というのは飛行機の座席番号であり、搭乗口はその上に記載されている「2」だったということが離陸10分前に発覚。チョーヤベー。親友の結婚式に行けねーカモシレネー。と、焦っているというのに自分の馬鹿さ加減に呆れ、オカマのような格好でヘラヘラと笑いながら2番搭乗口に走り、息を切らしながら座席に乗ると隣がメチャクチャ可愛い子! メチャクチャ可愛い子! やった! 今から楽しいフライトが始まる! なんて思ったのも束の間、あんまりキレイじゃないスチワーデスが、「お客様……」と何だか言いにくそうに話し掛けてくるので、なんだよチョーウゼー。遅れたのは謝るけど、こうやって時間に間に合ったんだし、快適な空の旅を楽しむ為に、しばらく先程の小走りで躍りあがった心臓を落ち着かせてくれる時間をくれないだろうかという視線を送った刹那、「お座席、お間違ってはおりませんでしょうか」と、なんだか変な敬語を使われ、チケットを取りだしてみると「F−11」と書いてある。わぁ。恥ずかしい。でもEとF、線が一本入ってないだけじゃねぇか。せっかく隣に可愛い子が座ってるんだし、そこをなんとか。という視線を送りつつ、こんな恥ずかしい思いをするのならいっそ墜落すればいいのにとテロ的思想。 |
2005年04月21日(木) 愛の渦。 |
某IT企業に勤めるピチカートマニアのご令嬢と、劇団ポツドール公演「愛の渦」という演劇を観に行った。 ”リアル”にこだわった作品づくりがこの劇団の特徴らしいが、リアルにこだわりすぎているあまり、リアルな「時間」というものも共感しなければならず、これが辛いといえば辛い。 というのは、例えば僕と彼女が会話をしている。面白いことも言えばつまらないことも言う。笑うこともあれば怒ることもある。でも、二人がいる時間は、面白いこともつまらないこともなく、笑いもしないし怒りもしない、「なんでもない時間」というものが存在して、この演劇でも、この「なんでもない時間」が、舞台で忠実に再現されている。 二人で舞台を凝視しながら、「……なんでもないじゃないか」と感じつつ、これも意味があるんだと更に注目するが、やはり何も起こらず、そこでようやく、リアルとはこういうことなんだよなという思いに到達。でもやっぱりこの「なんでもなさ」を表現するのにも、すごい技術とか必要なんだろうなぁと思ったアルタ前。 テーマが性欲もしくは肉欲もしくは愛欲もしくは色欲という、「欲」という字がとても似合うとにかくエロエロな演劇だったが、まぁ全ての物事の本質はエロだと思うので、その大々前提を通してこの演劇を見ると、とても面白いと思う。 帰りに寄った居酒屋で、今日の演劇とエロについて感想を語り合ったが、自分たちの会話に注目すると、やはり「なんでもない時間」が存在する。ビールを飲みながら「なんでもない時間」を満喫するという楽しさが見つかったりして。 |
2005年04月20日(水) チープな君が好き。 |
安めぐみって、合コンでは一応可愛い方なんだけど、口数少ないし最初からウーロン茶だし、ただヘラヘラ笑って、周囲に気付かないようにこっそりと時計を見たりするけれど、その行為がバレバレで、こいつ帰ることばっかり考えてやがると、周囲がこっそりひいてしまうような、そんなコだと思っていたのだが、なんだか最近気になりだして、安めぐみ公式ホームページを見てみた。 芸能人はブログを用いて日記を書いたり、Flashを用いてプロモーション活動を行っているという昨今、安めぐみの日記ときたら、紙に手書きで書き、それをスキャンしてホームページにアップするという、なんともアナログな手法を用いており、これが狙いなのかどうなのか知らんが、僕はこの日記で、安めぐみのことを一発で好きになってしまった。 いや、以前から気になっていた存在だったのかもしれないが、あのグラビアアイドルっぽくない垢抜けなさ及び黄金伝説で一ヶ月一万円生活を送る地味っぽさなど、質朴な印象が、質朴な生活を送っている僕とどうしてもだぶってしまい、質朴な奴が質朴な女を愛してどうする。マイナス+マイナス=マイナスじゃないか。いや、でも待てよマイナス×マイナス=プラスだよね! プラスだよね! と、僕自身どこからテンションが上がったのかわからないが、とにかくそういう心理過程を経て、僕は安めぐみのファンになってしまった。ゆうこりんには大変申し訳ないが、僕はゆうこりんがこりん星からやって来たっていう逸話は嘘だと思う。 |
2005年04月19日(火) 和解会見。 |
昨日のような好い加減な姿勢でニュースを見ているものだから、ライブドアとフジテレビの問題も、あぁー、二次方程式って何なんだ。大人になってこれが何の役に立つってんだ。やってらんねー。オレは恋に生きるよ。あと部活にもちゃんと行くよ。 という、中学生の頃の僕の思考過程そのままに、ライブドア問題が複雑になっていく途中で匙を投げてしまって、本日、和解会見などをやっていたが、何がどう和解して誰がいくら儲かって、ってそもそもフジテレビとニッポン放送の違いすら未だ理解できず、じゃあホリエモンがもっとイケメンだったらどうだっただろう。やっぱり人は見た目で判断するもんね。と、もう頭の中はワイドショー的思考で、こうしてあらゆる問題を直視することを避け続けている僕は、自ずと自分の殻に閉じこもり、部屋の中で小説開いて文学ばかりやっている。 よって現在、わが国日本はアジアでちょっと孤立したような存在になっているが、我が国日本の首都東京の東京の端の板橋のワンルームマンションに住んでいる僕は、日本という社会からも孤立してしまっている。仕事行きたくないけど、寝てても誰も人道的な援助なんてしてくれないし、先日、爪を切り過ぎてしまい、鼻糞すらも容易に摘出できない状況下、村上ファンドのあの村上さんでいいのかな。村上さんのあの腐ったような目をブラウン管越しに見ながら、ふと部屋の鏡を見てみると、僕もやはり腐ったような目をしていて。 |
2005年04月18日(月) 日和見主義でアル。 |
テレビでは反日デモのことばかりやっていて、おっかねぇなぁ、なんであんなにいきり立ってんだろー。と、ブラウン管のこちら側でポテトチップス食べながら見ている僕と、ブラウン管のあちら側で日本の領事館に投石するなどの破壊活動を行う中国の同年代の人たちとの間に生じるこの温度差はなんなんだと思い、タバコが切れたのでコンビニまで歩きながら考えた結果、まぁいつも答えは一緒なんだけど、結局僕が馬鹿だからという結論に達した。 なぜ馬鹿なのかというと、中学生の頃は部活と万引きしかしていない本当の馬鹿だったので、社会というもの、これは尾崎豊が語る抽象的な社会ではなくて、教科としての社会が嫌いで、地理も歴史もおまけに教師も嫌いな15の夜、盗んだバイクを盗まれて、行く先もわからぬまま走り続けて現在いつの間にか東京に住んでいる次第だが、中国の人たちは日本の社会の教科書の内容がいかん、歴史を改ざん、歪曲してるのでムカつく。よってオレらはデモを行うアルよ。中国人みな拳法使えると思ったら大間違いアルよ。よってオレらは拳法が使えんので投石に頼るしかない。あと日本の製品を買わないとかね、あとみんなで目的が一つになって行進するっていう爽快感? 醍醐味? 若き日の思い出作り? みんなでやれば怖くない感? みたいな? みたいな感じで、本来の目的すら忘れてただただ破壊欲望をデモを使って代償しているとしか思えない。 しかし僕は馬鹿なので、学生時代、教科書なんて真面目に読んだことがなくて、どこが改ざんされてどこが歪曲されて、改ざんされた内容がわかったとしても、どうせ終わったことじゃあないか。知らんよ僕は。あんなにいきり立っておっかないからさ、教科書訂正して収まるんだったら訂正すればいいじゃんと思うよー。という、僕の人生そのものを表した、その場が収まればどんな手段を踏んでもいいという、出来栄えのみを重視する為、詳細さや正確さを犠牲にしてしまう、僕は目標達成の為に常に打算的な日和見主義でアルよ。 |
2005年04月17日(日) 虫歯ジレンマ。 |
寝る前にベッドでビールを飲みながら小説を読むってのが僕の一日の中で一番楽しみなことなんだけど、ビールを飲む前に歯を磨いてベッドに入るので、ビールがフッ素配合のクールミントな味と混ざってしまい、ちっとも美味しくない。しかしビールを飲み終えてから歯を磨くのもこれ面倒であって、クールミントなビールを飲んで不快な気分のまま就寝するか、ビールを飲んで虫歯上等の根性で歯を磨かずに就寝するかの二者択一に毎晩悩まされつつ、しっかり毎晩歯を磨いているくせに、定期的に虫歯になるのはこれ僕のデンタルケアがアルコールによって阻害されてるからであって、じゃあビールをやめればいいだろうと思うだろうけど、僕はもうアルコールを飲まなければ就寝できない体になっているので、虫歯を徹底的に予防しようと思ったら不眠症になるという新たなジレンマが発生。でも人生なんてジレンマだらけなんだから、気にすることないと思うけど、人生に対してこのような投げ遣りな態度および無関心な心境に陥ると、やはり虫歯が発生する。虫歯が発生するんだよ。 |
2005年04月16日(土) キャリアマン。 |
総婦長室に呼ばれる度に、結婚の話が出てくるので厭になる。今日もお見合いの話を勧められた。って僕は何度も断っているのに、総婦長はどうにかして僕をこの病院に留まらせて骨を埋めさせようという魂胆で、二度と郷土の土を踏ませない様、東京の人間と結婚、永住、大地震に見舞われ死亡という青写真を描いているのだ。 「結婚は、まだ全然考えてません」 「あ、そうなの。でね、うちの事務の女の子なんだけどね」 と、全く僕の話を聞いていない。しかもうちの病院は事務員が何人もいるので、固有名詞を言われても誰のことだかさっぱり見当がつかないし、見当がつくつかない以前の問題に僕は彼女がいるのであって、見当がつくつかない以前の問題に僕は彼女がいるんですと度々総婦長に言っているんだけど、 「あ、そうなの。でね、あのコいいコなのよ。仕事も真面目だし」 と、おそらく総婦長は僕の声だけ聞き取らない特殊な聴力を持っていると推測される。しかし結婚しても仕事を辞める時は辞めるのであって、僕は別に辞めようとも思っていないし、むしろこの病院で頑張れるところまで頑張ってみようと思っているのであって、要するに僕は仕事と結婚するのであって、僕は一生キャリアマン。って何だこの言葉。女だったらキャリアウーマン。男だったらキャリアマンじゃないの? キャリアマン。弱そうだなぁ。窓際で佇んでいそうだなぁ。上司の一語一句に怯えていそうだなぁ。と、なるほど合点。その姿こそ真の僕の姿であって、僕はやっぱりキャリアマン。 |
2005年04月15日(金) ゴーマリサン。 |
ワーストジーニスト賞なんて賞があったら絶対受賞するし、5年連続受賞して殿堂入りを果たすって自負するほど、僕はジーンズが似合わない。だから滅多にジーンズは履かない。たまにジーンズを履いて職場に行くと、看護婦さん達から、「今日のヨシミ君なんか違う。なんかダサイビームが出てそれを直撃したら私たちまでダサくなりそう」と囁かれ、一体僕のダサイビームはどこから発射されてるんだと詮索すると、それはEDWINの503から発射されてるのであって、やっぱなー、似合ってないんだなー503。これって結構高いんだよなァ。あーブラピになりてー。と、空に叫んだ願い空しく1回履いて殿堂入りならぬお蔵入り。 |
2005年04月14日(木) 彼女と優子と反日デモ。 |
小倉優子と若槻千夏さえいれば他のアイドルなんていらないとまで思っている僕の気持ちを一番よく知っている彼女は、小倉優子や若槻千夏がテレビに出る度に、「今あのムカつくブスが出てるよ。あ、8チャンネルね」と、いちいち報告してくる。 ここが女心の複雑な所以であって、「わー! 今すぐ見る!」なんて歓喜してテレビのチャンネルをまわすと、「何よ。私のことなんてちっとも構ってくれない」なんつって彼女はすねてしまう。しかし、「別にいいよ。今ちょっと忙しくてテレビどころじゃないんだよ」と、彼女の気持ちを慮って言うと、「何よ。私がせっかくあなたの為に報告してあげたのに」と、やはりすねてしまう。ということは、彼女が小倉優子、若槻千夏をブラウン管越しに発見した瞬間から、彼女がすねてしまうシナリオは完成されていて、そこに僕が入る余地はない。 しかしいくら怒ってもブラウン管越しのゆうこりんやちーちゃんはいつも笑っているのであって、うへー可愛いなぁ。めんこいなぁ。願わくば結婚を前提にお付き合いを始めてみたいなぁ。あと手を繋いで靖国神社を参拝したいなぁ。一緒に反中デモに参加したいなぁ。竹島に旅行にも行きたいなぁと、いきなり時事モードに入ったのはニュース聞きながら日記書いてるから。 |
2005年04月13日(水) 何でもできる感? |
仕事帰りに職場の人とたらふく飲んで、あー頭イテー、もう食エネー、吐き気スルーと思うけれども、血中にアルコールが入って頭が少し馬鹿になっているので、気分は高揚、俺って何でもできる感? みたいなやつが体中に充満しており、自転車で全力疾走。階段さえもチャリで登れるゼ! だけど階段の両脇に自転車用のスロープが設置されてるからそこを登るぜ自転車で! と、助走をつけてスロープを登り始めた午前1時。あと一息というところでスロープから階段へ転落。前車輪が階段からはじき返されると同時に、体は鳥のように宙に舞い、牛のように無様に落下。全身をしたたか打ちつける。 イテテテ。よかった頭打たんくて。でも肋骨が折れたかもしらんね。あと膝の骨折ったかもね。でも大丈夫。なぜなら僕は酔っているから。血中にアルコールが入って頭が少し馬鹿になって痛みもあんまり感じないから。と、自転車を起こして鼻唄を歌いながら帰宅。シャワーを浴びる前に服を脱いで鏡の前に仁王立ちしてビックリ。全身のあらゆる箇所が打撲、もしくは出血しており、これは予想以上に重症かもしれん。自力で帰宅できたことが奇跡なのかもしれん。あと転倒の際、ジーパンが破けたことが少し悔やまれる。でもあれはあれでオシャレかな。それとも肋骨折れてんのかな。ちょっとへこんでるし。ということを伝えたいが為に素っ裸のまま彼女に電話。 酔った状態での電話を嫌う彼女は、僕の話を全く聞こうとはせず、電話が通じた瞬間から「切るよ、もう切るよ」と言っている。しょうがないので、って、とりあえず膝の血を止めなければと思い、止血したら電話すると言って電話を切って、その後なかなか止血しなかったため再び彼女へ電話することができず、飲んだら飲むな、飲むなら今だ。と、訳のわからないことを考えながら意識消失。 |
2005年04月12日(火) ブログってすごいよね。 |
現在、メインサイトである「歪み冷奴」の約10倍ものアクセスをほこる「月刊男心」というブログは、なぜ五年もほぼ休まずに運営してきたサイトを開設5ヶ月にしてアクセス数を上回ってしまったのかと疑問を抱いたとき、考えられることはニつ。まずメインサイトより面白い。言い方を変えるとメインサイトが面白くない。ってこんな理由が真実だったらちょっぴり涙が出てくるが、もう一つの要因は、weblogというツールの特性である。 このウェブログ、通称ブログ。このツールは横との繋がりが実に容易なのである。今までは隣の家に行くのも、玄関出て隣の家まで歩いて行ってチャイム押して、「お邪魔していいですかー」「いいですよー」という問答の後、部屋に入って、ちょっとした談話の後、「また来まーす」「また来てねー」というような、実に人間的な繋がりが存在したが、ウェブログの出現によって、隣の家にチャイムも押さずに入れる状態もしくは隣の家すら同じ建物というような感じになって、全てのサイトにお邪魔するときの敷居が一つ低くなったような感じを受けるのである。 それがコメントであったりトラックバックであったりすると思うのだが、そんなことなんてどっかの誰かが専門的な知識を用いて書いてると思うし、コメントであったりトラックバックであったりなんて書いてしまったが、ちょっと横文字を使ってみたかっただけで、コメントやトラックバックがどうアクセス数に影響する理由なんてそんな思いつかないし、実はまだトラックバックの意味すらあまり把握していない。 しかし毎日もしくは二日に一回のペースで、作品を一つ書くと何百人という人がそれを読み、何十人という人がコメントを残し、何人かの人がトラックバックしてくれる。すげぇなウェブログ。すげぇな「月刊男心」 でももっとすごいのは五年も休まずに運営している「歪み冷奴」でございます。と思います。 |
2005年04月11日(月) 恐怖のビール腹。 |
最近は夜毎飲み会が続き、胃酸が過剰に分泌され、胃の粘膜が荒れ、食欲及び、翌日の仕事へのモチベーションの低下をきたし、鏡の前に立つとちょっぴりお腹も出てきたようだ。 ビール腹。医療職でありながら、ビールを飲みすぎると、どのようなメカニズムでビール腹になるのかわからない僕は、ただただ中年になることへの恐怖におののき、いくら酔っ払ってもシャワーを浴びさえすればさっぱり酔いが醒める特性を生かし、いくら飲んでも毎晩腹筋100回だけは欠かさない。 でもさー、まぁビールいっぱい飲んで腹が+2出るとするでしょー。んで、うちに帰って腹筋100回しても腹は−1しか引き締まらない。ということは+1腹が出るってことで、まぁ不可抗力といえば不可抗力じゃない? あと2年もすれば三十路なんだしさ。ね? 腹筋なんてすることなくない? もうやめにしよ。僕は自分の体に正直になるよ。ついでに自分の気持ちにも正直になるよ。こんだけストレスフルな社会なんだからさ、酒くらい好きなだけ飲ませてよ。と彼女に相談。 「だったら腹筋200回すれば−2引き締まって、腹への影響は±0になるから今日から腹筋200回。はい頑張って」 頑張れるわけねーじゃんと思った。毎日腹筋100回してるってのさえ嘘なんだし。って「好色一代男」の流れからいってこう書きたいけど、実際は毎晩100回以上腹筋して、おまけに腕立て、背筋などもこなしている暇があったら原稿を書けばいいと思うよ。 |
2005年04月10日(日) なぜかメッシュを入れる僕。 |
僕の髪がー肩まで伸びてー。って実際に肩まで伸びて、彼女に三つ編みしてもらったり、職場でナースキャップかぶってヘラヘラしていたのだが、桜のつぼみも開き始め、次第に気候が温かくなるにつれ、髪の毛ウザい。なんでこんなに後ろ髪が長いんだ。帽子かぶったら阪神の井川みたくなってるじゃないか。そもそもなんでこんなに髪の毛伸ばしてたんだ。何か自分の中でモットーつうかイデオロギーつうか主義主張? そういうやつって何? 僕の根底を流れる得体の知れない何かが後ろ髪を伸ばしたとでも? そういえば先日、「高円寺の女」を出版したいざまんさんに初めて会った時の第一声が、「髪の毛、短い人かと思ってました」と言われて、何か自分自身でもそうだよなー。どっちかっつうと短い人だよなーって納得してしまい、髪が長い僕と短い僕。どっちが僕らしいかということを大体において毎日が暇なものだから、2・3日ずっと考えてて、よし、バッサリ切ってしまおうと、本日行きつけの美容室。メッシュどうすか。メッシュ。ちょー流行ってるんスよ。と、担当ではない美容師に凄い剣幕で薦められて、あ、じゃあ、それでお願いします。と、なぜかメッシュを入れる僕。なぜかメッシュを入れる僕。 |
2005年04月09日(土) 刹那主義。 |
パソコンを開いてから原稿の〆切が近いことを思い出したり、ゴミ捨て場の前を通ってから今日がゴミの日だったと思い出したり、シャワーを浴びだしてからボディーソープを詰め替えるのを忘れてたりと僕は馬鹿である。刹那主義な人間である。 まぁ〆切が近ければ原稿を書けばいいし、ゴミの日を思い出したらゴミを取りに帰ればいいが、ボディーソープを詰め替えるのを忘れてて呆然とシャワーに打たれている状況。これが一番悲しいし自分に対して馬鹿百回連呼。 だいたいボディーソープが切れたその日に詰め替えればいいものの、「明日風呂入る時に気付くだろう」と、面倒臭がりで馬鹿な僕は明日の僕に期待してしまうのである。こういう思考って間違ってるといい加減気付いて欲しい。自分で言ってるのだから間違いない。明日の僕も馬鹿である。 そしてシャワーに打たれながら考える。どうしよう。ボディソープ、取りに行こっかな。でもこのまま取りに行ったら床びしょびしょになるしな。かといって一回タオルで体拭いて取りに行くのも面倒臭いしな。やだな。面倒臭いな。あと一回くらい出ないかな。と、そんな馬鹿な思考は、とっくの昨日に考えたばかりで、昨日は幸いにもボディーソープの容器をひっくり返して、なんとか1回分抽出できたが、神様は二度も許してくれない。 しょうがないので、床が濡れるのもいやだし、タオルで体拭くのも面倒臭いという意向がそのまま出たような行動。すなわち好い加減に体を拭いて浴室を出たものだから、体は濡れてるし床も濡れるという最悪な状況の中、詰め替え用を取りに行って素っ裸でボディーソープの詰め替えを実行しようと思った刹那、取りに行ったのはシャンプーの詰め替え用だったと知り自暴自棄。一生浴室で暮らすことを決意。 |
2005年04月08日(金) 言っちゃいけないテーマ。 |
「優しさ」って何だろうと考える。それは演出するもの。それは滲み出るもの。それは誇張したもの。それは備えているもの。優しさって何だろうと考える。 先日、患者さんから「ヨシミさんってどうしてそんなに優しいのですか?」と訊ねられ、「そりゃあ給料もらってるからですよ」と冗談で答えたのだが、言い得て妙で実際そうなのかもしれない。 例えば給料を貰ってなかったら今のように患者さんに優しく接することができるだろうか。と、これは看護するものの「言っちゃいけないテーマ」みたいなもので、僕は、というかこの仕事をしている人はきっと給料が貰えなかったら患者に優しくすることなんてできない。と思ったり思わなかったり。 でもその意見を否定する僕もちゃんといるわけで、やはり目の前に病を持つ人がいたら僕はきっと何らかの処置を施して、安心できるような言葉を繋ぎ合わせて声を掛けるかもしれない。今はこうやって仕事が終わって家に戻ってこういうことを書いているが、仕事中は「給料」なんて概念は頭に存在しなくて、目の前の患者さんがどうやって快適に日々を過ごしていけるか、病の負担を減らしていけるか、そしてどうやって病と向き合っていけるか、と、そんな真面目なことばかり考えている。 給料が出るから優しくしてるんじゃない。いちばん優しさが求められる場所だから優しくなれる。上述の意見と矛盾しているが、やっぱりこっちのスタンスの方が近いかもしれない。優しさって、そういうものだと思う。 |
2005年04月07日(木) カレラはメールし放題。 |
「彼等はメールし放題」ってCMで、あのキノコ頭の女は楽しそうに言っていて、そりゃあお前等は何らかの理由でメールし放題なのかも知らんが、俺等は一体どうなんだと彼女に訊ねたところ、あれは「彼等」と言っているのではなく、「カエラ」と言っているのであって、カエラとはすなわちあのキノコ頭の女のこと、姓は木村、名はカエラを指しているのであると説明され、じゃあ木村カエラはメールし放題なのかも知らんが、俺等は一体どうなんだともう一度彼女に訊ねると、私はボーダフォンだから相手によってはメールし放題だが、お前はauなので如何ともし難いと述べ、更に、先日貴殿の部屋に宿泊した際、貴殿の寝息を確認してからちと携帯を開いてみたが、男友達より圧倒的に女友達の方が多くて驚愕し、その夜は一睡もできなかったと話は飛躍。俺は「カエラはメールし放題」を聞き間違えただけだっつうのに何なんだこの仕打ちは。 |
2005年04月06日(水) 今日は4月11日だってのに。 |
ほら、もう何書くか忘れてる。仕事中に、今日はアレのこと書こうって思って帰宅するともう忘れてる。やんなっちゃう。だってなんだかだってだってなんだもーん。 そういえば4月から看護主任として頑張っているわけだが、看護主任なんてのは聞こえはいいが、よく考えてみるとただの中間管理職で、婦長さんの仕事をサポートしつつ、今までの看護業務を遂行しなければいけないというかなり損な役回り。ちょっとは給料上がるみたいだけど、やっぱりヒラで働く方が気楽だよなァ。なんて思いつつもそれなりに遣り甲斐があったりして。 あ、思い出した。何書くか思い出した。でも今日はここまで書いちゃったからこのままダラダラと書きたいけれど、彼女が実家へ帰ってしまったこの日常に、書けるものなど何も無い。 彼女も自分のウェブサイト持ってるけど、日記なんてたまにしか書いてないから気楽なものだと思う。僕は自分のウェブサイト持っててA型だから日記は毎日書かないと気が済まない。いいな。彼女の性格。と、喧嘩を売ってみる。 |
2005年04月05日(火) 心強さと。 |
じゃあ行ってきまーす。行ってらっしゃーい気を付けてねー。と、手を振る彼女。いつものように朝8時に部屋を出て仕事に行って、夕方6時に帰ってくる。ただいまー。と、靴を脱ぎながら言っても誰もいない。朝は彼女が見送ってくれたのにさ。彼女はどこに行ったのだろうと置き手紙。要約すると、楽しかった。大好きです。浮気しないで下さい。また来ますみたいなことが書いてある。そっか、彼女は今日四国に帰っちまったのか。あーあ。つまんないなー。と、昨日彼女が作ってくれたカレーを温めながら、いつもの風景に戻っていく独身生活。 久し振りに口内炎ができて、オレって若いなー。なんて思ってるけど、そりゃあニキビができたら若いって思うが、口内炎は歳を取ってもできるだろうと思っても、数年振りの口内炎に若き日を思い出し、イタイイタイ言いながら口を開けて鏡を見る僕の顔は少し微笑んでいる。 若いなー。オレって若いなー。と、口内炎ごときでこんなにも若さに固執しているのは、やはり彼女との8歳の歳の差。なんて年齢に固執するようなことを書いてしまったが、実際彼女と付き合ってみて、年齢の差を感じることなんて、そうあるわけでもなく、外見上は普通のカップル。ここを普通のアベックなんつうと世代の差が浮き彫りにされるが、服の趣味も雰囲気もそれなりに統一されてるし、ただ単に僕は彼女より8年早く母親の卵子に辿り着いただけであって、年齢についてはあまり重く考えないようにした。 この「好色一代男」という日記を書き始めて早5年。「彼女」という言葉は固有名詞ではなく、常に変化し続けていたが、現在の「彼女」は、「好色一代男」を書き始めてから最長の同一人物である「彼女」ではないだろうか。どうだろうか。そうでもないかな。と、昔の日記を読み返して確かめてみたいけど、恥ずかしいのと面倒臭いのと心強さと。 |
2005年04月04日(月) 家庭的フレグランス。 |
「ねぇ、今日何食べたい?」と言われて、「君が食べたい」なんて冗談を言おうと思ったけど、今日は食べる気がしないので、もし彼女がそれを真に受けて、「じゃあ食べてー」なんて服を脱ぎだしたら、それ相応の対処をすると思うが、なんかそんな気分じゃないので、「カレー食いたい」と真っ当な意見を述べると、「じゃあ作るー。買い物付き合ってー」なんつって二人でウキウキショッピング。 ニンジン、タマネギ、ジャガイモ、豚肉、お鍋で炒めて、ハイデキアガリー。と、料理の手際が良すぎる彼女はあっという間にカレーを作ってしまった。しかもカレー作ってる間にいつの間にかサラダまで作ってる。実に家庭的だなぁ。学生にしとくにはもったいないなぁ。しかし妻にするには若過ぎるよなぁ。 なんて考えながら「ちょっとコンビニでお茶買ってくる」なんて言って、実際お茶を買いに行ったのだが、本当は煙草が吸いたかっただけであって、彼女と一緒に居る時はタバコは食後3本だけ。しかし彼女の機嫌によってはその希少な喫煙権すら剥奪されてしまうという状況で、僕はコンビニに行くという名目で高校生のようにビクビクしながら煙草を吸っている。しかも外で喫煙したことがバレないように、ポケットにフリスクを忍ばせて、マンションのドアの前で3粒ほど口に含み、全力で唾液を出して口腔内をフリスク臭で満たす。彼女には申し訳ないと思っている。約束を守れない自分自信を不甲斐ないと思っている。でも煙草が1日3本なんて厳しすぎると思う。お前もナプキンの交換が1日3回までっつったら怒るだろと彼女に言ったけれど、それとこれとは問題が違うと一蹴され、実際に尻と大腿部の間辺りを一蹴。 はーいお茶買ってきたよー。と、マンションのドアを開ける。と、いつもならばマンションのドアを開けると、靴の臭いと消臭剤の臭いが混じった妙な香りと、開け放たれたユニットバスから放たれる湿っぽい香りが一緒くたになって襲ってくるのだが、今日はカレーの匂いがする。実に家庭的な匂いがする。 部屋に帰ると料理の匂いがする。感動して涙が出そうになる。この何でもない風景を特別なものとして認識するほどの寂しい独身生活を日頃送っている僕は、エプロン姿で僕の帰りを待っていた彼女を見て、あぁ、煙草なんてやめちまおうと思った。まぁ思っただけなんだけど。 |
2005年04月03日(日) 五分咲き。 |
彼女のことばっかり書いてるのは、毎日彼女と会っているからで、仕事のことを書かないのは仕事辞めちゃったからであるというのは嘘で、今月から個人情報保護法が施行されたので、うっかり個人が特定されることを書いちゃうと6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金などの処分を受けちゃうのが怖い。怖いよママン。と、新しい法律に過剰反応。 まぁ彼女のことばかり書いている時点で、彼女からプライバシーの侵害だの愛の超特急だの訴えられたら敗訴するのは確実で、6ヶ月以下の懲役は免除するから私と共に愛の懲役を受けましょう。もしくは30万円の罰金は許してあげるから私に3万円のバッグを買ってと言われるのは明らかで、そんなことなら僕は懲役6ヶ月を選ぶよ。 今日は彼女と上野に花見に行ったんだけど、桜はまだ1分咲きだというのに東京の人間は馬鹿だから未だ枯れ木のような桜の下でわいわい騒いでる。お馬鹿やなーと露店で買った缶ビール片手にふらふら歩いてたら「私にもビールちょーだい!」と、彼女は僕のビールを取り上げ、半分以上飲み干してしまった。 何でそんな飲むんだよー。お前さっき十六茶買ってただろーそれ飲めよーと、怒ったような泣いたような声でふらふらしながら桜の下。彼女は再び露店に走っていき、こんなものなんで露店に売ってんだと思うようなジャガイモのふかした奴を買ってきて、1個くらいは僕にくれるのかなくれるのかなと横目でチラチラ見ているうちに完食。彼女が抱く僕への愛もまだまだ五分咲き。 |
2005年04月02日(土) だって2時間。 |
5時半に職場を出て急いで駅に向かった理由は池袋で6時に彼女と待ち合わせをしてるから。遅刻するとすごくおっかないから。この前も遅刻したしね。今度遅刻したらきっと僕は捨てられてしまう。 6時。池袋駅。彼女の姿は人波に埋もれているのではなく単に池袋にいないから。こらーてめーどこだよーとメール。 「ご ごめん」 僕は彼女が現在どこにいるか知りたくてメールしたのに返ってきたメールはごめんなんて突然の謝罪。どういうこっちゃ。と、どこにいるのかっつってんのーと、再びメール。 「が がんばってます」 意味がわからない。何を頑張っているのかわからない。時間に律儀な彼女は待ち合わせに遅れることはまずなく、彼女が言っている「頑張っている」の意味はきっと、彼氏を待っている間も手鏡片手にメイクを頑張っているのではないだろうかと解釈しているところに新たなメールが届く。 「2時間遅れます」 ほら。ほらね。次元が違う。僕なんて5分遅れそうであたふたしてんのに彼女ったらお茶目っつうかお馬鹿っつうか大馬鹿! 2時間て! 待てねぇよ! と、パチンコ。30分後、5千円つっこんで店を出る。なんなんだいこの仕打ちは。つーかパチンコ怖ぇー。先日ゲームショップで4800円のゲームを散々迷った挙句購入を見送り、古着屋でも5500円のジャケットを散々迷った挙句購入を見送ったというのに、パチンコっつーやつは5000円なんて30分で飲み込んでしまう。あぁゲーム買えばよかった。あぁジャケット買えばよかった。そんなことよりも5千円くらいの洋服を彼女にプレゼントすればよかったと、彼女の遅刻を許している上に彼女へのプレゼントのことまで考えている僕はすごく偉いと思うよ。この日記は彼女も読んでると思うので、僕ってばこういう奴なんだと感心して欲しいと思うよ。 |
2005年04月01日(金) 優しさ残酷紙一重。 |
僕は自分の買い物をするよりも、彼女の買い物に付き合う方が好きというか、彼女が選ぶ服にいちいち難癖つけるのが好きなのであって、「これどう?」「どうもこうもねぇよ。ツギハギのボンタンアメじゃねぇか」と、意味不明の言葉で罵倒するのが快感で、今日もその快感を味わう為にやって来ましたショッピングモール。 彼女が好きなブランドのショップで、服を選びながら「これどう?」「これ可愛いよね」と訊ねてくる彼女に、ツギハギのボンタンアメだの、ガラクタのモンガイカンだの、思いついた言葉で罵倒する僕に対して彼女はめげることなく、「うーん、じゃあこれなんてどう?」「これってあなた好みって感じがするんだけど」と、訊ねてくる彼女に対して、やはりチャンチキのスッテンテンだのコテコテのミノモンタだの荒唐無稽の文句を並べていると、次第に彼女は涙ぐんできて、それでも「……じゃあこれは? 色がすごく綺麗よね」「……これって値段の割に凝った作りだよね」などと店に入った始めの活気こそはなくなってきたものの、それでも僕が真摯に服の評価をしてくれる日を夢見て根気強く訊ねてくる。僕もそこまで悪魔ではないので、「ちょっと、色がね」「デザインが、あれだね」と、徐々に人間的な評価をするようになってくる。 そうして彼女の服を数点選出し、試着室へ入り、カーテンをはさんで「お客様、よろしいでしょうか」などと店員の振りして彼女に話し掛けているものだから、他の客も僕を店員と勘違いして、「これ試着していいですか」なんて話し掛けてくる。僕は店員じゃないんだから試着でも万引きでも随意にすればいいだろうと思うのだけど、客は僕を店員と勘違いしているのであって、ここで「あ、僕も客なんですよ」なんて言うと、何て紛らわしい客なんだ。ムカつく。ちょー恥ずかしい。と、客の自尊心を傷付けることは確実であって、嘘も方便。客の自尊心を守る為に、僕も店員になりきって「空いてるとこにどうぞ」と、本物の店員の視線を気にしながら応対。 そうしているうちに彼女が試着を終えカーテンオープン。「ねぇ、似合う?」と、訊ねられ、ここで「似合わない」と言うとその後、彼女が不機嫌になるけれど、「似合う」と言うと、それを購入し、似合わない服を似合っていると勘違いして街を往来。アイツのファッションセンスはなんなんだ。と、民衆から冷たい視線を送られ、その視線でさえ、あぁ私似合う服着てるからいろんな人から見られている魅られている。なんて重ね着勘違い。優しさ残酷紙一重。よって彼女をそんな不幸な思いをさせたくない僕は、似合わないものは似合わない。僕の経済的事情をも踏まえ、似合うものも似合わないと言いつつ本日はパンツ1枚スカート1枚購入。 店を出て、「ありがとー!」と僕の腕に抱きつく彼女。彼女の高揚感に乗じて、駄目を承知で「じゃあタバコ1本吸っていい?」と、恐る恐る訊ねると、「もっちろん!」と答える彼女。ふと見上げると、雲ひとつ無い青い空に煙草の紫煙が広がっていて。 |
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