2001年03月31日(土) 水を得た魚のように。 |
昨日からスイミングスクールに通いだした。 日頃の運動不足の解消の為に、いや、むしろストレス解消の為に。 職場でバレーボールしたり彼女と山登りに行ったり友人とバッティングセンターに行ったりしてるので実はあまり運動不足ではない。 しかし、職業病である私の腰痛は上記の運動で改善するわけではなく、むしろひどくなったりするので、腰痛には水泳が良いとみのもんたが言っていたと友人が言っていたと後輩が言っていたので意を決してスイミングクラブの門を叩いた。 私が選択したのはフリーコース。ただ自由に泳げばいいらしい。 今更コーチか先生か知らないが、今日は基本のばた足からやってみましょう、など言われたらたまらない。 時間は1時間半。たいして苦痛ではないだろう。 プールで泳ぐのは実に3年振り。昔はちょっとは泳ぎに自信があ ったのだけど、それももう3年前。 しかし昔泳げたのだから今もきっと泳げるはずだ。 ちなみに最後のプールは専門学校時代。 なぜか看護学校の授業で水泳があった。 多数の女性に囲まれて男性がたった一割。今だったらかなり羨ま しい光景だが、当時は別に何とも思わなかった。 クラスメイトに発情するのは高校生までではないだろうか。 不確かな自信を胸におそるおそる水面に足をつける。 しかし、その不安もそこまで。 全身がプールに入った途端、水を得た魚のように水中をかけめぐる私がいた。 と言いたかったが、そうは問屋が卸ろさなかった。 ゴーグルを忘れた。 最近のプールは消毒薬が強すぎるのではないかしら。 とりあえず25m泳いで顔を上げたとき、早くも目の前は白い霧 がかかっていた。目が痛い。 「すいません。ゴーグルって貸してくれないのですか」 「ありません」 スイミングクラブのおじちゃん即答で返す。なんだよ。冷たいな。 プールの水にいつまでも浸かっていると心まで冷たくなるのかしら。 だけどそれは違うな。ここは温水プールだ。この考えだったら暖かい心を持つべきなのだ。 そんな事を考えながら薬物まみれのプールに潜り、久々の水泳を楽しむ。 潜水25mだって未だにできた。タバコ吸ってるのにさ。 まだ肺機能はちょっとしか衰えていないらしい。 まぁストレス解消にはなりそうです。 |
2001年03月30日(金) 靴下小人と下着妖精(後編) |
「もういい。わかったよ。だけど今日はもう帰ってくれ、今夜の事は悪い夢でも見たと思って諦めるよ」 「ワルイユメ?」 短気な小人と現代的な妖精が口をそろえて言う。 「失礼しちゃうわよまったく。そのピアスを開ける勇気もない小さな耳をかっぽじってよく聞きなさい。さっきも言ったけど私たちは好きでやってんじゃないのよ、そもそも」 「俺は結構楽しいけどね」小人が口をはさむ。 「あんたは黙っててこのモグラ小人」 「なんだとぉ!いくら俺が土の中で生活してるからってミミズ食ってるモグラと一緒にするんじゃねぇ!この五月ハエ妖精!」 「んま!何よ意味わかんないけどなんだか失礼ね。五月ハエって何よ」 「ん〜。頭悪いねぇ妖精さん。『五月蝿い』って書いて『うるさい』って読むんだよ。よってテメェはうるさいってこと」 「んまんま!きーっ!なによ持ち合わせの知識振り回しちゃったりして。みっともない」 「持ち合わせの知識さえない妖精さんに同情なんてされたくないね」 「同情なんてしてないわよ。見下してんのよ」 「わ。ムカつくな。ちきしょう」 「私はあなたのことはなから見下してるから最初からムカつかないけどね」 「てめぇ!!」 ポカッ 「痛っ!!何よ!!ぶつことないじゃない!!最低だわ!!男のクセに!!結構痛いのよ小人のパンチでも。何よ・・・ぶつこと・・・ないじゃない・・・グスン」 「おい、おいおい、なんだよ、おい、泣くなよ、そんなに強く叩いてねぇじゃないか、おい、泣くなよ」 「グスン、グスン」 「おい、悪かったよ、つい手が出てしまったんだよ。ゴメンよ。 だからもう泣かないでくれよ。俺が悪かったよ。ゴメン」 「ふん。ウソよ。泣いてないわよ。バカ」 「わ!!ウソ泣きかよ!!ちきしょう!!」 「そんな小人パンチで泣くもんですか。あら。小人さん。ちょっと見てみなさいよあの人。寝ちゃってるわよ」 「げっ!ホントに寝ちまってやがる」 「相変わらずマヌケな寝顔ね」 「ヨダレ垂らしてるしね」 「イビキもうるさいしね」 |
2001年03月29日(木) 靴下小人と下着妖精(中編) |
「俺らだって好きでやってんじゃないよ」 僕の靴下から頭だけ出して小人が言う。 「じゃぁ何で捨てるんだよ、小人は小人らしく夜中にこっそりおじいさんの靴屋の靴でも作ってればいいんだ」 「俺らのご先祖様を馬鹿にするな」 「馬鹿にしてないよ。尊敬してんだよ。奉仕の精神ってやつを」 「やっぱり馬鹿にしてやがる。俺らのご先祖様は白雪姫だって守ったんだ」 「守れなかったじゃないか、結局」 「白馬の王子が来なかったらご先祖様達が助けてたさ」 「それじゃぁ退屈な物語になっちゃうよ」 「王子さえ来なければ、王子さえ来なければ、王子さえ・・・」 小人は傷ついてしまったのかそう繰り返し言いながら僕の靴下へ再び潜り込んでしまった。 「だから好きでやってんじゃないのよ」 自称現代的妖精が言う。 「じゃあ何が目的でこんな事してるんだよ」 「雇われてるのよ」 「誰に?誰に雇われて何の目的で僕の下着や靴下を処分する必要があるんだ」 「それは契約上言えないの」 「はは面白い。契約なんて必要なんだ」 「印鑑証明が必要だけどね」 「意外と本格的なんだ」 「だからとにかく契約上言えないの」 「もしその契約破っちゃたらどうなるの?」 「馬車がかぼちゃに戻ってしまうの」 「言ってること滅茶苦茶だよ」 僕は溜息をつく。 「わかったよ。今までの話を要約すると 君たち短気な小人と現代的な妖精は誰かに雇われて僕の下着や靴下を夜中にこっそりと処分して契約を破ると馬車がかぼちゃに戻ってしまう。こういうことだね」 「なんだよ。かぼちゃに戻ってしまうって」 小人が再び靴下から頭を出す。 「比喩表現ってやつよ」 妖精が胸を張って答える。いったい何の比喩表現なんだ。 ★☆あとちょっと続く☆☆ |
2001年03月28日(水) 靴下小人と下着妖精(前編) |
靴下と下着は買ってからどのくらい使えるものなのだろうか。 男性と女性と値段と質の差はあれど。 そもそも靴下なんて意識して捨てたことない。使えなくなった靴下はいつの間にか洋服ケースから消えている。 下着も然り。 これって誰かが捨ててくれるのであろうか。 僕が寝てる間に小人か妖精かなんだか知らないが、僕がぐっすり寝てる間に 僕の洋服ケースを漁って使えなくなった靴下や下着を処分しているんだ。 「これ、まだ使えるような気がするけどなぁ」 「ん〜。いいよ、捨てちゃえ、これ3ヶ月くらい使っていない靴下だからどうせ捨ててもわかんないよ」 「そうだよね。だけど最近派手なパンツがなくなったよね」 「彼女が変わったんだよきっと」 「そっかぁ。最近流行りのボクサーパンツが多いはずだ」 「それってアソコが立派に見えるからね。いくらしょぼくても」 「姑息だね」 「姑息だよまったく男ってやつは。ほら、見てみろよあのマヌケな寝顔」 「ヨダレ垂らしてるね」 「イビキもうるさいしね」 なぜ僕の靴下や下着を処分するのか理由はわからない。 おそらく小人マフラーや妖精セーターでも作るのだろう。 最近また下着が少なくなったなぁと思うたびに僕はユニクロに行き 安くて質の良いボクサーパンツと3足980円の靴下を買うことになる。 夜中にこっそり洋服ケースを開けてみようかしら。 小人はビックリして僕の靴下の中に潜り込み、妖精は飛び立とうとして天井で頭を打つだろう。 それで僕は叱ってやるんだ。 「何で勝手に僕の下着や靴下を処分するんだ、妖精のくせに」 「あら。妖精は下着や靴下を処分したらいけないのかしら」 天井で打った頭をさすりながら妖精が言う。 「当たり前だよ。妖精は妖精らしく杖でも振っとけばいいんだ」 「あら。そんなのもう時代遅れよ」 「じゃぁ現代の妖精は何をやってるんだよ」 「CMに出たりするのよ」 「何のだよ」 「消臭ポットとか」 ★☆全部書いたけど長くなったのでこの辺で続く☆★ |
2001年03月27日(火) 明日は何処へ。 |
大学からものものすごい量の1年分のテキストが送られてくる。 一気に勤勉意欲失墜。こんな量、さばけるわけがない。 中にはこの大学を造ったえらい人が書いた本がある。 「大学教育改革〜」これは読まない。 しかし、乗りかかった船、否、乗ってしまった船だ。 こんなことで諦めるわけにはいかない。 僕には未来がある。明日がある。あさってがある。 あ。あさっては給料日だ。 というわけで4月も間近ということで勉強モードに入らなければならない。 仕事と勉強の両立って大変そうだが、要はどちらかをおろそかにすればいいんだ。 いや、そういうことじゃない。 二足のわらじを履くのは大変だけど、共倒れしないよう、要領よくこなしていけるよう、この4月は頑張らなければならない。 この2・3ヶ月乗り切れば、仕事も勉強も要領よくやっている自分がいる、はずだ。 さて、お勉強。その前に部屋の掃除でもしよう。 僕はいつもこうだ。何か大事な事をする前に、それとは関係のないことを始めてしまう。 学校のテスト勉強でもそうだった。勉強しようとすると、日頃読みもしない漫画を読んだりする。 一種の現実逃避。 しかし、現実逃避が部屋の掃除ということは満更役に立たないでもない。 現実に部屋が綺麗になるからだ。 現実逃避で漫画を読んでも何の役にも立たない。 という事は、僕も少し大人になったってことになる。 現実逃避に関しても。 |
2001年03月26日(月) 自由な生活 |
仕事以外の時間は言うならば自由な時間であって好きなことばか りしている。 これはあまりいい事ではない。 好きな事ばかりしていると、何かに歯止めが効かなくなる。 お金であり、時間であり、物である。 そこで私は考えた。 自分の行動をもう少し制御しましょう。行動の統制化、合理化。 むやみやたらに何もかも手を出さない。 あれが面白そうだからあれをやってみよう。こっちは飽きたから こっちに移りましょう。 これでは駄目です。自分なりに一貫した何かを獲得しましょう。 というわけで今進めているのが、趣味の一貫化。 お金のかかる趣味は削除していかなければ月末にサイフを開いて 涙するのが目に見えている。 今日は26日。サイフの中身は世紀末。 さて、お勉強しましょう。 勉強はお金より脳を使うそうです。否。大学入学したら今までよ りお金がかかりそうです。 お金に換え難い何かを手に入れるにはやはりお金がかかるようです。 あともう少し身体を動かさなければ。 お金がかからない運動。ジョギングかしら。 朝起きれないから却下。またジムにでも通おうかしら。 というわけでお金はいくらあっても足りない。 話題のtotoクジを趣味にでもしようかしら。 |
2001年03月25日(日) 新女の集い(後編) |
さて、自己紹介の場面は省略。 アタラシイオンナノコ達が自己紹介し合っているのを見て確証を得た私は 後ろからさりげなく「yです」と言ったのであった。 その時の描写はハムコっちのサイトの日記で詳しく書いてます。 さて、オフ会の内容。 男性は私一人。一人端っこのテーブルで小さくなる。ウソ。 私、馴れ馴れしくタメ語。いけません。初対面の人にタメ語だなんて。 小学校の担任がこの風景を見ていたら僕、怒られてしまいます。 ま、細かく言うと本当の初対面ではない。 なにしろほぼ毎日ネットで繋がっている。心のISDN。みたいな。 しかし楽しかった。みんなホントに自分の考えをしっかりと持っている。さすがアタラシイオンナ。 いろんな教えを請う。経験に裏付けされた言葉。 僕が常日頃言っている軽はずみな言葉がクレータだらけの月だとしたら、彼女達の言葉は緑の惑星、地球だ。 そのココロは? 重力が違う。僕は地球の6分の1。みたいな。 兎に角それ位彼女達の言葉はその意味さえも超越したものを感じた。あら。おおげさかしら。 みんな違う環境で違う仕事して違う悩みを抱えて違う舞台で生きていた人たちが、 あるものがきっかけで一つに集まり、話し合い、相談し、一緒に悩み、解決する。 あ。これだね。アタラシイオンナ実行委員会を発足した本当の意味は。 って帰り自転車をこぎながら一人酔いが覚めた頭で考える私であった。 というわけで第一回アタラシイオンナサミット(書くたびに名前が変わる)は大成功を収めたのであった。 参加してくれたアタラシイオンナ会員のみなさん。本当にどうもありがとう。 |
2001年03月24日(土) 新女の集い(前編) |
アタラシイオンナ実行委員会のオフ会。 アタラシイオンナ実行委員会議とでも申しましょうか会戯とでも申しましょうか。 兎に角、久々のオフ会。 もうネット関連で顔を出す事は2度とないと思っていただけに 我ながら意外。しかも自分で作ったサイトのオフ会だなんて。 もうみなさんに会う前からドキドキ。 ドキドキしてても始まらないのでとりあえず始まる前に一人で映画を見に行く。 「アンブレイカブル」ん?違ってるような気がする。ちゃんとした名前なんて忘れた。 それくらいトホホな内容だった。やっぱりブラピのやつ見ればよかった。 というわけで映画を見終えた頃にはドキドキもスタッフスクロールと一緒にどこかへ飛んでいってしまって さぁオフ会があるフーズバーへいざ出発。って映画館から徒歩3分。 集合時間8時。店すごい混んでる。外は雨だからか異常に店内は蒸し暑い。 店内に置いてるだけで肉まんできちゃうでしょ。みたいな。 入り口に客がごった返している。 店員に「8時の予約が入ってるはずですけど・・・」と言っている女性達発見。 あ。アタラシイオンナノコだ。 オフ会の醍醐味はここにある。まだ外見上は他人同士。 だが、私は知っている。あなた達がアタラシイオンナだということを。イヒヒ。 そんな馬鹿みたいな事考えながら、オンナノコ達に何て声掛ければいいのか、という事に迷う。 「こんばんわ。ワイです」 と切り出して相手がアタラシイオンナノコじゃなかったという想定。 さすがにワイがyとは思わないだろう。「ワイ」はネット上だけで認識されるのだ。 ワイ=yじゃなく、相手が他人だったらワイ=私、僕、俺という解釈をしてしまうだろう。 「こんばんわ。私(僕、俺)です」 馬鹿です。なんだこの挨拶。しかも他人に。恥かしい事この上ない。みたいな。 さて、目の前の女性がアタラシイオンナノコという確信をどこかで得なければならない。 「こんんばんわ。ワイミックスです」 こんなの他人に言ったら異常者扱いされてしまう。馬鹿げてる。 時間にして1分。このような切れないハサミよりも使えないことを考える。 さて、どうしましょ。 今からカラオケに行くので続きは帰ってきてから書くとしよう。 |
2001年03月23日(金) 今年も悩む。 |
特にこれといって書くこともないけど、どうにかしたいのが部屋の整理整頓。 フィギアやら小説やらフィギアやら小説やらあと何でこんな物買ったんだろ、って思う雑貨やら ゲームの配線やらゲームソフトやらフィギアやら小説やらで我が部屋は大騒ぎになっています。 一応、整理整頓には常日頃心掛けているのだけど、やっぱり限界も見えてきて、 一度部屋中に押し詰められたフィギアをフリマで一斉に売りさばいたのだけど やっぱり歴史は繰り返されるというか馬鹿の一つ覚えというかスズメ百まで踊りを忘れぬというか フィギアを手に取ったら欲しくなって、あっという間に物欲に流される私がいるのであって、 フィギア専用の棚に並べて一人ニヤニヤしたりして、 あ〜っもう。いやになります。自分自身。 今年25なのにまだフィギアに弄ばれてるなんて。 小説は難しいものも読むのだけど、部屋を見ると全く説得力がなかったりするし。 初めて私の部屋に来る人は一人限らずみんな引くし。 というわけでまた今年のフリマでフィギアや雑貨を売りさばくつもりです。 去年のフリマは私のはいていた靴まで売ってしまって、商売根性丸出しだったのだけれど、 今年はもうちょっと大人のフリマを目指す事にします。って売り物がフィギアじゃねぇ。 |
2001年03月22日(木) 近況。その後。 |
アパートの塗装工事が終了したのでやっと洗濯物をベランダに干せるようになった。 コインランドリー生活ともこれでおさらば。 あの乾燥機に小銭を幾ら注ぎ込んだことか。8分100円。約30分乾燥させるから400円。 それを3日に一回。工事が一ヶ月続いたということは4000円/月。 あぁ勿体無い。大家さん、今月の家賃安くしてもらえないかしら。 数日前は洋服にペンキがついてしまったし。 そういえば、あの洋服についたペンキ、綺麗に落ちました。 クリーニングで「ハイクラス」という種類があるらしい。 ちょっとお金はかかるけど、普通のクリーニングよりも綺麗に落ちるらしい。 それで綺麗に落ちました。あの洋服、ちょっぴり高かったので嬉しかった。 さて、寝る。もう、寝る。書くこと、ないや。 |
2001年03月21日(水) 焼き鳥とビールと私生活。 |
さて、今夜は職場の飲み会。明日も仕事なので程々に飲む。 ビールジョッキ2杯とチュウハイ3・4杯。 これくらいだったらまだまだ運転して帰る事ができる。 運転してないけど。これでも免許証ゴールドカード。 私は職場の飲み会がとても好きだ。 職場では話せない事なども酔いにまかせてどんどん言える。 失言。酔ったふりしてどんどん言える。 特に不平不満はないのだけど、ここを改善したらいいとか、 ここは無理に改善しなくていいとかいろんな事が言える。 人間関係が滑らかなので上下の関係をあまり感じない今の職場が好きだ。 さて、仕事に対して人間は大きく分けると2つに別れると思う。 私生活を楽しむ上で働かなければならない。 仕事の為に働く。 この2つ。 私たちの生活はどれに重点を置いているか。だ。 仕事に重点を置く。いわば仕事の為に働く。 私生活に重点を置く。いわば遊ぶ為に働く。 私はどちらかというと、その2つの釣り合いが取れているほうだ と思う。 仕事のみに傾くのでも私生活のみに傾くのでもない。 職場の私と私生活の私を切り離して考える。 職場は職場、私生活は私生活。 ある意味わがままな考えだけど、それが理想だと思う。 |
2001年03月20日(火) 後輩思い思われ刺し刺され。(後編) |
恐る恐る私の腕に針を近づける。 手が震えている。私も最初はそうだった。 なにしろ人を刺すという経験が今までの人生で無いのだ。 「・・・いきます」 私の血管に。上腕正中皮静脈に針が近づく。 針先は相変わらず目盛りが定まらない計りの針のように震えている。 「…ダメだぁっ」 後輩は苦痛の表情を浮かべ私の腕から手を引く。 そして後輩よりも苦痛の表情を浮かべてる私の顔。 「ちょっと深呼吸させて下さい」 いくら私が先輩でもいちいちそんな事まで断らなくていい。 空気を吸って気持ちが落ち着くのなら思う存分吸うがいい。 「よし。今度こそ大丈夫です」 深呼吸して気持ちが落ち着くのなら僕に酸素マスクを下さい。 しかしまだ多少の震えが残っている針先で私の血管を捕らえようとする。捕らえる。あともうちょっと。 と・捕らえる…!! ピチッッッ!!!!? 「あああっ!!やっぱりダメだぁぁ!!」 おもむろに後ろにのけぞる後輩。そして前にのけぞる先輩。 たしかに後輩の針は私の血管を捕らえようとしていた。 しかしあともうちょっとのところ。私の皮膚に針が少し入ったところで後輩は注射の恐怖に絶えられなくなり、思い切り針を抜いた。 そしてあの妙な音。ピチッッッ!!!!? 後ろにのけぞったまま自己嫌悪の言葉を並べまくる後輩。 少し時間が経ってからひょっこり顔を出すように皮膚から小さな血が出てくるのを見て驚愕する私。 そうそう最初の注射はこんなものなのだ。 そんなに落ち込むことはない。 実験台になる人の身になってごらんなさいよ。 |
2001年03月19日(月) 後輩思い思われ刺し刺され。(前編) |
後輩がめでたく准看護士の資格を取ったので 今日は注射の練習。患者さんにうつ前に試しうちをしなければならない。 「がんばりますよ。僕は」 気合満々の後輩。心意気はよし。 「がんばれ、がんばれ、最初が肝心よ」 「慣れてしまえば簡単なものよ」 素敵なエールを送る看護婦さん達。 私はそんな会話を聞きながら一人カルテと向き合って仕事をしていた。 「よぉし。じゃ、誰かお願いします」 ・・・・・・・・・・・・・・・ 「誰か、お願いします」 ・・・・・・・・・・・・・・・ 後輩の声しかしない。カルテからふと顔を上げる。 看護婦さんならびに後輩の目が一斉に私に注がれている。 まさか・・・!? 「お願いします」 すかさず私は先程まで素敵なエールを送っていた看護婦さん達に 救いの目を差し伸べる。ってもういない。 あっという間にみなさん消えてしまったようで。 これってマジックなのかしら。引田天功?みたいな。 「お願いします」 後輩が懇願する。深い深い溜息をつく。それを吸ってもう一度深い溜息をつく。 「よし。やってみなさいな」 どこの言葉かわからない言葉を発する。後輩よりも早く緊張している。 長くなりそうなので続く。 |
2001年03月18日(日) 進展/新展 |
彼女は再び僕の元へ帰ってきた。 僕から逃げるのではなく、僕を救うために。 僕の悪いところから目をそらすのではなく、正面から向き合うために。 僕は誓う。これからも僕は変わらないという事を。 彼女は誓う。あなたを変えていくという事を。 僕は本当の僕を見つけ、いつも本当の僕でいられるように努力する。 本当の僕はすごく無防備で弱いはずだ。 僕はその本当の自分と出逢い、向き合うことを誓う。 例え何も変わらなくても、自分と向き合うことに何か意味があるはずだ。 彼女はいつも本当の僕に話し掛けている。こんにちわ。さようなら。 僕はいつも偽りの僕に話し掛けている。こんばんわ、朝ですよ。 ごめん。 彼女に謝る。そして本当の僕に謝る。 彼女が笑う。今日初めて見せる笑顔。 僕も笑う。アタラシクなって初めて見せる笑顔。 |
2001年03月17日(土) 偽り。 |
昨夜はかなり酒を飲んだ。いわゆる自棄酒。 彼女との最後の会話を一言一言大事なものをすくい上げるように思い出す。 本当の僕。僕の根の部分。あなたには見えて僕には見えない僕。 彼女は僕の真実の部分を愛そうとし、僕は結局それを拒んだ。 素裸の自分を見せられなかった。 僕は僕のどこかを繕い、装っていた。 「僕はあなたにだけは素直だよ。少なくとも」 素直だよと言っている素直ではない自分。 お見通しよ。と語っていてる彼女の目を僕はそらす。 「自分を信じて」 今でも僕の耳のそばで彼女のささやくような声が残っている。 刻まれた文字のように。 偽りのない自分。 なぜ私はこんなにも本当の自分を出す事に恐怖するのだろうか。 「嫌いになって別れるわけじゃない」 彼女は僕に欠けている一番大切な何かを気付かせてくれた。 彼女が与えた数少ないヒントを頼りに僕は何か変わらなければならない。 突然、ドアをノックする音。間を置いて2回ずつ。 携帯が鳴る。 「今、あなたの家の前にいるの」 彼女だ。 |
2001年03月16日(金) 春風。 |
僕達は普通に出逢い、普通に恋愛し、普通に別れた。 彼女は僕の24歳という舞台に颯爽と現れ春風のような暖かさを残して消えた。 「本当のあなたを信じなさい。あなたの持っているいいところを信じて。」 僕は黙って頷く。本当の僕。本当の君。 山に登り、頂上で笑顔で乾杯をした。 クリスマスにはピアスを探した。 朝、彼女の職場まで一緒に自転車で走った。 朝、僕が仕事に行くときに彼女は笑顔で送ってくれた。 バレンタインは手作りのタルトを作ってくれた。 彼女が料理を作り、僕が皿を洗った。 僕が料理を作り、彼女が皿を洗った。 映画を見た。いっぱい見た。 いつまでもグラスを傾けて尽きる事のない話をした。 それも今日で終わり。 彼女がいなくなった事を別にすれば、いつもと変わらない明日が待っている。 彼女に最後のプレゼント。 少し遅いホワイト・デー。 気付くのには遅すぎた2人の関係。 彼女は彼女の世界に戻り、僕は僕の世界で生きる。 僕達は普通に出逢い、普通に恋愛し、普通に別れた。 |
2001年03月15日(木) 悲しみの塗装工事。 |
アパートの塗装工事も佳境に入っている。 私はそう信じたい。いくらなんでも長すぎる。 今日は夜勤明け。 疲れた体でアパートの階段を昇る。 2階から降りてくる人とすれ違う。私は端に寄る。 どうぞ通って下さいな。 「あっ!!」 階段の下から工事の人の声。 どうやら私に発せられたらしい。 「…ペンキ…」 あっ!!僕のシャツとズボンに白いペンキがついている!! このペンキ取れないのかな。 「取れないですよ。そりゃ」 即答。工事のおじさん。さすが男だ。潔い。 とりあえず部屋へ戻る。 だがしかし部屋に入れない。ドアがガムテープで覆われている。 「…すみません。入りたいのですけど。」 工事のおじさん。不機嫌モードに早変わり。 しょうがねぇなぁ。って顔でガムテープをはがしだす。 しょうがねぇなぁ。って僕の部屋だ。 家賃だって決められた日にちゃんと払ってるんだ。 やっとの思いで部屋に入り(入り口で5分は待たされた)シャツを着替える。 この白ペンキがついたお気に入りのシャツをクリーニングに持っていく。 あれ。 部屋から出れない。再びガムテープが貼られているのだ。 部屋の内側から思い切り外へ向けてノックする。 まったくおかしな話だ。部屋から出れないなんて。 しょうがねぇなぁって雰囲気で(部屋の中から表情は見れない)おじさんがガムテープを再びはがす。 「ありがとうございます」 なぜかおじさんにお礼を言う私。小心者かしら。 クリーニング店へ行く。 「これ、ペンキなんだけど落ちますか?」 「取れないですよ。そりゃ」 即答。クリーニングのおばちゃん。さすが女だ。潔い。 |
2001年03月14日(水) 友。 |
2日続けて携帯電話の話。 私は滅多な事がない限り自分から電話をかけない。 そもそも友人を遊びに誘うなんて事は一度もない。 友人達が誘ってくれる。 さまざまな友人が僕を誘ってくれる。 中学の友人。 高校の友人。 専門学校の友人。 昔のバイト先の友人。 職場の友人。 どこかで知り合ったどこかの男性。 どこかで知り合ったどこかの女性。 友人の友人。 そのまた友人。 そして親友。 彼(彼女)達が私を定期的に(なんだか一つのサイクル ができあがっているかのように)私の携帯に電話をする。 私は遊びに関しては次の予定は立てない。 次にまた会えるなんて保証はないし、なんだか予定を考 えるのが面倒臭いのだ。 いわゆる一つのわがままなのでしょう。 しかし、周りの友人達によっていろいろな面で支えられ てるのは確かである。 |
2001年03月13日(火) 沈黙。 |
考え事をすると本を読んでいても頭に入らない。 ただ文字を順番に読んでいるみたいに。 テレビを見ても何故あの人たちは笑っているのかわからない。 タバコを吸いすぎて頭がくらくらする。 酒を飲み、携帯電話を眺める。 僕は携帯電話が苦手だ。第一、会話中の相手の表情が見えない。 声色の起伏で相手の感情を把握しなければならない。 その作業だっていささか当てにはならない。 あくびしながら泣き真似だってする時もあるのだ。 現に会って話をする場合、沈黙もある重要な意味を持つ。 しかし携帯電話は違う。 沈黙は陰であり負であり偽である。 携帯電話の会話中の沈黙が苦手だ。苦手というより怖い。 相手の表情が見えない。 僕が見えるのは散らかった部屋とたたんでいない洗濯物だけだ。 僕に沈黙が与えられると実にいろいろなことを考える。 時に見当違いな事だって考える。 夏の木が枝を広げるように思考が分離し、それがまた分離する。 携帯電話を眺める。 電源を切り、自分だけの沈黙へ身を委ねる。 |
2001年03月12日(月) 日常的日常。 |
定期的に部屋が散らかるため定期的に掃除をしなければならない。 定期的に汗をかくため定期的に洗濯をしなければならない。 定期的に米が切れるため定期的に10kgの袋を抱えてアパートの階段を昇らなければならない。 定期的に髭だって生えてくるしトイレだって汚れてくる。 その度に私はシェービングジェルを塗りトイレマジックリンの臭いを我慢する。 日常には常に定期的に何かが存在する。 私たちはその定期的強制的義務に屈し、恋人に会いたい時間を割いて定期的に問題を解決しなければならない。 そこに個性が存在するとなら。 日常に個性を見出すとするならば。 私たちはどのようにして個性を獲得しているのだろうか。 定期的に考察し、定期的に袋小路に突き当たる。 定期的に突き当たり、定期的に諦める。 ほら定期的な人間になってるよ。 |
2001年03月11日(日) 無意味な夜の無意味な話。 |
アパートの塗装工事は全く終わりを告げる気配がないので 相変わらず洗濯物の乾燥はコインランドリーにお世話になっている。 今日も乾燥機に400円入れて退屈且つ無意味な時間を過ごしていた。 テレビもなければ雑誌もない。ただただ退屈な時間。 タバコを吸いながら間違って買ってしまった冷たい缶コーヒを飲んでいると 女子高生2人がそれぞれバイクに洗濯物を抱えてやってきた。 なぜ女子高生がこんな遅い時間にコインランドリーに来るのだろうか。 と思いつつ、時計を気にしながらあとどれだけこの無意味な時間を送らなければならないのだろう。と考えていた。 すると女子高生2人が話し掛けてくる。 おそらく彼女達も退屈だったのであろう。 このコインランドリーでは実に様々な人が話し掛けてくる。 以前、外国人に話し掛けられて、洗濯機の動かし方をボディランゲージで伝えたこともある。 この女子高生2人(名前は一人は覚えているけど一人は忘れた)、共同生活をしているらしい。 「洗濯機買ってよぉ。」 最近の女子高生はタメ語が当たり前らしい。しかも図々しい。 「あそこに入ってる下着どれか1枚あげるからさ。ウキャキャ。」 猿みたいに笑う。しかも女子高生の下着なんて関心がない。 妹より年下の女性には興味がないように。 「ホワイトデー楽しみだなぁ。」 どうやら好きな人にチョコを渡したらしい。 ホワイトデーにお返しが返ってきたら脈があると考えているらしい。 ああ若い。あの頃に戻りたい。 そんな無意味な話をしているとあっという間に時間が過ぎる。 無意味な時間に無意味な話。無意味な笑い。 さようなら。私が言う。 さようなら。声をそろえて女子高生が言う。 これから例えどこかですれ違ったとしてもお互い話し掛ける事もないだろう。 ここのコインランドリーは一時的親密感が生まれる奇妙な空気が流れている。 |
2001年03月10日(土) ないものねだり。 |
あともう少し若かったらと切に思う。 現在24歳でまだまだ若いと思われそうだが、 兎に角、24歳の私はあともう少し若かったら、と思うのである。 20歳の頃は、周囲に流されて混乱していた。 社会というものへ恐怖を抱いた。 どんなものかともわからずにこんなもんだと諦めていた。 彼女とはケンカばかりしていた。 あの頃の私は往々の20歳位の男女の恋愛がそうであるように 不快に思う事は不快だと口に出して言えたし、その分、ケンカも多かった。 往々の20歳位の男女の恋愛がそうであるようにケンカした後は電話をして仲直りをした。 現在は自分で言うのも何だが、大人になってしまった。 何かに希望を持ち始めたら何かを諦めてしまう大人になってしまった。 現在を悲観してるわけではない。むしろ現状に満足している。 しかし、何かが足りない。 何かが。 兎に角、24歳の私はあともう少し若かったら、と切に思うのである。 |
2001年03月09日(金) 眠りの森の男子。 |
すこぶる眠い。 キーボードを叩きながら寝てしまいそうだ。 小学校の頃の担任が僕の後ろで 「はい、もう寝てしまっていいわよ。」 とでも言ったら確実に、安心して、キーボードを枕にして寝てしまうことだろう。 中学校の頃の担任が僕の後ろで 「おい、寝るのはまだ早いぞ。」 と言っても小学校の担任の声を優先するだろう。 それ程眠い。 何か得体の知れない術にでもかかってしまったのだろうか。 今日、仕事帰りスーパーで肩がぶつかった スーツ姿でリュックをからっているおじさんに術をかけられたのかもしれない。 そのおじさんに触れるだけで眠たくなってしまう術にかかってしまうのだ。 術を解くには再びあのおじさんの肩にぶつからなければならない。なんてな。 はぁ。 眠い。眠い眠い眠い。 お風呂に入りましょう。丁度お湯がたまったみたいです。 入浴剤は何にしましょうか。 ジャスミン。あなたの安眠を促進します。 ってダメじゃん。 このままじゃ風呂の中で寝てしまいます。 何か、こう、神経を奮い立たせるような。 まだ夜は始まったばかりなのに。 あ。ありましたありました。その名もトウバンジャン。 液状なので使いやすく、中華料理の本格的な辛味づけに幅広くお使いいただけます。 フムフム…。ってこれ調味料!! はい、一人ボケツッコミでした。チャンチャン。 |
2001年03月08日(木) この世に神がいるならば。 |
朝目覚めるとなんだか天気が良い。 雨が降ったみたいだけど濡れているのは道路だけだ。 自転車でお買い物に行きましょう。 いざ出発。うぅ寒い。春なんてまだまだ見えやしない。 SALEしてる冬物の服でも買おうかしら。 あ。太陽が隠れた。寒い寒い。 自転車こぐ力も入るってものだわ。 あ。やけに雲が厚いぞ。雨降りそう。 ヤだねぇ。休日に雨が降るなんて。まぁ降らないと思うけどさ。 あ。降ってきた。 目的地に急ぎましょう。 あ。降ってきた降ってきた。 こりゃ本格的だ。冗談言っているヒマなんてないわ。 目的地の半分も走っていないが、仕方なく近くにあった喫茶店で雨宿りをする。 面白くない雑誌を読みながら美味しくないコーヒーと美味しくないトーストを食べる。 コーヒー二杯とタバコを3本吸い終わったところで晴れ間が見える。 再出発。 喫茶店を出ると、待ち構えてたかのように再び雨が降り出す。 もしも本当に雲の上にカミナリ様がいるとすれば、それは高木ブーに違いない。 わけのわからない怒りを胸に秘めながら雨の中自転車をこぐ。 むろん高木ブーが降らせる雨は止むわけがない。むしろ強さを増している。風だって強い。 しょうがないので近くにあった古本屋に雨宿り。 10分程立ち読みして小説を一冊買う。外は再び晴れ。 よし。出発。 目的地とは反対方向。すなわちアパートの方向へ自転車を思い切りこいでいる私がいた。 晴耕雨読なのです。 |
2001年03月07日(水) 呟き。 |
夜11時頃彼女のアパートへ行く。 彼女は最近仕事が忙しいので、もう寝てしまっている。 起こさないように電気を消したままコンビニで買ったプラスチックの味のするカツカレーを食べる。 音量を消してテレビを見る。 森総理が何か言っているが聞こえない。 たとえ聞こえていてもどうでもいいことだろう。 彼女が起きないように慎重にシャワーを浴びる。 浴室の鏡を見る。 仕事に疲れた僕がいる。無理矢理笑ってみる。疲れは隠せない。 タバコを吸う。沈黙の中、イチローがヒットを打っている。 沈黙の中、新庄が笑っている。笑うな。 ベッドの中の彼女にねぎらいの言葉の一つでも掛けたいところだが、 睡眠を中断してまで掛ける必要もない。 心の中で毎日お疲れ様、と声を掛ける。 朝、目覚めると彼女はいない。今日も仕事なのだ。 寝ぼけた頭で「今日も頑張って」と呟く。 |
2001年03月06日(火) 白昼夢。 |
夜勤明け。すこぶる眠い。 アパートに戻ってやりたい事が山のようにあるのだけど まぶたが重い。部屋のソファーが僕を呼んでいる。 「こっちに来なよ。フカフカだよ。」 「いや、僕にはまだやる事があるんだ。第一まだ昼食も摂っていない。」 「ナポレオンが言っていたよ。昼食より睡眠を優先して然るべきだ。って。」 「いや、そんな事言うはずはない。第一ナポレオンはあまり眠らなかったはずだ。」 「歴史上の偉大な人物は過剰評価されるものなんだよ。」 「いや、今はそういう話をしてるんじゃない。」 「じゃぁこっち来て眠りなよ。」 「だからやる事がある。第一まだ帰ってきて着替えもしていない。」 「金正日が言ってたよ。洋服は毎日同じ物でも構わない。って。」 「あ。あの人だったら言うかも。」 「でしょ。」 「ウソだよ。」 「あ。そういえばボクの左端のトコロ、糸がほつれちゃって中身が見えるんだ。どうにかしてくれない?」 「3年も使えばそういう事だってある。」 「どうにかしてくれない?」 「よし、新しいソファーに買い替える。」 「いけずぅ。」 「消費社会だ。高度資本主義社会は消費こそ美徳なんだ。」 「そういう割には毎日テレビじゃ不景気って言ってるじゃないか。」 「ソファーと景気の話なんてしたくないね。」 「冷たいのね。」 「眠いだけさ。」 「じゃぁ眠りなよ。」 「そうしよう。」 ソファーの勝ち。 |
2001年03月05日(月) 午前4時の思考と夜明け。 |
今夜は夜勤。2時間ウトウト。そりゃ幽霊だって見えるさ。 病院に入りたての頃は夜勤が怖くて怖くて仕方がなかった。 夜勤のない病院で働きたいなど友人に言っていたものだ。 暇な時間は小説を読む。テレビを眺める。 午前4時頃のNHK。退屈な自然の風景を延々と流す。 この番組、どんな人が見ているのかしら。 夜勤で暇な時間を弄ぶ看護職の為の番組かしら。 午前4時の病院は不思議な雰囲気がある。 深夜とも早朝ともとれない時間。 時は止まろうとし、動き出そうとする。 私は眠りそうになり、神経が研ぎ澄まされたりする。 午前4時。 モニターから出る規則的な心拍音。 早起きの高齢者の患者さんに挨拶する時間。 |
2001年03月04日(日) 我本日モ平穏ナリ。 |
空白の弐連休最終日は二日酔いから始まる。 頭痛、胃もたれ、絶望感(私はなぜか二日酔いになると絶望感に見舞われる)。 鎮痛剤と胃薬を飲み、布団の中で天井を見上げながら症状が治まるのを待つ。 薬の効果は1時間程で発揮される。 ゆっくりと起き上がり、熱い湯で髭を剃り、顔を洗い、歯を磨き近所の喫茶店へ行く。 ブラックを飲みながら頭のエンジンをかける。 エンジンがかかってきたところでアパートへ戻り、ストーブをつけ、小説を読んでいると再び寝てしまう。 午後に起きる。勿論エンジンは切れている。 もう今日はエンジンかけなくていいや。 なぜだか自暴自棄。 エンジンの切れた頭で部屋の掃除をする。 エンジンの切れた相応の結果。 エンジンの切れた頭で夕食の買い物をする。 玉子を買い忘れる。エンジンの切れた相応の結果。 明日から再び仕事。 仕事があるから休みが貴重なのです。 |
2001年03月03日(土) 夜の街のいいトコロ。 |
職場の後輩と飲みに行く。 まずラーメンを食べる。いつもと順序が逆だ。 夜早い時間に飲み屋街でラーメン食べてる人はそういない。 若い男性が一人、そこのラーメン屋でカレーライスを頼んで3分程でたいらげて帰っていった。 次に来たスーツ姿の中年の人はラー油を入れすぎたから交換してくれないか。というような事を言っていた。 夜の街には実にいろんな人がいるものです。 2軒目を出て3軒目へ向かうとき、道路で突然、 「オレはレスリングをやってんだぁ!」 と、突然ゴツイお兄さんが私の両脇に手を入れて空高く持ち上げた。 なんだかエレベーターに乗ってるように宙に上がる。 持ち上げたあとなぜか握手を求められる。 私も酔っていたので、お互い認め合ったかのような笑顔で握手する。 実にいろんな人がいるものです。 3軒目はスナックに行く。後輩は女の子が横に座らないことにご立腹。 「土曜日だから仕方ないでしょ!」 女の子逆ギレ。おそらく疲れていたのだろう。 私も、もう疲れて誰とも話さないで一人で飲んでいたかったので、好都合だったのだが。 「なんだと!このカレンダーめ!!」 後輩が女の子に謎の切り返し。カレンダーって何だ? 後輩はいつもより酒の量が多い。おそらくかなり酔っ払っているのだろう。 「何よ!もうイヤんなっちゃう!」 女の子も女の子でカレンダーと言われたのが余程気に入らなかったらしい。 私は呆れて、その口喧嘩が終わらないうちに一人で会計してタクシーに乗る。 実にいろんな人がいるものです。 |
2001年03月02日(金) 近代の年功序列について。 |
仕事帰り、よく食べる後輩とマックに行く。 よく食べる後輩は私がチーズバーガーを半分食べる間に てりやきマックバーガーとフィレオフィッシュバーガーとポテトのMサイズをたいらげた。 私がアップルパイを半分食べる間によく食べる後輩は 追加注文したマックシェークとアイスクリームをたいらげた。 私がおごると言ったからってそりゃあんまりだ。 「先輩(ムシャムシャ)今日の傷の処置の仕方(ムシャムシャ)もう一回(ムシャムシャ)教えて(ゴックン)下さいよ。」 食べると言う事と話すと言う事を一緒にしてしまうので何を言っているのかわからない。 このような合理化の効力は全くない。要領を得ない。 「食べてから喋るか喋ってから食べたらいいんだ。」 先輩よりちょっとした忠告。 「いいじゃないですか。あ。そのポテト食べないんですか?」 「食べる。」 「食べないくせに。」 「食べる。」 「ふぅ〜ん。(ムシャムシャ)」 まったく人の話を聞いていない。 まあ仕事では私が指示するといろいろ文句を言うが結局しっかりと仕事をするので私からは文句は言わない。 後輩はそのくらい伸び伸びとしている方が伸びやすいのだ。 |
2001年03月01日(木) 出口のない迷路を。 |
人の心を看るという仕事に努めて何年か経つ。 私はいったい心を患った人達に何ができているであろうか。 心の病は、転んでできた擦り傷と違って完治しても目に見えない。 治癒していく過程すら注意深く観察しなければわからない。 そんなモヤモヤした空気の中をやみくもにもがいているような中で私にできていることは何があるだろうか。 そもそも私はまだ心の病について感想を述べるのはまだ早すぎる年頃かもしれない。 絶望も挫折もしたけれど、現に今もこうやって元気に生きている。 心の病を持った人達とは比較にもならない。 教科書には「受容と共感が大切です。」とどこを開いても書いてある。 いったい私は何を共感できているのであろうか。 何を共感すればいいのであろうか。 たまにはこんな真面目な事も考えつつ。 |
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