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2003年12月23日(火)
(続)ついに開眼! − どびー
さて、以前の日記で書いたレーシック体験より一ヶ月が経ち、ようやく眼球筋(?)も落ち着いてきた。 メガネが要らない生活がこんなに快適なものなのかといまさらながら感心すると共に、こんなに簡単に視力が回復していいものかと不思議な感覚になる。
職場でも当然多くの同僚が興味を示すが、なかなか実行に移そうとする人はいない。 「インドでそんなことをするなんて...」(自分の国でしょ...) なんて、引いている人が結構いて反応は上々(?)でした。
さてそんな折、年末年始の休みを利用して、友人が日本から遊びにきた。 到着の翌朝に、私のレーシックの話を知った友人は迷わずこの短いインド滞在中(その間にネパールにも行くのに...)にレーシックをすることを決意。 そのまま、担当医に会いに行き手術のアポを取り付ける。(少しは躊躇とかしてはどうか???)
ここで気を付けなければいけないのが、果たして本人がレーシックに適しているかどうかを診断してもらうことだ。具体的にいうと角膜に一定の厚みが無いと出来ないそうで、東洋系の人は西洋人に比べてそれが薄いそうだ。
友人は一定値をぎりぎりクリアして、いざ一気に手術へ。
私は、友人が持参したデジカメを片手に念願(?)の手術立会いへ。 なにしろ、自分が経験した手術を間近で見られるのです。こんな機会は滅多にないとばかりにワクワクものでした。
人事ながらやっぱり緊張する。 人のデジカメでビデオ録画がしっかり出来るか緊張する。 間違えてフラッシュを焚いて、手元を狂わせてしまわないか緊張する。
ガラス越しに見ているので、ドクターと助手が何を話しているかわからないが、自分が手術を受けた時のような緊張感が無い話題でないことを祈っていた。
そして、手術が始まる。
流石に、緊迫した雰囲気でドクターの眼差しは真剣そのもの。 手馴れていることもあり、実体験で考えていたイメージ以上に簡単にことが運ばれる。 片目が終わって、ドクターが窓越しに見守る私に親指を挙げて成功のサインをする。
しかし、冷静に考えてみると凄いことをしている。 角膜をぺろりとめくり。 吸引機で眼球の表面を平らにして。 レーザーを入れる。 そしてめくった角膜を元に戻す。
自分もあんな風にされたんだ...などと感心していると、突然ドクターと助手数名が窓越しの私を一斉に見て何か訴えている。窓越しだから何を言っているのか聞こえない。 助手の一人が急ぎ足でドアまで駆けつけ、そして冷静に、
「はやく記念撮影を...」 「......」 手術室には、にっこりピースのドクターが...
手術は終わった... 2003年12月11日(木)
オショクをなくせ-トウショウ
世界で一番汚職が多い国
そうインド人は自分の国を皮肉ります。
何を根拠に世界一なのかわかりませんが、 汚職がひどいことは確かです。
政治家だけでなく、私たちが普通に付き合う 警察、電話局、郵便局等の公務員達も市民から賄賂を要求してきます。
どうやったら この汚職をなくすことができるのか?
汚職について、インドのカラム大統領の話を知人から聞きました。 すでにご存知の方もいるかもしれないですが、インドでなくても、とても考えさせられる話なのでちょっと紹介させて頂きます。
カラムさんがある学校に講演に行きました。 会場には子供達とともに、企業家や記者、政治家も話を聞きにきていました。
カラムさんは、 私は平凡な市民として生まれて今は大統領になった。 非常に幸運であるなどなど、まず自分のことを 子供達に紹介し、そして一通り話が終わりました。
すると突然・・・
彼は大人たちの席の方にくるりと体を向け、 話し始めました。
「皆さんにお聞きしたいことがあります。
今まで私たちは汚職を追放しようと努力してきました。 しかし、未だになくなりません。 これからの40年間にインドから汚職を無くすためには 私たちはいったい何をしたらよろしいのでしょうか?」
大人たちは予想もしない質問にざわめきました。
「汚職したすべての政治家をやめさせることだ」
「法律を厳しくするべきだ」
等々いろんな意見がでました。
「でも、それらの方法は今まで試してきました。 そしてそれは汚職を無くすのに役に立ちませんでした。」 カラムさんは答えました。
それから、少し間を置いて彼は話し始めました。
「皆さん、私の考えですが・・・
汚職の原因は三つあると思います。
一つ目は・・・・
“母親”
2つ目は・・・・・
“父親”
3つ目は・・・・・
“教師”です。」
聴衆は静まりかえって聞いていました。
カラムさんは続けました。
「母親が一番なのは、一番子供に一番近く、一番子供に影響を与える存在だからです。そして、わが国の母親は子供達をだめにしています。」
「例えば、子供にミルクを飲ませたい時、わが国の母親は何をしているでしょうか?」
「彼女は、子供にこういってミルクを飲ませます。 “このミルクを飲んだらチョコレートをあげるから早く飲みなさい”と」
「またこうもいうでしょう、
“勉強したら、おもちゃを買ってあげるから”と」
「大人たちのこの行為によって 1歳、2歳の頃から子供の心に無意識の内に、
何か代償がないと何もやらなくなる癖を植えつけられていきます。
そしてこれを続けていくと、 次第に行為自体の意味や大切さよりも 代価・代償が彼らのやる気を起させる動機になっていく。
なにかもらえるからやる、何か得になるからやると・・・。」
「これを直さない限り汚職はなくならない」
と、ここまでがカラムさんが話された大体の内容です。
すごく心に響きました。っていうか怖いです。 これって日本でも意識してるかしていないにかかわらず かなりの数の親がやってきたことだと思います。
そしてこの逆もやってます。
「宿題をやらないと、先生に怒られるよ」 「悪いことすると警察のおじちゃんがきて捕まえちゃうよ」
宿題は明らかに先生のためにやっているわけではないですし、 悪いことすると警察に捕まるのは確かですが、 それが悪いことをしちゃいけない本当の理由ではないです。
こうして先生や警察に対する歪んだ悪いイメージが植え付けられていって
誰かに怒られないためにやる。 いつもどこかでびくびくしている人間になりやすくなる。 何が正しいのかという価値観が持ちにくくなる。
そして逆に怖い対象、規制がなくなると 自分で自分をコントロールするのが 難しくなるのではないかと思います。
確かに子供を理論で説得するのは非常に難しいと思います。 すごいわがままですので・・・・。
急いでいる時は、つい強引にやらせてしまうのが人間です。
でも、やはりなるべく子供の気持ちのレベルまで降りていって 子供を待ってあげることが大切なのだと私は考えました。
別に健康で食事もちゃんと食べているのであれば 1日、2日、1ヶ月、2ヶ月、1年、2年くらい 牛乳を飲まなくてもいいじゃないかと思います。 それよりもミルクが自分で飲めるような環境作りをしながら 自分から飲むまで待ってあげたいと思います。 それに牛乳に代わるカルシウム源もあるわけですし。
そういう意味では、極論ですが、 学校1年、2年くらいいかないくてもいいかなと思います。 学校行かないと悪人になるわけじゃないですし。 自分から学校にいって自分で学びたいと思えば、後からいくらでも吸収できますし。
物事はケースバイケースで対応が違いますが、 気持ちとしてはこういう気持ちでいくことが大事かなと・・・
この話を聞いてそう思いました。 2003年12月10日(水)
ホームパーティー − どびー
先日、自宅でささやかなホームパーティーを開き、インド人の友人を招待した。
通常、インド人のお宅にパーティー(ディナー)で呼ばれると、 早くて午後8時ごろから飲み物から始まり、しばらくしてスナックや前菜がでる。 このスナック、何度も何度も繰り返し回ってきて時間が経つにつれボディーブローのようにじわじわ胃に来る。 この飲んでる時間がまたかなり長い。その間、会話をじっくりしっとり楽しむ。 ここまでで、下手をすると胃にすっかりスペースがなくなり、ひょっとして今まで出てきたのがメインで、これでパーティーお開き?なんて錯覚してしまうくらいだ。 メインのディナーが出る頃(日付が変わっていることは良くある)には、満腹で食べられなくなることになる。 仕舞いにデザートなんかが出た時には(間違いなくでる)、笑顔が引きつる(汗)
すきっ腹に、長時間のお酒とオイリースナックでグロッキーしそうな状態に耐えながら、「人思いにズバっとやってくれ〜!!!」とわけもわからないことを叫びそうになる。
散々、ひっぱった挙句に食事とデザートが終わると、あっけなく皆が帰り出す。 (前置きが長いのは、普段の会話だけじゃなかったのか...)
どうやら、彼らにとって食事の前の会話がパーティーのメインで、食事はパーティーのお開きを示す暗黙のサインのように感じる。
先日はランチに招待されたが、食事が終わって外を見たら日が落ちかけてた時は、なぜか刹那さが込み上げてきた。
ということで(?)この日記の前置きも長くなっていることに気付いたのでそろそろ本題に...
我が家のホームパーティーは、そんなインドの文化(?)に反して、一貫して早い段階での食事の提供に挑戦している。 但し、誤解を招くことのないよう食事を出す時に「食事が終わってもお開きじゃないからね」と予め言っておくことにしている。
幸い日本人の家のパーティーだから大目に見てくれているのか、みんなそれはそれで楽しんでくれるのだが、やっぱりリズムが狂うのか、口にあわないのか、フォークが進まないこともある。というか、口にあうあわないにかかわらず、基本的にパーティーで大食いする人をあまり見かけないような気もする。(やはり、飽くまで会話を楽しむのか...)
また、インドの友人を招いてよくあることが、「ホームツアー」である。 自宅のリビング以外の寝室、バスルーム、キッチンなどを見せて回る習慣があり、必ずと言ってよいほどツアーを催促される。もちろん招待された場合もホストがツアーをしてくれる。 たまに冷蔵庫の中まで覗かれるのには躊躇する。(汗)
食事で、日本食まがいのものを出すと「こんなにヘルシーだったら、日本人は太らないわけだよ。ハッハッハ」なんてよく言われるが...食事内容もそうだけど、そのライフスタイルなんとかした方が...といつも思う。 と言いつつも、彼らとの会話はやっぱり楽しくて、招待されればついつい出向いてしまい、彼らのパーティーのリズムに付き合い続けたツケが何年か後に回ってくるのでは?という不安はインドにいる限り付きまといそうだ。
しかし、インド人のホスピタリティーはある意味凄い。はっきり言って学ぶべきことが多い。 が...あの温かくもてなしながらもソフトかつ強引に飲ませ食べさせる戦術にまんまとはまり、飲まされ食べさせられることがなんだか悔しい。 彼らを招待する時は、いつも「今回こそは...」と心に秘めながらもてなすが...やはり、彼らの方が一枚上手で、楽しいながらもどこかに悔しい思いを残したまま、パーティーは幕を閉じる。
2003年12月08日(月)
カタカタな時間-トウショウ
最近のことなのですが、
仕事していると、
“カア、カア”とクラクション的な音がしました。
最初は無視してたんですが、 なんども“カア、カア”鳴るので、 ふと顔を上げて窓の外に目をやると カラスが一匹、ローティーを咥えて鳴いてました。 なんでローティー咥えてるのに鳴けるのか、素朴な疑問ですが とにかく落とさずにうまくなけるカラスなのでしょう。
普通に向こう向いて鳴くのならまだ許せますが、 何故かこっちを見てる。
なんじゃ!!っとにらみ返すと 再び“カア、カア”とこっちを見て鳴いて、 しかも今度は左右に体をぴょんぴょんとシフトしながら こっちを見ているのでした。 見ててかなりアホっぽかったので思わず笑ってしまい 結構息抜きになったのですが
よく考えたら、うちの会社の窓スモークガラスでした。 って自分の影に喧嘩売ってどうする? なんてつぶやいてるうちに、飛んでいってしまいました。
こういう訳のわからないことをしていると、 後ろの方で“カタカタ”という音が・・・。
はっ、何?今度は後ろか?って後ろを振り向くと、 会社のPC修理に来た業者の兄ちゃんが何故か体重計の上に。 ちょっとさすがに恥かしいのか、テレ笑い・・。 いいよ、そこまでサービスしなくても・・。
しかもこの体重計、私のPCの配線の下に何故か置き去りにされていたんですが、 それ何時の間にか、私の許可なく勝手に引きずりだして、わざわざ体重計るし。
まあでも、よく考えたらインド人の一般家庭には 体重計なんてあまりおいてないから、 ここで会ったが・・・って感じなんでしょうか。 しかもタダだし。
駅とか空港とかバスターミナルとかだと見かけますね。 お金入れるとピカピカ点滅して、音楽鳴ったりして、 体重の印刷された切符大の紙がでてきます。裏をみると 印刷が汚いので化け物のようになってる俳優の絵かなんかが 描いてあってちょっと楽しい・・・。 ところであの体重ってやっぱりその場で機械が印刷してるんでしょうかね。
インドの人も体重を気にしますよね。 腹とか出ちゃってるのをすごく気にしてるし。 典型的なのは足だけ見るとすごくスマートなのに 腹は相撲取り並!! 「歩かなきゃだめだな、歩かなきゃだめだな。」 とマントラのように毎日いいながらいっこうにダイエットする気配ないぞ・・。
さて、業者が引きずり出したあの日から、いろんな人が ひっきりなしにこの体重計に乗るようになってしまいました。
乗って頂くのはいいんですが・・・何も自分の後ろで乗らなくても・・・。 “カタカタ”、かなりうるさいんですけど・・・。
なんて思っていながら、一行に注意する気配が無い自分・・・・。 これじゃあダイエットと同じだ。
なんて思っているとまた後ろで“カタカタ” 今度こそと思って振り向いたら、直属の上司(日本人)でした。 がーん、そういうオチ??
でも思わずニヤリ。
どうですか、インドに来て3年目、痩せました?太りました? 来てから一年目は病気なんかしちゃって痩せるんですけどね。 慣れてくると太るんですよ。 なんて・・・聞こうと思ったけど、やめました。 なんか、ため息ついてるし・・・・そっとしとこ。
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