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2003年05月30日(金)

白い御飯

昨日は仕事が終らず、お相手の家に着いたのが23時。

テーブルの私の席側に、ホイルで包まれたおにぎりがあった。
お相手は、夕飯を実家で食べると言っていたので、前回同様。
またお母様が私に作ってくれたのか?と勝手に判断した。
それにしては、お相手が言わなかったのが気になったのだが、食べてしまった。
その数十分後。一寝入りしたお相手が起きて来て
「なんか、食べたの?」と聞くので「おにぎり頂きました」と答えた。
すると、

「別にいいんだけど。あれ、明日俺が釣りに行く時用のおにぎりだったんだ」

と言われた。

釣りに行くって聞いて、お母様が翌日の昼のおにぎりと、オカズまで持たせてくれたらしい。
いや。別にいいけど。
先日のお相手の誕生日の時には、一枚3000円のなんとか牛のステーキを私の分も頂いた。
母親の誕生日も母の日も何もしない息子だけど、やっぱ可愛いんだろーな。

さて。
その可愛がられているお相手は、毎日のように誰かの真似をする。
勤務先の施設にる、可愛らしいお婆ちゃんの真似だ。
ヤツは、弱い御年寄りと子供には非常に優しい。強者にもめっぽう弱いが。

その中で、たびたび話に登場するお婆ちゃんがいる。
食事の介護が必要の無い(自分で食べる事ができる)お婆ちゃんだそうだ。
人によって、ミキサー食や普通の御飯、おかゆと分けられているらしく。
そのおばあちゃんは、おかゆが配られるらしい。

「御飯、ちゃんと食べれましたか?」

とお相手が聞くと、こう答えるそうだ。

「おかゆは、お腹が空くんです。家では、いつも白い御飯だったんです。」

それを聞いて、お相手が

「そうだよね。白い御飯がいいよね。」

と言うと

「白い御飯が食べたいです」

と答えるという。
この話を聞いたら、大概の人は「食べさせてあげなよ」って思うだろう。
私もそう思った。当然、お相手もそう思って上司に聞いたところ、白御飯に変ったという。
良かった良かった。そう思っていたのだが。

その話から2日後。また、そのお婆ちゃんの話が出た。
白い御飯に変ったのでは?と思っていたら、お粥に戻ってしまっていたらしい。
毎日、「白い御飯」を訴えるお婆ちゃんを可愛そうだと思うお相手は、
週1回だかである自分で食事を選べる日に、「白い御飯」をそのお婆ちゃんに持っていこうとしたそうだ。
でも、上司にダメだと言われてしまったらしい。

そのお婆ちゃんが「白い御飯禁止」な理由は嚥下の問題で。
以前にブッシュさんがプレッツェルを喉に詰まらせたが、ああいう事態を避ける為らしい。

家族からお預かりしているご老人に対し、安全第一に考えるのは当然。
当然で何より大事で責任重大なのは、分かるけど。
「自立支援」をモットーに掲げながら、現実はその「安全」を大前提に、結局は「拘束」に近い状態にあると、お相手は憤慨している。
足腰が弱っているから、一人で立ち上がってはいけない。
嚥下が上手に出来ないから、固形物は一人で食べさせてはいけない。
全ては、人手が足りない故だ。見てない所で何かがあるといけないっていう理由だ。
そのお婆ちゃんにしたって。
誰かが側で見ている事さえ出来れば、ゆっくりなら白い御飯で平気なハズだ。

そのお婆ちゃんは、農家の人で。お米を作ってきた人で。
きっと、誰よりも。小さい頃からお米を食べ、お米に想いがある人で。
そのお婆ちゃんが

「白い御飯がいいです。家ではいつも白い御飯食べてました。」

と言う姿は、私だったら見ていられない。
しかも、こう言ったそうだ。

「前の人は、手づかみで白い御飯を食べてました。」

この言葉の意味が、分かるだろうか?
病院と同じようにきっと、ベッドが配置された部屋なのだろう。
自分は、ちゃんとお箸も使って誰にも迷惑を掛けずに御飯が食べられるのに。
白い御飯を食べたいのに。
目の前の、お箸も使えないような人だって、白い御飯を食べれているのに。

せめて、部屋を移動するべきだとお相手は言う。
お粥しか出して上げられないのなら、せめて目の前で白い御飯を食べる人間の居ない部屋へ。

ちょうど昨日。
夕方にやってる渡鬼の再放送でやっていたのだが。
お寿司を食べてる子供の側で、ラーメンしか食べさせてもらえなければ、子供はいじける。
大人になってそういう環境は、余計に惨めに感じるだろう。

私に何が出来るわけでもないが、やるせない話だ。

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2003年05月28日(水)

営業暴走車

今日のお昼は母上と、炎のナントカっつー店に。
昼は、ランチ又は一品メイン+バイキングのどちらかで。
勿論、バイキングを選んだのだが。そーねぇ・・・イマイチかも。
しかしながら、腹いっぱいになった。
いつもそうなのだが、どーも、家族の誰かと一緒に外食をすると私は食べ過ぎる。
よって、食べた直後にお腹の急降下現象。
満腹になると消化不良を起こすっつーのは、どういう訳なんざんしょ?

まー、母上と一緒だったので、それなりに話があるのだが。
取り合えず、どーしても昨日の一件を書きたい。

昨日の夕方18時過ぎ。
いつもより、少し早めに私はお相手の家付近を走っていた。
細い道に入ったところで、ふとルームミラーで後ろを見ると、やけにピッタリくっついてくる車が。
夕暮れ時は人もチャリも多く、歩道が無いその道で飛ばす事は出来ない。
最初は、私の走りがノロイと思い、煽っているせっかち君だと無視していた。

ところがだ。
10mも走るとすぐに前の車に追いついた。
数台の車が連なっているらしく、ノロノロ運転だ。
前の車がブレーキを踏めば、勿論、続く私もブレーキを踏む。
そして、さらに後ろにいる車もブレーキを?

それが違うんだな。
後ろに居た私を煽った風な車は、いきなり右にはみだした。
あきらかに、隙あらば追い越そう状態な動き。
私の前には車が数台いる。それは、私が分かるのだから、私の後ろの車とて見えるはずだ。
それに、私の車の方が、その後ろの車より小さいのだし。

そのブレーキを踏むと蛇行運転状態は、ずっとずっと繰り返された。
時には、その細い道に向かいからバスがきて、一斉に私達が左に避けてブレーキを踏んでも。
その車は右にはみ出る。
当然の如く。対向車であるバスにクラクションを鳴らされる。
トラックが来る。同じように、また右にはみだしクラクションを鳴らされる。

さらに怪しいその車は、煽るようにピッタリとくっついたかと思うと、数メートル離れ。
離れたな・・と思うと、スピードをだして、また蛇行運転しながら背後にくっつくを繰返し。

相当、頭がイカれているのだろうと、さすがの私も心臓がドキドキしたぐらい、その車はおかしいのだ。

なんせ、前を走る私から、その後ろの車の助手席ドアに書かれた社名が読めたほどの蛇行運転だ。

普通に考えて。
後ろの車の助手席のドアなど、左折する時や左カーブの時だって見えるか見えないかだ。
それが、まっすぐな道で読めたのだから、相当な蛇行の仕方だと分かる。

間もなく、お相手の家という所には、車一台ずつしか通れない道が待っている。
残念ながら、対向車が連なってきちまった。
私は止まらざるを得ない。
ルームミラーで運転手を見た。
運転手は、私が見てるのを分かっている雰囲気だ。
だのに。何度もわざと車をグングンさせる。
要は、ブレーキを何度も踏んだり離したしりて、私をせっつき脅しているのだ。

その細い道をすぐに私は左折したのだが、そのイカれたは、歩行者を轢きそうになりながら、真っ直ぐ爆走していった。
轢かれそうになった歩行者は、それはそれは驚いて、そのイカれ営業車を見送っているのがルームミラー越しに見えた。

普通。
会社名をしょった車で、おかしな運転はしないのが社会人だ。
営業車でおかしな事をすれば、その会社がおかしいという評判が立つと知っているから。

シルバー(グレー)のバンで、車体には○士ダ○○○○スの文字。

確かに、ルームミラー越しなので社名に自信は無かった。
でも、頭に残った記憶のままにネットで検索をしたら、ピッタリ同じ社名の会社が存在した。
っつーことはだ。多分、間違っていないと思う。
本社は東京。支店は横浜。
でも、私の家の近所にセンターがある。主要取引先は、家の側の大手メーカーだ。
走っていても不思議は無い。

取り合えず、私は横浜支店に電話を入れた。
電話に出たのは、物凄い不機嫌そうな無愛想な男性。
ともかく、その会社の車かどうかを確認すべく、

「御社の営業車で、グレーのバンは御座いますか?」

そう尋ねた。
答えはNOだった。
ならば、少なくとも横浜支店の車ではない訳で。
じゃぁ、センターならどうだ?
どうしても、確認したくなった。

でも。
あんだけの運転をする人間を雇っている会社だ。
悪いけど、まともと思えない。一般常識的社風じゃないかもしれない。
そう思うと、確認してそうだとしても、苦情は言わない方がいいかもしれない。
この世の中、何をされるか、本当に分からないし。


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2003年05月27日(火)

カレー味

外で子供がギャンギャン言ってて落ち着かぬ。
どうやら、社会の授業でお寺巡りだかをしている模様。
思えば、私もすぐそこの小学校に通っている時、ここら辺りを授業で散策したものだ。
まさか、大人になって、その地に自分が住むとは思わずに。
さらに、転校した小学校においては、地層の勉強ということで、近所の崖を見に行った。
まるで大木をバッサリ輪切りにした年輪状態で、山が見事に切断されており、それはそれは美しい地層だった。
バッサリ切り取られたその崖は、垂直と言うより、斜めにこちらに向かってそびえていて、「崩れるかも?」なんて妄想を掻き立てるには十分な感じだった。
まさか、大人になって、そのすぐ脇にアパートが建ち。
さらには、そこに我姉妹1号一家が住み着き、さらにはそこへ3-4年もの間、毎晩通う大人な私になろうとは思わずに。

まー、そんな事を思い巡らした今朝。私は寝坊をした。
と言うのは、目覚まし代わりの携帯が襖の向こうに居たからだ。
普段は、頭の上に置くのだが、昨夜は充電が終らずに。
充電器の線が届く、襖ギリギリのところへ置いて寝たのだ。
その襖が今朝、ピシャリと閉められており、目覚ましが鳴り出して気付くまでに25分が経過してしまった。

ついでに、思い出してみると、弁当を作っておいたにも関わらず。
今朝、お相手に「ありがとうね」と声を掛けられ起こされた記憶が無い。

いや、寝ている私に気遣って襖を閉めるのは、毎朝の事だし。
弁当も毎日のことになっているので、声を掛けなくても何の不思議もないのだが。
なんせ、少々私自身に後ろめたい事があるから気に掛かる。

昨日、父上の墓参り用の花を買うついでに、近所のスーパーで買い物をした。
その際に、お相手の弁当のオカズを物色していた所、「ミートボール カレー味」という代物を発見。
ほー。これは珍しい。安くはなっていないが、買ってやろう。と購入決定。
その日は、チーズやらバターやらがヤケに安くて、賢い主婦のような気分になり、お相手の家に行くとヤツが風呂から出るのを待ち構えて
「ほら、これ。半額よ。だからって大量に食べないでよね。」
と一通りお披露目をした。
そして、例の「ミートボール カレー味」を見せ、

「カレー味なんだよ。変ってるから安くなかったけど弁当用に買ってやった」

と自慢した。お相手は、「ありがとね」と多分言ったと思う。

そして、お相手が寝静まり。弁当の準備に取り掛かった。
先日、お相手と弁当が豪華な日と質素で良い日を決めたのだ。
どうやら、一緒に休憩に入る人間によって、弁当を食べる場所を違えてるらしい。
今日は、豪華な弁当を希望する日だったが、あまり材料が無い。
よって、早速買ってきた「カレー味」を入れてやる事にした。

電子レンジで深めの皿に入れて1分。出来上がると確かにカレーの匂いだ。
ミートボールは10個入り。そのうち、8コをアルミホイルをちぎって四角く配置し、おもむろに詰めてみた。
なにやら気に入らない。可愛くない。大体、カレー味ゆえか、なんだか色が悪い。
色が・・・・

あーーーーーーーっっ!!!!!

私は、気付いてしまった。そうだ。色がヤバいじゃないかっ!って事に。

「当分、カレーは、俺、いいや」

職場が変って1週間後辺り。お相手は、確かに私にそう言っていた。

(注:ここより先、食直前中直後の方はご遠慮ください)

お相手の仕事は介護だ。40人強いらっしゃるご老人のお世話だ。
そのうち、自分で歩ける方は2人しかいらっしゃらないそうだ。
勉強の為に、ホームの中でも大変な場所をわざと彼は選んだ。
人手がともかく足りなくて、楽しくご老人と会話だの一緒に遊ぶだの。そんな悠長な時間はほぼ無く。
人間の自然の摂理の繰返しに追われ続けているという。

そう言えば、私が「カレー味だよ」と言った時。
お相手は、かすか〜に表情を曇らせた気がする。困った顔だった気がする。
時々優秀なお相手は、私が好意でやったことに困っていても、黙っている事がある。
大体私はそれに対し、数時間後に「もしかして!?」と気付くのだ。
そう、今回も同じ事。やっと気付いたのだがもう、レンジでチンしちまった後だ。

仕方なく、せめて量を減らそうと、丸いアルミカップに入れ替え、数を5個に減らしてやった。
ギザギザのアルミカップなら、まだ可愛く見えるかとも思ったが、カレーをまったりまとったミートボールは、やっぱり色気が悪すぎる。
ではでは緑色を加えるべと。
ピーマンを細かく切ってちりばめた所、余計になんだか・・・になってしまった。
大体、加熱していないピーマンは不味かった。

そして、私は考えた結果。
ピーマンの細くなっている部分を輪切りにし。電子レンジでチン。
それをカレーをまとったミートボールの上に3つ可愛く配置したのだ。
そして、せめてものお詫びに、その他にほうれん草巻卵焼き。人参のバター煮。シャケのムニエル。小ナスの漬物も入れ、色とりどりおかず沢山の弁当に仕上げた。
デジカメを持参していないので、見せられないのが残念だが、良い出来だった。

でも、やっぱり。
どんなにその他のおかずを美味しく作れても、それを賢明に綺麗に詰めても、ピーマンの輪切りなんぞ可愛くしても。

カレーはカレー・・・・か。

間もなく、お昼。ヤツは何を想い、弁当のフタを開けるのだろうか?

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2003年05月23日(金)

知りたくないこと

昨夜はやっぱり徹夜状態になり、3時間睡眠。
目が開かないままに頑張ってー頑張ってー仕事をしていたのだが。
またもや、私は同じ過ちを繰り返したらしい。
しかも、今回は前回より酷かった、、、
仕事を選ぶ事を、少しは覚えた方が良さそうだ。

0時近くまで仕事をしていた一昨日の事。
多忙の原因の一因である社長殿は、飲みに出かけられた。
名目は、私が以前居た会社で、部署は違うが部長だったTさんの退職祝いだという。
Tさんは、定年以上の年齢で、とても人が出来た上品な方だ。
別の部署というよりは、関連別会社であり、私と仕事上では一切接点が無かったにも関わらず、いつも私を「あるひちゃん」と呼んで可愛がってくれていた。

オフィスでは、顔を合わせることは殆ど無かったTさん。
会うのはいつも、会社の後の呑みの席。
はっきり言えば仕事上の関係ではなく、呑み仲間だ。

その職場では、女性で呑む人が居なくて、毎度私は紅一点状態。
男性の中にまじり、週に2-3回は必ず呑んでいたという飲兵衛ぶりを発揮していた時代だ。
あの頃の呑み仲間以上に、きちんと仕事をする女性を評価してくれる人たちに、私はあれから出会った事がない。
私特有のバッサリすぎる喋り口調を受け入れ、笑ってくれる女性にはその後も恵まれたが、男性には彼ら以降、出会ってないかもしれない。
本当に、認められているという安心感がある、居心地の良い呑み場所だった。
思えば、彼らが私のキャラを認めてしまったから、その後、小煩い他の男性に「キツイ」と言われても自分を変えられないでいるのかも?とか時々思う。

あれから、もう6-7年だか経つらしい。
毎年Tさんから来る年賀状には、「社長と呑むときに、来てください」と必ず書いてある。
社長も元同僚&呑み仲間だから、言えば一緒にいけるのであるが、なんせ、社長が「今日はTさんと飲み会だ」と教えてくれるのが、いつも当日なのだ。
だから、退社して1年後以降、私はTさんに会えないでいる。

そのTさんの最近の情報として、社長はこう申された。

「更にハゲて、その上、白髪にまでなってる」

社長は口が悪い。いつも、Tさんのことを影で「ハゲ」と呼ぶ。
いや、勿論、ハゲなのは事実だし、当然の事ながら本人に向かって「ハゲ」と言わないのが通常版である。
しかも、そのハゲことTさんは、社長が独立してからのお客さんでもある訳だし。

「じゃ、Tさんに宜しく言っておいてよ」と私が伝言を頼むと、社長は申された。

「あるひちゃんが、『シロハゲ』って言ってたって伝えとくよ」

と。
私は、不安になり、忠告をした。
「そんなこと言ってると、本当に言ってしまうから、気をつけな。」

呑むと通常版では無くなる社長が、かつてTさんに向って「ハゲ」と言うのを目撃していたので、かなり心配だ。

すると、社長は自信マンマンに、こう申された。

「仕事があるから、今日は呑むつもりは無いんだ」

と。「それは、無理でしょ」と私があしらうと、

「俺は最近、飲み方が変ったんだ」

と大人になった事を主張した。

そして、夜22時頃。
社長の携帯から電話が入った。
すぐに分かるぐらいに、ベロベロのベランメェ〜調の社長だ。

「あらぁ?飲まないって言ってたじゃん?」
私がそう尋ねると、ベランメェ〜社長は威張って

「呑まない訳ね〜だろっ」

と呑むのが当然だと言わんばかりだ。
たった5時間前の台詞を、もう忘れたらしい。
そして、デカイ声になり、恐れていた事態が起きた。

「Tさん、あるひちゃんが、


 シロハゲと変れってっ





・・・・・・・酔っ払いとは恐ろしいものよのぉ・・・・・・

勿論、人間が出来たTさんが、それを信用するとは思わないが。
いくら人間が出来てても、さすがに『シロハゲ』はキツイだろう。
電話を変ったTさんの声が、自分のお祝いの席にも関わらず、かなり疲れて聞こえたのは気のせいか。。。

そして、翌日。
何事も無かったかのような爽やかな声で社長が電話をして来た。
あまりの通常版ぶりに、私はチクリと言ってやった。

「やっぱりTさんに、『シロハゲ』って言っちゃってたじゃん」

すると社長は物凄い驚いたような声で。

「え?俺、そんな事言ってた?」

と申された。
「覚えて無いわけ?」と、こっちの方がビックリだ。
そして、事の次第を説明すると

「ああ、言ってたなぁ。思い出した。
 だからTさん、二次会に行ってくれなかったのかなぁ・・・

と社長はボヤイた。
そして、まるで社交辞令のように

「今度、また近いうちに呑みがあるから、良かったらおいでよ」

と申されるので、更に私は教えてあげた。

「Tさんが「次に呑む時にでも、社長と一緒に来てよ」
 って私に言ってる後ろで貴方、物凄いデカイ声で

 『俺は、いいってー』

 って、断ってましたが?」


すると社長は、本当にそれはそれは嫌そうな声で申された。

「もう、それ以上、教えてくれなくていいから。」


社長は呑んだ時ことは、すっかり忘れる性質の宜しくない酔っ払いで。
でも、人に指摘されると思い出しはするのだと言う。
だけど、本人は思い出したくないらしい。

自分が酔って仕出かした暴言暴動の数々を、彼は知りたくないんだと申される。

そうかなぁ・・・私だったら、自分が何をしたか知りたいけど。
と思うのは、私が酔ってそんな事をしない人間だから思える事なのかもしれない。

知りたくないと言わせるまでに、彼は幾つの過ちを今まで犯してきたのだろう?


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2003年05月22日(木)

お弁当

いやいや〜、まいったね。
更に超特急の仕事が入っちまいまして。ヤバイってば。
とか言いながら日記を書くという余裕を見せてみる。

一昨日、私のイラ付き度を察知した社長は昨日の電話では、
「忙しそうだから、真面目に話そう」
と更に多忙ぶりまでも察知為された。
そうさ。見積まで寄越すから余計に忙しいのさ。

実は、昨日はお相手の誕生日だった。
プレゼントは2週間ほど前だったかに、希望の釣り竿を買ってあげたのだが。
本当は火曜日に徹夜で仕事をしたかったのに、大雨が降り。
それが翌朝まで続くと天気予報が予想していたので、原チャリで通うお相手の出勤が心配になり、どうせ翌朝送って行かねばならないのならと上がってしまった。
よって、誕生日の昨日。
私は祝ってあげもせず、夜中0時まで仕事。

いや、本来なら昨日も徹夜すべきだったのだが。
誕生日だからと実家に呼ばれ、夕飯を食べてきたお相手に
「お袋から、あるひちゃんにってオニギリとか色々貰ってきてあるから」
と電話で言われ、泣く泣く仕事を切り上げたのだ。
人の好意に、私は弱い。弱すぎるかもしれん。
せっかく持たせてくれたという、お母様お手製のオニギリ達を
「仕事が忙しいから、食べれない」
と断る事が、どーしても出来ないのだ。

お相手の家の駐車場に車を止め、降りるとそこに人影があった。
真っ暗で家の明かりすら無い駐車場に人影を見たら、誰だってビビるだろう。
まさに私も、10cmぐらいは飛び上がって驚いた。
人影の主はお相手だったのだが、いい加減酔っ払いすぎな状態。
誕生日だから、仕方ないかと大目に見た。

最近、毎日のようにお相手の弁当を作る私だが、これまた毎日のように
「今日のお弁当は美味かったか?」
と聞き、感謝の言葉を貰う事も忘れない。
お相手は、実家でもお母様にこの話をしたらしい。

「あるひが、仕事が変ってから毎日お弁当作ってくれるんだよ」

彼の中で問題なのは、「仕事が変ってから」という点らしく、お母様と二人で

「どうしてなんだろうねぇ?前は何で作ってくれなかったんだろうねぇ?」

という話になったらしい。
そして、彼ら母子の導き出した答えは。

「あるひは、前の俺の仕事が、きっと嫌だったんだね。」

・・・・・・

すっげー、勘違い。勘違い母子だ。
正直言えば、理由の半分は、単に創作意欲が湧いているから。
気が向いているから作っているのだ。
そのうち、私のレパートリーが尽きたら、作る気力を失う可能性すらある。

もう半分の理由は、お相手の給料が減ったから。
確かに男が毎朝自分で自分の弁当を作るというのは、哀愁が漂ってて同情したくなる気持ちが無くは無い。
時には、作ってやろうか?と思うこともあり、前もオカズ一品二品程度なら作った事もある。
でも、前の仕事の給料だったら、愚痴愚痴言いながら弁当を自分で作るぐらいなら、コンビニ弁当を買ったり外食したりしてた方が良いと判断していたのだ。
弁当を作るのは、ヤツの勝手。
だから、手を差し伸べはしなかったのだ。

人を助けるのは、「いざっ」って言う時に限る。
それが、私のポリシーだ。
例えば友達がいかに道徳ハズレをしてようが、私は関知しない。説教なんて絶対にしない。
生半可に誰かの生活に手助けも手出しも口出しもしたくない。
でも、その道徳ハズれの末に本当に困る事態が起きた時には、理由がどうであれ助けようと思うし、そうしているつもりだ。

お相手の弁当に関しても同じ事。
昼休みに食べに行く場所も無く、コンビにも遠い。
一人分の弁当なら、作っても買っても値段は変らない事も多いのだが、
なんせ、ヤツが作ると逆に高くつく冷凍食品をバンバン使うから、私がそれなりの材料で料理した方が絶対に安く上がる。
私から見て、ヤツの生活が本当に助けるべき時になったから、手を出しただけなのさ。
その辺を、言ってもヤツには良く分からないらしい。

そんなこんなで、昨夜も疲れているのに、夜中1時に弁当のオカズを作った。
ところが、朝、目が覚めると横にお相手が居る。
驚いて思いっきりひっぱたいてしまったら、怒られた。
何やら、研修なので午後からだと言う。
今日のお弁当のオカズは、手が掛かっている。というか、試作品だ。
我ながら、食べてみたいと思える弁当だ。人に見せたい弁当だ。
「食べてから行く」とお相手は言っていたが、人に見せないのなら勿体無い。

よって、私がもって帰ることにした。
持って帰るときに、ヤツがいつも弁当を入れている保冷バックを拝借しようとしたら、
「そんなのに入れてかなくていいんだって」
と買物のビニール袋を渡された。
ケチなヤツだ。保冷しなくていいからって理由だったらしいが。
大体、その保冷バックは、私がコジマで電化製品を買った時にクジで当たった品だ。
一度使ってみたいと、魅力を感じていた私としてはガックリだ。

持って帰ってきた弁当は、早速今朝半分食べた。
我ながら、美味しい。
学校で早弁などした事がなかった私としては、まさに早弁初体験。
ちと、嬉しくなり、なにやら今日は仕事が捗りそうな気がする。


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2003年05月20日(火)

察知能力

なにやら、先ほど、雨が物凄い降り方をしていた。
ラジオの天気予報によると、ヒョウが降るとか降らんとか・・・
今日は、早めに上がった方が良さ気。

昨日まで、実に暇だった。
ところが、今朝になって、面倒な仕事が1本上がってきていた。
すっかり、ノンビリ生活が身についてしまった私にとって、一日中椅子に座っているという事が、苦痛になってしまった。

しかも、昨日。
このままでは来月の入金がヤバイかしらぁ?と思っていた所へ、別の会社から仕事の依頼が来た。
「いいですよ」と今週中に上げますなんて、安請け合いをしたばかり。
そのデータが昼に届いたというのに、この分じゃ今日はとり掛かれそうにない。
更には、社長からの電話で、今週は他にも2件上がってくるという。
金曜日はできる事なら早く上がって、今度こそ飲みに行こうと計画してるっていうのに。

今まで不安になるほどに暇だったクセに、まるで示し合わせたかのように一気に4社分・・・
ドラマの台詞で昔、「小さくまとまるなよっ!」ってのがあったが、
「小さくまとまって来んじゃねーっ」ってな気分だ。

イライラしながら、溜息つきつつ一応、ここは社会人。
今日、一本仕上げてやろうと面倒な仕事を片付けていると、社長から電話が。

「えーーー。もしもし?もしもーし?」

確かに、私は仕事に集中していると電話の声が低くはなる。
しかしながら、私の返事が聞こえないはずもなく、あきらかにふざけているらしい。
いつもは、多少の相手をするのだが、今日は何せ時間が勿体無いので

「返事してんだろーがぁ」

とまともに返した。
すると社長はこう言った。

「あ、イライラしてるから、まともに喋ろう」


・・・・・・

頼むから、イライラしてなくてもまともに喋ってください。
イライラしてなかったら、どこまでふざけるつもりだったんだか。

然しながら。
別に声を荒げた訳でもないたった一言で、私の精神状態を把握できたという、
その察知能力の素晴らしさだけは、認めてあげよう。


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2003年05月19日(月)

諭される

今朝、久々に海を見た。
雨の為、朝7時に出てお相手を送っていったのだ。
朝の海は爽やかでいい。
気分良く帰ってきたものの、既に仕事が私を待ちわびていた。
せっかくの御機嫌が台無しだ。

さて。
このところ2週連続で週末には飲みに行くという事が続いた為、すっかり私の体内リズムに刻み込まれてしまったらしく。
習慣になったらしい。
昨日はお相手も出勤。私も仕事をした為に日曜日だという感覚が無かったにも関わらず、体内時計は「酒飲み日」をさしていた。
しかし、帰ってきたお相手に「飲み行く?」と尋ねた所

「たまには、お家でビール半分ずつ飲もうよ」

とやんわり断られた。
お相手にしては、上出来な物の言い方なのだが、私は家で飲む酒は美味しいと思えない。
ガッカリしていると、お相手は言った。

「前みたいにお互いに収入ないんだから、節約しないとね」

これまた、ヤツの口から「節約」などという言葉が出たので驚きだ。
つまんね〜の〜と思いつつ、仕方なく買物に行き夕飯を作った。
丁度、食べている時にテレビで、節約をする主婦の生活をやっていた。
懸賞生活で元を取り。
最初は、それをスゲースゲーと言って見ていたものの、そのうち夕飯の食卓が映し出され。
なんと、プラスチックのスーパーなんかで野菜が入ってるケースが皿代わり。
料理だって、とても手をかけているとは思えない様を観て、

「チャンネル変える?不愉快になって来た」

とお相手が言い出した。
いくら節約とは言っても、ここまではどうかと。
そういうお相手に、私はこう言った。

「おお。○○って名前は、性格悪いぞ」

そのテレビの節約主婦の名前が、我姉妹2号と同じだったのだ。
我姉妹2号も、ケチだし、懸賞生活主婦だから、まさに似てる。
しかし、敢えて、2号と一緒だとはお相手に言わなかったのだが。

して、なんの話からかお相手に

「たまには御母さんの店、手伝ってやりな」

と言われた。
お相手は良く分かっていないが、私の母上は一般的な母親像とはちと違う。
一度手伝いなんて始めたら、雪崩れの如く私に頼りきりになる。
キリが無いのだ。
お相手のお母様のように、子供の生活なんぞ案じるような母上では無い。
説明するのも面倒なので「ああ、そうね」と流していると、

「家族なんだからな。」

とクソ真面目に言い出した。
更には、

「○○は性格が良くないなんて、自分の姉ちゃんの事をそんな風に言うんじゃないよ」

と諭されてしまった。

げげっ こいつ、2号の名前覚えてやがった。
敢えて2号だと言わなかったのに、ヤツにはそれが姉妹の悪口だとバレていたらしい。

そういうお相手だって、先日。
釣りにお兄さんと行って、釣り舟代を奢ってもらい、昼にはお母様お手製のお弁当まで作ってもらったクセに

「兄貴とは、二度と行かねー」

とほざき、お母様に「そんなこと言わないで」と宥められてたのだ。

くぅ〜〜っっ なまいきだっ

最近、お相手の職種が変って環境の変化ゆえか、以前と立場が逆転気味だ。
何やら悔しい気もするが、成長過程と思って生暖かく見守ろうと思う。

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2003年05月18日(日)

馴れ馴れしい男

日曜日なんすが、仕事です。

金曜日、上がるはずの仕事が上がらないと確信したのはお昼の事。
じゃぁ、今日は早めに上がって飲みに行くべか。と思っていたら。
17時過ぎになってお客様からお電話が。
このお客さん、毎度のことだが言うことが突然すぎる。
修正だなんだという作業は18時には終っていたものの。
確認の電話をしてもお客さんが出ない。
やっと出たと思ったら、出先だから手短にと言われる。
「今夜遅くになりますが、確認して御連絡します」
と当り前のように言われ・・・・・・・

待つ間、何もする事もないのに、金曜の夜なのに、飲みに行こうと思っていたのに・・・
ひぇ〜〜〜んっという事態になった。
取り合えず、先に出来る事はしちまえッ!っつー事で、お客さんが指定した業者に連絡を入れてみた。
「○○社の△△様から御依頼のデータなんですが」
と私が言うと、電話に出たその担当者(男)は
「え?聞いてません」
と言う。
聞いてませんと言われても、こっちは知ったこっちゃない。
とりあえず、これこれこう言う御依頼でと説明をすると、何やらそいつが言い出した。

「これ、言わないで下さいね?」

まるで、内緒話が始まるような台詞だ。
私は、その担当者と話すのは言っておくが、初めてだ。始めましての仲だ。
しかも、お客様を介しての仕事の関係以外の何者でもなく、仕事以外の話をする筋合いも無い。
「はぁ・・・」と戸惑いの返事をすると、そいつは言った。

「△△さんって、ザックリですよね」

意味が分からない。
更に担当者は続けた。

「なんて言うか、話し方も穏やかなんですけど、性格もノンビリというか・・・」

ハハ〜ン。要は、愚痴か?
っつーか、私に愚痴か?見ず知らずの相手に内緒話か?
まぁ、こういう事は稀だがある事だ。
同じお客さん相手の業者同士で、「ええ。私の方も困ってまして」なんて話が無い訳じゃない。
取り合えず「はは。そうかもしれませんねぇ」と曖昧な返事をした私。
それを同意と受け取ったのか、担当者は愚痴を語り始めた。

いや。確かにね。私も時たまそのお客さんには、一人PCの前で怒ることは御座います。
でもね。
それを、見ず知らずの別会社のアンタと共有する気は御座いませんっ!
大体、男のクセに、その愚痴愚痴グッチーは何?
あたしゃ、アンタの友達じゃねーんだっつーのっ!

そして、私を気遣ってか

「金曜日の夜なのにねぇ・・・」

と言い出した。
「いえ、仕事なんで・・・」
とかなんとか曖昧に答えてやると、

「いや、僕も別に何かあるって訳じゃないんですけどね。ははははは。」

と言い出した。
それがどうした。
アンタの都合なんて、聞いてねーっつーの。
金曜の夜に暇だろうが、デートがあろうが、全くこっちには関心の無い事だ。

と、そんなこんなで、かなり不愉快な気分で電話を切った。
そして、私は、何時になるか分からないものを待つのは止めて、携帯の番号を知らせてお相手の家に行ってしまい。
お客さんから携帯に連絡が入ったのは、夜22時近く。
月曜日でもいいだろうという事になり、のんびりしていたところの23時半。
例の愚痴担当者から電話が鳴ったのですわ。
「先ほど、△△さんからお電話頂きました」
と言い、要件を伝えると、

「大丈夫でしょうかねぇ」

と愚痴担当者が言い出した。
「ああ、間に合いますか?」
てっきり仕事の状況的に大丈夫か?だと思っていたので答えると・・・

「いえ。仕事もですけど、△△さんの身体が大丈夫かなぁと思って」

・・・・
何を言い出すかと思い、「はぁ?」と言う言葉を飲み込んで無言でいると

「△△さん、ずいぶん具合悪そうだったんで」

と申された。
これまた、はぁ?だ。っつーより、キモーっだ。
「あ、そうなんですか。気付きませんでした」
と仕方なく答えてやると

「え?結構、△△さんからお仕事頂いているんじゃないんですか?」

とトンチンカンな事を聞かれた。
つまりキミは、沢山仕事をする間柄である△△さんの体調であれば、私が分かって当然と言いたいのでっか?
これまた、仕方なく
「いつも、穏やかな話し方なので・・・」
と答えると

「大分、具合悪いみたいなんですよ。大丈夫かなぁ・・・」

と、相当△△さんの体調が心配な御様子。

えーっとね。
お前は、△△さんの友達か?
普通、お客さんの声の変化で体調まで分かるかっつーのっ!
一緒に心配して欲しいのか?大丈夫ですかねぇって同意して欲しいのか?
だ・か・らぁ〜〜〜〜っっっ

アンタとも、お客さんの△△さんとも、


友達じゃねーし、アンタとは初対面だっつーのっ!!!



とは言えず、
「ああ、いつもお仕事遅いみたいですからねぇ」
と答えた私は、かなり健気な社会人だ。

彼にとっては、お客様も業者もヘッタクレもなく。
三者同列お友達化現象が起こっているらしい。
頭にパーティションが付いてないと諦めるか。

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2003年05月16日(金)

私には無理

ちとクソ真面目な話で。

4年ぐらい前に資格を取りたいと真剣に大学を探した事がある。
その頃までの私は人付き合いが良くて、家の電話が鳴らない日の方が珍しかった。
人の話を聞くのが苦痛じゃなかった頃の話だ。
他人の事を構える、気持ちの余裕がどんな状況でもあった頃の話だ。
自宅で夜中まで仕事をしていて、翌朝通勤する人間じゃ無いという気安さもあったのだろう。
昼夜夜中関係なく、電話が鳴っていた。

そんな私を見ていた友人の中には、「そんなの相手にしてたら身が持たないよ」と心配してくれる子も居た。
何故にそんな心配をされるのか、全くピンと来なかった。
私としては、内容がどうであれ。電話をしてきてくれる事が嬉しかったのだと思う。
そんな中、ある一人の友人が、呆れたように冗談交じりで「金取れや」と言った事がある。
だからと言う訳では無いが。その冗談を聞いた一年後に、私はそういった仕事が出来るなら職業にしよう。そう考えるようになった。
何も知識が無い中、ネットで調べ、安易になれ無い事を知った。
他人の生活に関わる職業なのだから、当然だ。
そういう職業になるにはともかく大学でその分野の専攻をして、資格を取らなければならならず。
地方の大学の通信の資料を沢山揃え、検討し始めた。

検討し始めた頃。父上の入退院の回数が増えていった。
大学どころの騒ぎじゃ無くなった。
勿論、大学への資金は自分で出すのだが、先が見えないと感じた。
翌年の4月からの自分の生活が、現状のままだという自信が経済的にも無かった。
いつもでも最悪を考えて行動をする私は、父上が働けなくなった時の事を考えた。
両親の生活を考えると、大学へ使うようなお金は無いように感じた。
そして両親の相手を毎日する状況になり、仕事も忙しく、時間的余裕も無くなった。
それが、何年続くか分からないと思った。
父上が生き続けると信じ込んでいたから、長い時間になると考えた。

その数年前に、父上は最初の手術をした。
その時、父上に、かつて私が手術入院を二回もしたのに一度も見舞いに行かなかった事を謝罪された。
「行ってやらなくて、悪かったな」
この言葉を、父上からその後、何度聞いた事か。
私は両親が見舞いに来ないことを、特に不満に思ってはいなかった。
病院が東京だったので、遠いから仕方がないと。そう思っていたし。友達も姉も来てくれてたので、暇だと感じる事も無かったから。
ただ、二度目の時。
一人で2週間分の荷物をもって入院した日は、周りが親に付き添われているのを見て、少し寂しいと思った。
退院の日は友達が親の車を借りて迎えに来てくれた。
「お母さんに話したら、一人で退院なんて可愛そうだわって言ってたから」
と言われ、初めて「普通は違う」という事に気付いた。
病室の隣のベッドのご婦人にも、「お母さんが来てくれるの?」と聞かれた。
泣きそうになった。

だから、父上が何度も謝るその言葉は、父上自身の入院中の寂しさや不安の大きさを象徴するものだと感じた。
まだ原チャリしか持ってない頃には、雨の日は歩いて見舞いに行った。
そうすると、いつも以上に父上は「悪いな」と申し訳なさそうだった。
入院してる家族を、近くに居たら毎日見舞いに行く。
それは、当然と思っていた。
だから、父上に毎度感謝されたり申し訳ながられたりする事に戸惑いを感じた。
病人に気を使わせるのならば、行かない方が良いか?そう思った事もあった。
でも、待っている気持ちの方が強い事は、親子だから理解できた。
ただ時々。
「待たれている」というプレッシャーに押しつぶされそうになる事もあった。
仕事でどうしても家から出られずに居る日に、母上から
「もう少ししたら、あるひが来るから」
と父上が言ってたと聞かされると、行く足取りが重くなった。
徹夜明けで、数時間でも眠りたい日には、昼に時間が取れても「仕事だ」と言って行かない時もあった。
そんな日は、「待ってるのに」という罪悪感で、疲れ果てていても眠れなかった。

友達からの電話は相変わらずだったが、父上が病気だと言うと、遠慮して掛けてこなくなる子も居た。
でも何人かとは、相変わらずの状態だった。
病院に夜に行き、泊る生活が始まると、さすがに電話に出る事ができなくなった。
でも、留守電があれば折り返すぐらいはしていた。まだ余裕があった。
メールにも、必ず返信をしていた。
父上が亡くなって一ヶ月ぐらいまでは、実家に夜行ってたりもしたが、電話もしていたし、メールも返信していた。
でも、2ヶ月目からは、電話が鳴っても出なくなり。着信を見ても折り返さず。メールも返信しなくなった。
人の話を聞く事が苦痛になり、電話は勿論。誘われても人と会うのが億劫で断り続けた。
この状態が2年近く続いた。

父上が亡くなった後、義兄の御見舞いに行く回数も減った。
元々お見舞いというよりは、姉を迎えに行くというつもりで行っていたからだ。
父上を見舞い、義兄の病院に行き、姉を送る事もあった。
今思えば、付き添う姉の心労の方が心配だったのだろう。
それは、自分が父上の側に居て、キツい時期があったから想像できた事だ。
それから義兄は転院して遠かった時期もあり、私の見舞の足が遠のいた。
義兄に対し私は、友達の旦那と同じぐらいの感覚で、姉の旦那という意識しか無かった。
それが、時々姉に「あるひちゃん、来ないかなぁって言ってる」と言われるようになり。
私が行くと親しげな笑顔を見せ、冗談を言うようになった義兄の変化に、家族なのだと気付かされた。
他人の病気と身内の病気とでは、抱える重さが違う。
父上の時と同じ、「待っている」という感覚が蘇ってきた。

父上が亡くなった後、そして義兄が入院している間に私の心に常に重くのしかかっていたのは、彼らの寂しさだった。
もともと大学へと思っていた分野は福祉関係だった事もあり、また考えるようになった。
ただ、私には介護は出来ない。表情を変えずにお世話をする自信が無い。
だから、寂しさを少しでも軽減できる事を考え始めた。
老人の話相手をするボランティアがあるように。病人にもあっていいはずだ。
専門的な介護では無く、一緒に食事をしたり、話し相手をしたりする人間が居てもいいはずだ。
家族の負担を軽減するのは、逆に、専門的な介護よりそういった方向のお手伝いなんじゃないか?
そう考えた。

どちらにしても、大学に行ったり、専門的な学校に行く必要がある事に代わりは無い。
範囲を広げて資料を集めた。
でも、人に会うのが億劫になっているのに、新しい事を始めるのはもっと無理だった。
今、父上が亡くなって2年半が経つ。
父上が亡くなってから出会ったお相手には、友達が少なく、仕事で人と会う事も無く、話し相手も居なくて可愛そうだと言われている状態だ。
父上が亡くなる以前の私を知らない人間に、前はそうじゃなかったと言っても信憑性が無い。
2年も連絡を断てば、友達に誘われなくなるのは当然だ。
友達の数が減ったとは思っていないが、遊べる相手が減ったとは思う。
あんなに鳴っていた電話も、今は殆どならない。メールの相手は1/10だ。

説明したところで、理解は得られないだろう。
例え肉親が亡くなっても、変らない人もきっと居る。
それが理由で一時的に人と関わりたくない時間があるとしても、その長さも人それぞれで。
その気持ちの表現方法だって違うだろう。
ずっと泣いてる人もいるだろうし、ただ人に会わないだけで、仕事も生活も変らない人も居るだろう。
本人じゃなければ分からない事だ。

2年が過ぎて、少しずつ私はまた考えるようになった。
でも、仕事の状況で経済的に大学は無理。じゃぁ、別の道から始めようかと、具体的に行動に移す事を思案し始めた。
ボランティアから始めるのもいいかと考えはじめていた。
でも、それを話すと、残った数少ない友人二人に「あるひは、精神的に持たない」と言われた。
人の事を背負い込んで、自分が参ってしまうだろうという理由らしい。
でも、私は仕事としてやるからには、割り切りが出来ると自信があった。
言い方は悪いが、私がそんな人間だったら、元々人からの電話をあんなに受けてはいられなかっただろうし。
どこかで、他人事と割り切れたからこそ、愚痴や悩みを長い時間聞きつづけていられたのだ。

でも。
最近、お相手が毎日仕事の話をする。
介護の話だ。
オムツをしてても、トイレに行きたいと言う老人の話。
動く事は出来ないが、意識がはっきりしている老人の話。
車椅子でも、押してもらえないと行きたい所へ行けない老人の話。
そして、それに答えている時間が無い介護をする人間の現状。

トイレに行きたいという意思があるのなら、連れて行くべきじゃないか?
意識があるのに動けない辛さを、想像してあげてもいいじゃないか?
行きたいと言うのなら、ちょっとの時間を割いて連れてってもいいじゃないか?

聞くたびに、ズシンズシンと気持ちが重くなっていく。
全ての話が2年前とオーバーラップして耳を塞ぎたくなる。

そして、私には無理だと気付いた。
自分が甘かった事に気付いた。
話相手だけ。食事のお世話だけ。遊び相手だけ。
そんなボランティアに行ったとしても、それ以外の状況を嫌でも見ることになるのだ。
見てしまったら、どうしてやってあげないのか?と思ってしまうだろう。
だけど、きっと、私にはどうする事も出来ないだろう。
それなら、安易にその道を選ばない方が賢明なのだろうと思う。

かつて、父上に言われた言葉を思い出した。
何年も通院をしている友達が実家に来た事がある。
父上の自慢の品などと見せ、楽しく両親共に会話をしていた。
その後、遊びに誘われたのだが、疲れていたので私は断って見送った。
父は、そんな私に「お前は賢いな」と言った。
父にとっては、私が断ったことで、彼女と深く関わるのを避けているように見えたらしい。
それが賢い選択だと。

背負いきれない荷物を背負うな。

その意味が、今、やっと分かった気がする。


2003年05月15日(木)

赤ベコ

雨降りの今朝、あんまりな古典的ギャグをかました自分に驚いた。

車に乗って眼鏡を掛け、ワイパーを動かした所、フロントガラスに筋が入り見づらい。
昨夜から気になっていたので、一旦外に出てワイパーを拭いた。
車内に戻り再度ワイパーを動かすと、筋は解消されたのだが視界がぼやける。
ルームミラーで自分の目を見つつ、無意識に手を伸ばして取り出したもの。
それは、眼鏡ケース。
開けてビックリ玉手箱。
眼鏡が無い。

そりゃそうだ。
鏡に映った私の目には、しっかりと眼鏡がかけられているんだからさー。
鏡で自分の眼鏡かけた顔を見てるってーのに、
眼鏡に雨がついて見えないだけだっつーのに、
更に眼鏡を探した自分って、どうよ?

で、眼鏡は赤フレームなので、赤つながりのこれ。



いや、赤繋がりはうそ。なんとなく流れなだけ。

さて。昨日の事だ。
社長と珍しく長話をした時の話しだ。
なかなか、進行中の仕事が進まず、私の経済状態はピンチに陥るかも?な状況。
そこで、「あー、仕事探さないとだな」と私が言うと

「この間、面接行ったじゃん?」

と社長に聞かれた。

「あー、あれね。玉砕しましたわ。だって、面接に来てる人が皆
 『教師になりますっ!』って感じの爽やか系だったんだもの。無理よ。」

と答えたところ、

「おー、要は俺と対角線上にある人間ばっかりだったってことね」

と仰る。
どうやら、社長は自分の事をよく分かっているらしい。自覚があるのは良い事だ。

「あら?でも他の東京の会社のもあるんだろ?」

と更に社長に突っ込まれたので、「あー、あれはもう来ないかな」と答えた。
そして話ついでに、

「なんかねー。他からも仕事メール来たんすけど200円だっつーから、止めた」

と言うと、社長君。
物凄く驚いた様子で、こう言った。

なんだそりゃ?

 赤ベコの首でも挿す内職か!?



・・・・・・

どっから急にどうして、どうやったら赤ベコが出てくるかね?
しかも、首を挿す内職って、、、アンタ、、、

赤ベコって内職なのかなぁ。赤ベコの絵付けが産地では体験できるらしいけど。
口の悪さにも、程があるわな。

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2003年05月14日(水)

ガラ

先日。
気まぐれで連絡してくる男友達が電話をしてきた。
「俺、今裁判所にいて、連れ待ってん」
と唐突に言われた。
要は時間つぶしに電話してきたらしいのだが、裁判所とはどういう?
そう尋ねても、ヤツは「面倒が多いのや」と言って理由は言わない。
どうやら、自分の都合ではなく、他人の付き添いらしので一安心だったのだが。

「アンタに裁判所って、似合わないねー」

と思わず本音を言ってみた所、

「ちゃんとスーツ着てネクタイ締めてんで」

と返ってきた。
その姿を一生懸命思い描いてみたが、ヤツがスーツを着てる姿は正直言って想像し難い。
もっと正直言えば・・・・・似合わない・・・・と思う。
思わず、反射的に笑ってしまった私に

「なんや。お前も笑うんかー失礼なっ」

とヤツは憤慨した模様。
どうも、その姿を見た他の人々にも何やかんやと言われたらしく。

「キャバクラのキャッチみたいや」

というのが、総合評価としてダントツだったらしい。
要は「チンピラみたいなんだ」とまとめた所、
「そこまで言われてへんで。お前が一番酷い」
と怒られたが、いや、私は間違ってはいないだろう。

そして、昨日。
そんな、スーツが似つかわしく無いヤツが電話をしてきた。

「お前の住んでる地域って、住所なんて言うの?」

と聞かれ、あ?ここは○○市だよ?と答えると

「え?郡じゃないの?字と付かへんの」

と言いやがった。
ふざけんなっとかなんとか一悶着し、何故にそんな事を?と尋ねると、後輩に頼まれてなにやら書類を作るとのこと。
思わず、

「げー。怪しいんですけどぉ?」

と言ってやると「なんでや?」と疑問形。

「この間からスーツ着てみたり、今度は書類偽造だなんて完璧に怪しいだろが」

と答えてやると、「そやなー。かなり怪しいなー」と本人も納得の御様子。
っつーか。スーツ着ただけでも怪しいって、自分で認めてどーするよ?
そのクセ、「実は俺、さわやか系」とかほざく、実体はガラの悪い男だ。
精神衛生上、世間上。コイツとはあまり関わらない方が良さそうだ。うん。

今日。
印刷業者がやはり問題になり、社長と話をしていた。

「フィルム引き上げた方がいいんじゃないの?」

と社長に言われ、いざとなったらそうするよー。と答えたところ

「俺が取りに行くから」

と一言。その声に、何やら怖いものを瞬時に嗅ぎ取った私は思わず

「そういうの、嫌なんだよなー」

と答えると、ただ「そういうの」と言っただけにも関わらず、

「そういうのって、借金取りじゃねーんだからっ ただ、取りに行くだけだろーが」

と返ってきた。

いやいや。
瞬時に私がどういう状態を嫌がったかを想像でき、かつそれを「借金取りに・・・」と言えたその発想事態、かなり危険だから。
大体、声が凄んでたし。巻き舌系入ってたし。
元々、見た目がかなり怖いし。ガラ悪いし。スモーク貼ったベンツだし(関係無いか)
だから、やっぱり社長が出てくる前に、自分で印刷業者何とかしようと心に誓った。

先週の土曜日。
いつも行く飲み屋に行き、後から来た顔馴染のガテン系オジサンと話をしていた。
このガテンオジサン。とても丁寧にいつも年下の私達相手でも「ですます」調で話してくれる。
よくよく見ると目がちっと怖いのだが、いつも穏やかに丁寧語で話すので、うっかりすると大人しい人だと思いがち。

そこへ、後から悪酔いの原因が私の隣にやってきた。
私が滅多に無い悪酔いする原因は、大概が隣の席に来る客だ。
もちろん、赤の他人。されど、顔馴染。
例えば、車に乗っているときに本を読んだりすると酔う確率が高い。
それと同じで、呑んでる時に隣の客の話をジーっと聞かねばならぬ状態は、酔いを急速に早めるのだ。

その悪酔い原因の客だが、オヤジだ。
なんだかの商売をしてるオヤジだが、特徴はその馴れ馴れしさだ。
いつ知ったのかは知らないが、改めて自己紹介をした覚えも無いに
「あるひさん、いいねー」と名前を呼び、更には私だけじゃなく、お相手の事まで実体をよく知らないクセに誉めまくるあたり、かなり怪しい商売オヤジだ。
声の質は、出川系。いや、出川よりは聞いてられるが一日中は無理な周波数だ。
そして、性質も悪い。
暴れるとかそんなんじゃなく、悪びれない様子で小姑みたいな嫌味を店主に言うのだ。

そんな商売オヤジの長い演説の相手をさんざんし、もう限界だ。気持ち悪いぞとなり帰ることにした。
そして、「じゃ、おやすみなさい」と商売オヤジに挨拶すると、
「なんだー、もう帰っちゃうのー」
と、これまた馴れ馴れし言葉。
私達が帰ると、店にはガテンオヤジと商売オヤジだけになる。
すると、商売オヤジがガテンオヤジに

「じゃー、僕は、ガテンオヤジさんとこの間の続きでも話しましょ〜。ね〜?」

と話し掛けた。
と、次の瞬間、あきらかにガテンオヤジさんの目つきが代わり、

「(ふ)ざけた事言ってんじゃねーぞっ ゴラァー ゴタゴタゴタゴタ言ってんとシバクぞっ ゴラァー」

とドスの聞いた返事が。

思わず、一気に酔いが冷めそうな勢いだった。
普段、とても大人しい人に見えるだけに、商売オヤジは何かを勘違いしてしまったのだろう。
振り向いて顔を見はしなかったが、商売オヤジはきっと驚いていたに違いない。
いや、しかし。
ガテンオヤジさんは、見た目はちゃんと(?)ガラ悪さ満点なんだってば。
まぁまぁとかガテンオヤジさんを宥めつつも、特に仲裁するでもなく、さっさと放置して帰ってしまった私達だが。
後から聞いても大事にはならなかったらしいので良かった良かった。
しかし、教訓。
ガテンオヤジさんは、私とお相手にとても優しいのだが。
酔うとうっかり、敬語じゃなくなってしまうクセは、今後気を付ける事にしようと心に誓った。


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2003年05月13日(火)

春眠暁をおぼえず

髪の毛を結わくと、何故か気分が良い。
こりゃ、美容院に行かねばの限界がやってきたという事か。

最近というかここ数ヶ月。
どうやら私は夜型人間では無くなったらしく。
夕飯を食べ、30分もすると眠くなる傾向にある。
まだ20時台で眠くなるなんて、学生の時以来だ。
そのまま眠ってしまえば、きっと眠れるのであろうが。
なんせ、ドラマ好きな私としては、眠れないのである。
これが、そのピークを越したであろう0時を越すと目が冴え始めるから不思議。

大概の日は、このピークを越すまで頑張るのだ。
なんせ、最近出勤時間が遅くなったお相手が、22時ぐらいまで起きているから困りものだ。
私はお相手が寝静まった後の時間が大好きだ。自由にテレビを観て、落ち着いて新聞も読める。
その時間を持たないと、一日が終った気がしないのだ。
だから、ドラマを観た後に、洗い物をして、気が向けばお相手の弁当のおかずを作ってやったりして、眠いピークを越すまで頑張っている。
大体、ヤツは美的センスが悪い。材料が無い訳じゃないのに、まっ茶色の弁当を平気で持っていく。
早起きだから、決して時間が無い訳でもない。だから、多分美的センスの問題だ。
そのクセ、自分が作った弁当を広げるのが恥ずかしかったとか、後でほざく。
で、私が作った弁当の日は、堂々と見せびらかして食べているらしい。

ちと話がずれた。
お相手の証言によると。昨日の夜中。
慌てて起きたらしい。
その日、ナイターのせいで一時間番組がズレていたので、私は確かに0時まで起きていた記憶がある。

そう。地震があったらしいのだ。所により震度4だったとか。
それは、こっちにも結構な揺れをもたらしたそうで。
お相手が言うには、「相当やばいぞっ」と慌てて起きる程の揺れだったそうな。
しかし横を見ててみると、隣でグースカ寝ている私が居たと。
そこで、お相手は「何時だ?」と時計を見て、揺れが納まったのでまた寝ると。
またもや二度目の揺れが来たと。
今度こそ、やばいぞっと思ってまたもや起きたのだが、相変わらず微動だにせず、暢気に眠るグースカが隣に居たと。

そう話すお相手は、相当あきれた表情を私に向けていたのだが。
おかしいな・・・
私は眠りが浅くて、ちょっとの物音で目が覚めるのが悩みだったぐらいだ。
そこで、お相手に「何時ごろ?」と尋ねてみると

「午前3時ぐらいだ」

と返ってきた。

そして今、ネットで調べた所。
地震があったのは12日午前0時57分のことらしい。。。

いやね。
確かに。
それが私が眠ってから1時間もしない内の地震であるにも関わらず。
確かに私はそれに気づかなかったのは事実だ。

でもね。
「時計を見た」と言ったお相手の証言時刻が、
ニュースの地震時刻と2時間も違うってーのは、一体どういう事よ?


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2003年05月12日(月)

誰にも言えない・・・

先日、右後頭部の当たりに白いものを発見した。
白髪だ・・・・・・・
数ヶ月前に、やはり右側頭部に発見しショックを隠し切れずに居たのだが。
2本目だ。
いや、もしかしたら隠れているだけで、もっとあるかもしれない。
っつーか、何故に右ばかりなのだ?右脳に苦労をかけているのか?
などと本気で考える。

でも。もっときちんと考えてみたら。
本人、自覚したくないのだがもうイイ歳だ。
イイ歳を先日実感したばかりだ。
リンスより、トリートメントの方が髪に良いという事を実感したばかりだ。
カラーリングしてるクセに、安いリンスで平気で居た事の方が、よっぽど変だ。
こんなんだから、女を捨ててると勘違いされるのだ。
気をつけよう。

などと「女として」を今更実感中の私のところへ、先日、例の永遠のライバルTやんからメールが来た。

タイトル:うざいよ〜

最近、彼女は人間関係でストレスマックスだと言っていた。
だから、きっとその類の愚痴だと思ったのだが・・・・

お肉と髪っ!

と言われた日にゃ、ライバルと言えど返す言葉が見当たらぬ。
まぁ、髪の毛なら分かる。今の私も自分の髪がうざくて仕方ないから。
しかし、肉がうざいというのは・・・自分の体の一部だからなぁ。切る訳にもいかないし。

運良く、肉の話では無く、髪型の話に流れて行ったのでその日は助かった。

と、そんなメールも忘れかけた3日後。Tやんからまたメールが来た。

タイトル:誰にも言えない・・・

なにやら、重いタイトルだ。となると、何か悩んでるんだろうと考えた。
いやいや。Tやんの事だ。恋愛絡みでは無いことは確実だ。(ちと失礼か)
仕事のストレスならば、誰にも言えない事はないだろうし。
さすがにとても心配になって早速メールを開いてみたところ・・・


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なぜに仕込みボタンかと言えば。
女性として堂々と文面にさらすのを、さすがの私も控えた方が良かろうと親心。

しかしながら、この告白。
数年前にも同じ会社の時に、聞いた事がある。
ちょいちょいと手招きをするTやんの側に行くと、こっそりと。
本当にこっそりと耳元で「忘れて来た・・・」と打ち明けられた過去がある。
だから、早速返信して
「Tやん・・・・・むかしも・・・・やってた・・・・・」
と教えた上げたらば。

「そ、そうか、素質があったんならいいや。歳かとおもうた。(*_*)」

と返事が返ってきた。

そんな納得の仕方で、本当にいいのか?


2003年05月09日(金)

真顔で笑う男

本日の業務はこれにて終了。
只今15時半。
と、思ったら、まだ見積が来てない事に気付いた。
ビデオでも観ながら、ベッドの上で待つ事にしよう。

世の中、不景気と言われて何年経つのやら。
ここに来て、ますます不景気だと思われるのが、仕事の単価が下がりすぎっつーところだ。
見積を出すと必ず叩かれる。
叩いて叩いて、おおおおーーーいっこっちの儲けがねーぞーなんて事は、客の知ったこっちゃないらしい。
待っている見積もそうだ。
「平に」なんて語句を間に入れてきたそのメールには、要は「ン十万下げろ」って事が書いてあって。

私の1月までほぼ社員として契約していた会社。
何故か社員じゃなくなった途端に、仕事がバンバン来だした。
ま、それで他に職を探すでもなく、今の私が成り立っている訳ではあるのだが。
その前に会社自体は、危機的だったらしい。
社長は、以前の会社の同僚で。その以前の会社の社長っつーのが外国人で。
契約社会の人らしく、ちゃんと社員とは契約書を交わし。
しかしながら、平気でそれを難癖付けてバックレルという大したヤツだった。
その教訓からか、彼は私への支払いを滞らせずに頑張ってくれていたらしい。

そんな無理がたたって、真っ赤な帳簿。
仕事がバンバン来だしたのは嬉しい限りだが、今までの赤を埋める為に経費を削る方向で。
となると、必然的に外注は使わず。全ての仕事は社長自身の肩に。
っつーことで、私は社長の作業が終るまで待つハメになりGWを休んでいたのだ。

ド素人から見たって、寝る時間も無いだろうと思われる仕事量。
しかし、彼はマイペースなのか、開き直り大臣なのか。
GW中に上げるべき仕事が来ない事に不安になり、
「今日は、仕事上がってきますか?」
とお伺いのメールを送ったところ、

「今日は。。。どれも上がらないような気が。。。今晩からかかろうかと。。。」

あまりにも気弱な返事が帰ってきた。そして、更に、誰も聞いちゃーいないのに

「ゆうべ??の、のみに行ってまして。。。」

と御丁寧に自己申告された。

そしてGWが明け、GW前に「GW明けに納品します」と返事しちゃった仕事はどうする?と思い、聞いてみると、督促の電話も入っているその状況で、更に仕事が増えたらしい。

「じゃぁ、○○社の担当に、「それ無理じゃんっ」って言ってやんな」

と、面白いので私が言ってみた所、

「いや、それ無理っつーより、「バカじゃんっ」って感じ?」

と答えて居たが。
まさか、お客さんにそんな事は言えまい。

そして、先ほど。
週末の作業があるかどうかを電話したところ、またまた別件の急ぎが入ってどーにもならないと言う。
ま、他人事なので「じゃぁ、頑張っておくんなまし」と励ましの言葉をかけたのだが。

「あ、俺、今日17時半には居ないから」

などと言い出した。
「へ?この状況で?どーすんのよ?」と尋ねたら、「だから焦ってるんだ」と言う。
いや、焦ってるのは出かけたいからで、私が言いたいのはその状況で出かける社長の神経を疑ってるっつーことなんですが?
とか内心思いつつ、

「○○社の行方やいかにっ!っつー感じだな」

と、多少の客先への同情と、社長の会社の行く末に不安を思えつつ言い放つと。
電話の向こうから、受話器を30cm離してもうるさいぐらいの笑い声が聞こえた。

なんと言っても、この社長。特技は真顔で笑い声を上げられることだ。
竹中直人の「笑いながら怒る人」っていうのがあるが、彼は「真顔で笑い声を上げられる人」なのだ。
その笑い声は、笑い袋そっくりで、聞いているだけなのに笑わずにはいられない迫力がある。
すっかり慣れている私なので、「それ、真顔だろ」と電話でも指摘できるのだが、知らない人が聞いたら、本気で壊れたと思われるぐらいの笑い声だ。
いや、多分だが。本人もわきまえているので、他人にはしていないと思うけど。

普段なら、その笑い声の上手さを自覚しているらしく、自慢気に何度も聞かされるハメになる。
しかし、今日は事態が違ったらしい。
高らかに笑った後、急に社長は小さな真声になり、

「やべっ 窓開いてるんだわっ」

と呟いた。

ああ、確かに。
そこはマンション。両隣は小さいお子さんのいる家族だ。
だけど、誰もまさか一人で社長が笑っているとは思うまい。
しかも、真顔で。
不気味すぎ。


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2003年05月07日(水)

叱咤激励

今朝、一度目覚ましを止めて次に目が覚めると既に11時半近くだった。
その前に、最近、新しい職場に行き始めたお相手に必ず起こされるのだが。
今朝はくだらない喧嘩をしたまま、ヤツは出勤した。
大体、眠くて眠くて眠っている私に話し掛ける事自体が間違いだと思ってみたり。

二度寝して家に戻り、しばらくすると裏のじぃさまが何かやらかしたらしい。
久しぶりにお婆ちゃんの声が響いた。

「な〜にやってんだよっ!我慢しろって言ってんだろぉ」

この婆ちゃん、時々早口で何を言ってるのか分からないのだが。
「我慢しろ」というからには、じぃ様が我慢できなかった事があるってことだ。

「なんだよ。だから、ダメだって言ってんだろぉ」

その合間に、じぃ様がモゴモゴ何か訴えているのだが。
普段は、この一言二言で窓が閉まる音がして終るはず。
しかし、今日はやけに長い。

「なんだよぉ。頭、ボーっとしてんのかよぉ」

いやいや。お婆ちゃん。
じぃ様がボーっとしてんのは、少なくとも私が引っ越してきた時からだと思っているのだけど?
と内心で毒づいてみる私。

と、そこでバシっっていう音がした。
おいおい。まさか、じぃ様、虐待されてないだろうねぇ?

多少不安になり、窓を覗こうかと思ったが、なんか野次馬みたいで嫌なので我慢。
すると、一旦静かになった・・・・と、また

「だから、我慢しろってー。」

また、我慢できなかったじぃ様らしい。
最初、「我慢」と聞いて私が想像したのは、じぃ様が庭で立ちションでもしたんじゃないのか?と思ったのだ。
しかし、それにしてはさっきやって、またやったというのは間隔が短すぎる。
じぃ様がまたモゴモゴと反論してる模様が聞こえ、お婆ちゃんが

「分かるけど、我慢しろってぇ〜」

と同情の余地有り発言が聞こえた。
んん?なんだぁ?
すると、次の行動に移ったらしいじぃ様にお婆ちゃんが

「そんな汚れた服でどこ行くっつーんだよぉ」

と言っている。
じぃ様が、拗ねて出て行くとでも言い出したのだろうか?
そしてまた、

「我慢しろってぇ〜のぉっ」

と言われている・・・・
何を我慢できないのだ?じぃ様?
その後もなんやらとお婆ちゃんの小言が聞こえ、モゴモゴじぃ様の声がし。
そして、

「も〜、よぉ〜・・・しっかりしとくれよぉ〜」

というお婆ちゃんの一言以降、すっかり静かになったのである。。。

いつも、じぃ様が何かやらかす度に(あくまでも声だけなので想像だが)お婆ちゃんの口のキツさに、多少の同情をじぃ様にしていた私だが。

ああ、幾つになっても。
怒ってばかりいるようなお婆ちゃんでも。
実は、じぃ様を心配しているんだなぁ。
ずっとずっと昔から、きっと若い頃から、こうやってお婆ちゃんはじぃ様を叱咤激励してきたのだろう。
歴史を感じるね。愛かね。これは。愛だね。きっと。

そんな事を感心していたら、今朝、八つ当たり気味に怒ったまま出勤したお相手から電話が入った。
そして、お相手は
「今夜はアジ焼いてやるからな。夕飯作っとくから」と言う。
「俺はうなぎで、お前はアジだ」と言う。
「それは、貧富の差なのか?」と私が尋ねると
「そうだ」と答える。
いや、私がうなぎが嫌いなのでこういう事になるのだが。

今朝の喧嘩はどこへやら。
さんざん、ヤツは悪態ついて出て行ったクセに謝罪の言葉がなかったが。
ま、電話を掛けてくること自体、きっとヤツは反省しているのだろうと踏まえる寛容な私。

ああ、なんだか。
裏のじぃ様とお婆ちゃんに、自分の将来を見るようで。
いやはやなんとも(TT)

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2003年05月06日(火)

家出娘

我家のテレビは民放の映りがエラく悪い。
GW前まで、唯一観てられるのが6chだった。
他の民放は砂嵐の中に画面があるような状態なのだ。
だのに、明けて戻ってきてみたら。今度は10chが唯一観れるものに。
丁度、昨日の夕方。
違法電波とかのニュースがやってて。
携帯の電波を受信すべく側に勝手なアンテナを立てられると、妨害されるそうだ。
そう言われると、我家の携帯もそんな感じで。
ニュースと同じく、家の外では3本なのに家に入ると圏外になることもしばしば。

ついでに、ラジオもGW少し前から受信状態が悪くなった。
そして、昨日はボリュームを上げないと聞こえない状態に。
今朝戻ってきてつけたら、ドデカイ音量で鳴ってビックリ。
でも、時間の経過と共に音がしなくなり・・・まぁ、これは電池の寿命だろうが。

何にしても、怪しいと思っているのは目の前の大家さんのガレージから、ニュッキリ出ている二本のアンテナ。
大家自身が、自分の持ちアパートの住環境悪くしてるとしたら、笑える話だな。
隣に人が越してこないのも仕方なかろう。
いや、決定じゃないけど。

さて。一ヶ月ほど前の話だが。
我姉妹2号の小学4年生になる娘が、母上の店に友達と共にやってきたという。
店が開店するのは6時頃だから、小学生にとってはお家に帰らねば時間だ。
「どうした?」と母上が聞くと、その娘。

「家出してきた」

と言う。何故に、家出してきたか?と聞くと

「預かったお金を使ってしまって怒られた」

と答えたそうな。要は、親子喧嘩で家出。
思わずそれを聞いた私は、「血は争えねーなー」と感想をもらしたもんだ。
なんつったって、我姉妹のうち家出NO.1は、この子の母親の2号だったからだ。
何かと言うと、お婆ちゃんの家に家出していた。
鮮明に今でも覚えているのは、保育園のお迎えに2号が来て。
何故か大荷物を持っていた。
幼い私が、「その荷物はなに?」と聞くと「友達に預かった」とかなんとか誤魔化され。
一緒に家に帰るはずが、途中のバス停で「友達の家に行くから」と保育園児の私を一人で家に帰らせ。
何も分からず家に居ると、父上と母上が血相を変えていきなり家に帰って来て
「2号は?」
と聞かれ。
「なんか、いっぱい荷物持ってバスで行った」
と素直に答えた所、それはどうやら家出だったらしい。
その後、両親二人だったか父上一人だったか忘れたが、2号を迎えに行ったらしい。

あの当時。3つ違いの2号は多分、小学3年生だったのだろう。
バスに乗り。電車に乗り。更にバスに乗らねばならぬお婆ちゃんの家まで、その歳で良く行けたもんだ。
そして月日は巡り。
その2号の娘が4年生になりこれまた、こうやってお婆ちゃんである母上の店に来る事になるとは。
時代はめぐるつーことか。

まぁ、ともかく娘は家出した訳で。
しかも、友達を巻き添えにしてやってきたのだ。
その友達が、これまた小学4年生で凄い女状態らしく、彼女はもう凄い剣幕で

「○○ちゃんっ(娘の名前)責任とるって言ったよねっ

と2号娘を威嚇しつづけていたそうな。
どうやら、もう夜なので、家に帰らないとその子も親に叱られるのだろう。
その責任を2号娘に「取るって言ったよねっ!」らしい。
これって・・・親だろ。
母親がきっと、家で父親に「アナタっ!責任とるって言ったわよねっ」って言ってるに違いない。
おお。こわっ。

母親である2号が店に電話してきて、電話を代われと言っても強情に2号娘は嫌がり。
その強情さも母親である2号譲りで笑えるのだが。
ともかく、母上が無理矢理電話口に出し、最終的には2号が迎えに来て終ったそうであるが。
2号の言うことがこれまたピントはずれだ。

「嫌いだって言ってるくせに、なんでアイツと来るかな」

要は、その「責任とるって言ったよね」の子の事を、2号娘は普段「嫌いだ」と言っているのに、なんで連れてきたか?ということが、2号にとっては不愉快らしい。
面白い母親だ。

大体、家出の原因が「預かったお金の使い込み」であるっつーことも、笑える。
この話を1号にしたところ、

「2号娘のヤツ、店までバスで来たんじゃないだろーな」

と言う。
ん?まぁ、確かに歩いてこれない距離じゃない。
でも、子供の足じゃぁ、かなりかかるだろう。下手したら2号宅から1時間ぐらいかかる。
何故にそんな事を気にするか?と疑問に思ったところ1号曰く。

「預かったお金使って怒られて、またそのお金で店に来たんじゃないだろうね」

と。
使い込みで怒られた家出で、更にまたそのお金を使い込み。
使い込みの上塗りっつー訳か。
そりゃ、かなり面白いっ

一応、叔母である私としては、2号娘が2号に似てくる将来が怖くも楽しみでも有るが。
それよりも、「責任とるって言ったよね」の子の将来も、なんだか見える気がした事件であった。

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2003年05月05日(月)

GW最終日

GWなんて無いと思っていたのに、すっかり休んだ。
仕事が上がって来ないからだ。
どうせなら、最初から「ずーっと休み」と分かっていた方が、気楽だったはず。
毎朝、「今日こそは仕事か?」と意気込んで起きて、結局のところ休みになるっていう繰返しで。
なんだか、休みになっても休んだ気がしないもんだ。

昨夜は、「ちぃ〜っと飲みにいくべ」ということで、今日はお互いに仕事だというのに飲みに行き。
ちぃ〜とのつもりが、結局4時間ぐらい店に居た事に。
で、生中1杯半飲んだところで、お相手が「吟辛」を一口飲みたいから頼んでというので頼んだら。
結局あいつは飲みもしない。
何故に生中一杯半かと言えば、お相手が半分残したのを消費したせい。

店主に気を遣うのも変だけど、一度日本酒を頼んだからにはコップを替えさせるのも何なので、結局また吟辛をおかわり。
つまみは、くじらの刺身。もちろん生ニンニクで。
どうやら、私の身体は、この生ニンニク&日本酒に弱いらしく。
かなり、酔いが回った記憶がある。

会計の時に、どう考えてもおつりがくる額を財布から出し、
「これで足りる?」
と聞いて、当り前だとお相手に言われた記憶もある。
きちんと皆に挨拶をして帰ってきた記憶があるが、皆の顔を見た記憶は無い。

家に着いて、トイレ争奪戦をした記憶もある。
でも、歩いて帰ってきた時の記憶はちと曖昧。
きちんと石鹸で手を洗い、威張った記憶もある。
そして、やはり仕事が気になってメールチェックをして、中味を読んだ記憶もある。
読んだ後、なるほどと思って、お相手のPCなので、ちゃんと削除した記憶もある。

頭がグルグル回り始め、そのまま落ちていこうとするのを嫌がり、目を見開いてみた記憶もある。
お相手に何か言われ、「気持ち悪い」と答えた記憶もある。
そして、目が覚めたらまだ5時前で、冷蔵庫のコーラを一気のみした記憶は鮮明。
それから二度寝して、ものすごい量の夢を見て、それをお相手に
「今、いっぱい夢見てるんだから」
と訴えた記憶がかすかにある。

通常どおりの仕事モードで、9時過ぎに起き、メールをチェックするも来ていない。
かすかな記憶を辿り、そうだそうだ。昨夜メール見たじゃん?仕事じゃん?
と思って帰宅してきたものの・・・

自分のPCにてメールを再度受け取り見てみると。

「明後日やればいいから、休んでちょうだい」

と書いてあって。。。

ああ、酔っ払いって嫌だねぇ・・と反省しつつ、何気に二日酔いで。
せっかく休みのGW最終日。無駄に家に帰ってきたような気がして。。。
一体、何をしたら良いのやら。

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