浪奴社員の呟く
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薄れ行く感傷と思っていたのに、時間と共に痛む胸の抑えが利かないのはなんでなんかな。距離を保つほどに遠退く足音に、軋む胸の鼓くが聴こえるのはなんでなんかな。もう随分前の頃に感じてしまっているのに、それでも眠れぬ夜に思い出してしまうのはなんでなんかな。そんな切なさに溺れてしまいそうなんは、やっぱりワシだけなんかな。
どんな希望を語ってみせても、叶わぬがあるなら心いも殺がれてしまうし、どんな希望を垣って見せても、適わぬがあるから虚しい明日に孤独を求めてしまうし、どうせなら全て無くしてしまえばいいのに、そんな勇さが備わっていないからいつまでもいつまでも寂しさに蹲っているだけやな。
それでも、その前なら何処かで望みを抱き続けていたのに、これからを臨むことが出来ないから何時までも抜け出せない想いに浸ってしまうんかもな。
「もうすっかり醒めた?」
あの日が止まった儘であの日が麗くし過ぎてあの日の彼女を探した侭で、掌の温りも髪の手触りも身に纏った匂いも息遣いも鼓動までも、決して遠く離れていない筈なのに、それでももう届かない全てが愛おし過ぎて、これから先へこれから前へ進んでいける自信が持てずにいます。
「他の誰も居ないのに。他の誰もじゃ駄目なのに。」
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