*ブルーノイズ*
aoi

初日 最新 目次 MAIL
・・・ *hp* ・・ *bbs* ・・・ *plof.* ・・・



 これでいいのかは、謎だけど。2
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ココのあらまし説明をつけてみました。
初めての方・概要を知りたい方などは、
>>コチラからどうぞ。
+++




*******
それは、突然だった。
いつもは、
受信がわかっていても、
ずいぶんたってから、開いていた、メール。

真夜中だった。

街中だった。








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アタシには、

アイツのココロの闇を、
受け止めてあげるころもできない。

できない。
できないけど、


ひさしぶりに、電話をした。
それは、おもわず、だった。
見た瞬間、
何も考えずにダイヤルしてたと思う。



>>続く・・・・・




2004年02月26日(木)



 これでいいのかは、謎だけど。1
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ココのあらまし説明をつけてみました。
初めての方・概要を知りたい方などは、
>>コチラからどうぞ。
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*******
話がずいぶん前にもどるけれど、
アイツ。よっちゃんが突然うちにきてたら、
もう、大分たつ。

あの日のアイツとは、
ただそれだけで、
待たせていた友達の車に、もどっていった。
ただ、それだけ。

あぁ。でも、
『まよったけど。』
って、優しくはにかんだような顔でゆった言葉と、

『変わらず君はそこにいました』
というメールをもらったけれど。


******
それから、
それでも、
ほとんど連絡はとっていなかった。


『前のように、友達になろう
そのほうが、お互い楽なんだろう』

そんな願ってもないメールをもらった時も、
アタシはオーケーできなかった。

それは、
アタシの一番望んでいた言葉だったのに。
そうなれれば、と、どれだけ望んだか、わからない。


・・・だけど。


だって、わかっていた。
じゃぁ、そうしよう、なんて返しても、
何もかわらない。
戻ったふりして、友達のふりして、
ただ、それだけで。


正直、
重たいと、思ったのかもしれない。
いいわけだけど、
アタシは仕事が忙しくて、
自分のことでもいっぱいいっぱいで。
だんな様のこととか。
精神的にも余裕がなくて。

ただひたすら、
大好きで大好きで、
沈んでたらなんとかしてあげたくて、
無駄でも言葉をなげかけたり、
うざそうでも連絡したり、
あそぼーよ!なんて突然ゆったり、
用事がなくても電話したり。

そんなふうには、戻れない。
そう思った。

もう、悩みも話せない。
昔なら何も考えずに話せてた。
だんな様の愚痴だってのろけだって。


・・・そんなことができないから。


だから、友達になんて、
表面だけで、実際にはもどれないってわかってた。








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アイツのココロの闇を、
受け止めてあげるころもできない。
「友達」を平気で装って、いままでどうりに対応もできない。
だけど完全に、
アタシの感情からも切り離すこともできない。

なにもかもに、「足りない。」


だって、
あんなに大好きだった。
恋愛感情ではないけれど。
何年、そばにいたと思っているの?
友達として。人間として。

だけど、
好き、にはなれないんだ。
男性としては、なれないんだ。




メールがきても、返信しなかった。
電話がかかってきても、とらなかった。
かけなおしもしなかった。

どうにでもできないのなら、
見ないように生きていくしかないもの。




ダケド。
だけど、それは突然やってきた。




>>続く・・・・・




2004年02月25日(水)



 わすれられない戒。14
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命をなくした。
命を消した。

自分勝手だ。

**********

なんて、あっけないんだろう。
なんて、あっというまなんだろう。

結局、
アタシを、もう一人と、
二人分の手術に、
かかった時間はほんの、少し。

手術自体は、
20分もかかっていないんじゃないだろうか?

それくらいだ。


麻酔が十分にさめてから、
子宮収縮薬などをもらって、
経過診断の日にちをきめて、病院をあとにする。

近くまでむかえにきてもらって、
食欲はないから、お茶をした。

何も、きかない。
ただ、いたわるように、指をつないでた。

歩いているときも、
お茶をしているときも。


他愛もないことを、話す。
あへて話題にしないことを選んで、
何かから、にげていたのかもしれない。


でも、鈍く痛む下腹部が、
そんなことをしても、意味がないよ、といっているようだった。


『カラオケにいきたい!!!』


わがままをゆって、昼間から、カラオケにいった。





『もうやだ、、、、、』

そういって泣きじゃくるアタシを、
優しく抱きしめたのは、
カラオケにはいって
うたってうたって、
じゃぁ、そろそろ、でようか、っていうときだった。


その日。

何かの儀式が終わるかのように、
両の頬にゆっくりと口付けをして、
そして、
静かに抱きしめられた日。。。。。。。



アタシは、
一生わすれない。

グリーンのシートのかかったベッド。
まぶしいくらい明るい蛍光灯。
キレイな室内。
ほんのりと、
消毒薬の匂いがする、
あの、部屋を。


忘れることなんてできない。
忘れてはいけない。
自己満足かもしれないけど、
切にそう思う。


アタシの戒めだ・・・・・・・・





皮肉だと、おもったこと。






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子供が育ってゆく。
それを診察する、同じ内診台で、
子供の命を奪う。
そんな手術をしていたんだ。
・・・したんだ。あたし・・・・・・





抱きしめられながら、流した涙。
時間がたてば、涙は止まるのに。
もう二度と、同じ命は宿らない。

『ごめんね』

安直で、自己満足かもしれないけれど、
何度も何度も繰り返した。
そんなことしかできなかった。

そんなことしか。








2004年02月23日(月)



 わすれられない戒。13
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下腹部が、鈍く、痛い・・・・・。



途切れそうな意識のなか、
もうろうとしながら、打った、
たった四文字のメール。
なんて一方的で、
なんて感情的な。

『死にたい』

という、言葉。。。。。


送信先は、捨てた命の、
もうひとつのDNAをもつ相手。
いつも、アタシを優しく抱きしめる腕の持ち主。。。。


メールを打ち終わってすぐ、
アタシの意識は再びなくなる。

たまに意識がもどってくるのか、
でも、目をあけることはできなくて、

かすかに、
隣のベッドに、
アタシがはこばれてきたときのように、
看護婦さんにつてられて、
ほかの人が帰ってきたときの音だとか、

看護婦さんがたまに様子をみにきて、
何かゆっていったなぁ、とか、

そおいうのは、覚えている。


きっと、
まだ切れない麻酔のなか、
夢がさめかけているときみたいに、
現実と眠りのなかを
いったりきたりしていたんだと思う。


なによりも、


腰の下にひかれた、
ブルーシートが、つめたくて、
寒かった。

眠りからさめそうになるたび、
寒い、、、、と思った。

そして、

麻酔がきいてるときから、
鈍くいたんでいた下腹部は。
時間がたち、
麻酔がきれていくにつれて、
その痛みを増す。


痛い・・・・・・・・・・・・・



それは、
ちくちくした、とか、
すりきずや、かすり傷がいたむという痛みではなくて、
内側が鈍く傷む痛み。


あぁ、きっと、
子宮の中を、綺麗にするために、
胎盤なんかをむりやりはがしたりするんだよね?
内側をきれいにするって、
確か何かで読んだ。


子宮から、
無理やり引き剥がされたアタシの細胞。

鈍いけれど、
確実に大きな痛み。



生理痛なんて、比じゃない。




思いどうりに動かない体を、
やっとのことですこし動かして、
体を『くの字』にする。


寒さから逃れるため。
痛みが緩和するようなきもして。



麻酔の効いたあたしを、
現実にもどしていたのは、
この痛みだったのかもしれない。




痛い。痛い。痛い。痛い。






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感傷的になっているのは、
きっと当事者だけなんだ。
遠くできこえる。
となりの処置室からの音。

アタシも、隣の人も、終わった。

看護婦さんと、先生と、
『普通』の、はなしごえ。

会話の内容はわからない。
だけど、感じ取る。
続く会話のなかで、
たまにもれる笑い声。

他愛もない話をしているんだろう。
日常の始まり。まだ、朝だ。



いろんなことを考えたきがする。
いろんな夢もみたきがする。
アタシが『意識がもどった』とおもっていた時間は。
実は夢の中だったんじゃないかと、
思うくらい。
だけど、それらは、ほんの少しだけの時間のなか。
最初に、この病院に足を踏み入れてから、
多分一時間もたっていなかった。


はじめてしった。

堕胎手術って、こんなに簡単に、
あっけなく、
そしてわずかな時間で、


終わってしまうものなんだね。




大分麻酔もさめてきたころ、

『そんなこというなよ・・・』

という返信メールをみて、
あぁ、ゆめじゃないのかぁ。
なんて、確認した。




>>続く。。。。。。。







2004年02月22日(日)



 わすれられない戒。12
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聞こえてしまった。

『じゅるじゅる』という音。



体は動かないまま。
感覚も、視覚も、
すべてがもうろうとしているなか。



だれかにしがみつきたくて、たまらなくなった。

たまらなかった。


ころしたんだ・・・


ころしたんだ・・・


ころしたんだ・・・


ころしたんだ・・・




その、音は、
きっと、あの、同じ人の、
手術の、音。

細かく砕かれた胎児を、
子宮内から排出するおと。
何かの器械で、
体内から吸引する音。

粘膜質なものを吸い取るかのような、
そんな、音。

もうろうとする意識のなか、
思い出すのは、
いつかテレビでみた、
胎児の命をうばう映像。

こんなことをする結果をまねくようなことは、
絶対にしたくない、と、

そう思ったはずの、アノ映像。

そして、
その音は、
自分の手術にリンクする。

その音は、『別の人』の処置の音だけど、
だけど、
だけど、

それは、アタシと、おなじ処置の、音。
麻酔で眠っている間に、
確実にされた、おなじ作業。


誰かにしがみつきたかった。
何かを握り締めたかった。


下腹部が、鈍く、痛む・・・・・・・。


途切れそうな意識のなか、
言葉にはできない感覚が体と思考を占拠する。
視覚もまともではない。

でも。
でも・・・。

まだ思うように動かないからだを起こして、
荷物をしまっていたロッカーの鍵をあけた。


ベッドのすぐ脇におかれたそれだけど、
落下防止のベッドの手すりにからだをのりだして、
その作業をすることは、

今おもえばかなりむちゃだったのかもしれない。


頭の中を走る、
幾多の映像、音、感情。

涙はなかった。
でも、ききたくなかった。

麻酔で眠っていれば、
聞かずに終わったものだったのに。



アタシはやっと、実感する。
途切れがちな意識のなか、
それだけは、明瞭な感情だった。

アタシ、オロシタンダ。


きもちがわるいきもちがわるいきもちがわるい。
きもちがわるいきもちがわるいきもちがわるい。
きもちがわるいきもちがわるいきもちがわるい。
きもちがわるいきもちがわるいきもちがわるい。
きもちがわるいきもちがわるいきもちがわるい。
きもちがわるいきもちがわるいきもちがわるい。







ロッカーから、
もうろうとしながらもとりだしたものは、

『携帯電話』だった。










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たった四文字のメール。
なんて一方的で、
なんて感情的な。


それだけ打つのが、精一杯だった。
アタシの意識は、そこで再び途切れた。





>>続く。。。。。。。







2004年02月21日(土)



 わすれられない戒。11
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*****
しばらくかいてませんでした。
いろんなことがありました。
おいおいかいていきます。
とりあへず、
この話もすんでないから・・・・苦笑
*****



遠のいた思考と
途切れた意識の次にきたものは、


色彩を異様に濃くしたような、
明度を異様に明るくしたような、
ブラウン管に映る映像のような、
はずしたヘッドホンからもてれくる音声のような、

そんな記憶。


その記憶も、次の瞬間には途切れる。
後から思えば、それは現実世界なんだろうけど、
麻酔に麻痺差荒れた、アタシの感覚のなかの意識。

看護婦さんが、
「ここによこになって」
ってゆったような気がする。

その看護婦さんにかかえられて帰ってきたきがする。

アタシは横たわる。
冷たい、ブルーシートのある、あのベッドへ。


そして意識は再び途切れる。

かすかに戻った意識のむこうで、
(視界はあったのか、なかったのか、くらいの意識)
聞こえたのは、

待合、にいた、
「同じ人」への、
看護婦さんの言葉。

少し前に、アタシがきいたのと、同じ言葉。


「服を脱いで荷物とロッカーにいれて・・・(云々)」

もうろうとしながらも、
「アノ人だ」とわかった。
アタシのベッドはカーテンで
向こうがわとは区切られていたけれど。


そしてまた、途切れる記憶。


次に見えたのは、
クリーム色のカーテンと、
白い天井。
夢の中のような感覚で。

手足も、
指すら、
神経があることがうそのように、
思い道理になんてうごかせない。

ひいてある、ブルーシートが寒いと思った。
つめたい、と思った。

そして、
意識は再び途切れそうになる。

途切れそうになる。



・・・・・

だけど。









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途切れそうだったアタシの、
わずかなな部分で、
その音をきいてしまった。


聞こえてしまった。



そして、
それを意味することを、
瞬時に悟る。

体は動かないまま。
感覚も、視覚も、
すべてがもうろうとしているなか。



だれかにしがみつきたくて、たまらなくなった。




>>続く。。。。。。。







2004年02月20日(金)



 わすれられない戒。10
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しばらくして、
名前を呼ばれる。
先導する看護婦さんと共に、
部屋を移動する。
裸体の下半身。
普段着の上半身。

てくてくと、ついてゆく。
ほんのすこしの距離だけど。
なんて滑稽。

手術は、
あの診察台。
産婦人科の、あの診察台。
腰をかけて、両足を開いて固定される。
いすが上にあがり、背中は下にさがり、
ねころがった状態になる。
お尻の下。座っている部分ががたんというオトとともに、
開く。

腰の辺りにはカーテンがあるから、
自分の足元なんて、みえない。

明るい室内。
消毒薬の匂い。

屈辱的な格好だよね。
なんてやっぱり思ってしまう。

カーテンの向こうの器具。
数人の看護婦さん。

見えない視界。
だけど、
気配と音で感じ取る。


「麻酔しますねー」


左手は心拍数。
右手は点滴をする。


「内診しますねー」


顔もみていない先生。
医療用の手袋をつけた指が
膣の中にはいってくるのが、わかる。
何かの器具が、はいってくるのが、わかる。

「***はいりましたー」

点滴をみながら看護婦さんが何かを先生に伝える。
よくきこえない。
コンナに近くなのに。

頭のおくから、じんじんとしてくる。
じわじわ、というほうがあっているかもしれない。

世界が異次元に感じる。

体の感覚が、自分のものではなくなる瞬間。


「じわじわじわじわじわじわ」

耳鳴りのような音とともに
視界はジラジラとした黒いものでおおわれてゆく。


「******」
「******」

看護婦さんがなにかゆっている。
先生が何かゆっている。
アタシがなにかを応えている。











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色彩を異様に濃くしたような、
明度を異様に明るくしたような、
ブラウン管に映る映像のような、
はずしたヘッドホンからもてれくる音声のような、

そんな記憶。



>>続く。。。。。。。







2004年02月19日(木)



 わすれられない戒。9
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*****
一番最初に、名前を呼ばれる。
診察室の前を通り過ぎて、
キレイな入り口に誘導される。

そこには、

数台のキレイな、整えられた、ベッドがならんでいた。

「じゃぁ、ここに荷物をいれて、」

案内されたのは、奥から二番目のベッドで、
他のベッドと違うのは、
きれいに整えられたシーツの上に、
碧のシートが一部分、ひかれていること。

すぐに、その意味を理解する。

「荷物はロッカーに。
 靴も全部いれてくださいね。」

普通の病院の入院室なら、
きっと、ここに収納テーブルみたいなのがある。
その代わりのように、
小さめのロッカーがあった。

下半身の着衣を全部脱ぎ、
荷物などと共にロッカーにしまい、鍵をするように指示し、
看護婦さんは部屋を出て行った。

ガランとした、空間。
キレイ。キレイな部屋。

指示されたとうりに
下半身の着衣を全部脱ぎ、
もちろん、下着も。
荷物をしまって、ベッドに腰掛け、
キレイで空虚な部屋を見渡した。

特別な服にきがえたりするんじゃないんだなぁー・・・

とか、ボーっとしたことを思う。
腰かけている部分は、
碧のシートのひかれた部分。
ちょうど横になっても、
多分、下半身、オナカの辺りから、
ひざくらいまでの幅をカバーするのではないだろうか。

その意味。

それは簡単なことだ。
手術前、手術後、
シーツを汚さないため。
汚れることを防ぐため。

(・・・つめたい・・・)

よく、ドラマなんかで、
手術のときに医者が来ている着衣の色。
もしかしたら、同じ素材なのかもしれない。
緑。
血の色、赤色の反対色。だから、この色・・・・・・。


私が案内されたのは、奥から二番目のベッド。
だれもいないその部屋は、
ベッドは数台あるものの、
その必要もないので、
カーテンなどは閉まっていない。
ベッド個々を区切る、カーテン。







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あぁ。やっぱり、「同じ。」なんだなぁ。


などと、鈍く確信する。

枕元には、術後の患者が吐いたときのための容器。

広い部屋。
だれもいない。
アタシしかいない。

下半身まるだしでまっているなんて、
なんだか滑稽だなぁ、なんて、
なんとなく、笑った。



・・・・・・
この時点にきても、
「実感」なんて、あるつもりでも、まだ、ない。
なかったんだと、今は思う。


>>続く・・・・



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2004年02月18日(水)



 わすれられない戒。8
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*****
その日は、
前日の土砂降りの雨が
嘘のように、
澄んだ空と、まぶしい光にてらされた、
キレイな、キレイな朝だった。


指定された時間の少しまえに、
アタシは病院の入り口にいた。

『ついていくよ』

という、相手を断ったくせに、
声がききたくて。
携帯電話を片手に握り締めていた。

だけど、
発信ボタンは、おせない。


『いってくるね。』


結局、
六文字の言葉を送信して、
アタシは病院のなかに入った。



キレイな室内。



まだ新しそうな、
キレイなビルの一角。

受付で紹介状と同意書を提出して、
すわりごこちのいい、
ほどよい硬さのソファーに腰掛ける。

まだ、
週の中間。平日の診察前なのに、
もう、きている人もいる。

並べられた雑誌を手にとって、
街のカフェ情報を見る。
あぁ、おいしそうだなぁ。
いつか、いってみたいなぁ。
なんて、
不自然に思考を他に走らせる。


ね、本当に、オロシテシマウんだね。。。。。


しばらくして、名前を呼ばれる。
少し離れたところで、
問診をして、
そして、お金をはらった。

一年。かけて、ためていた、貯金。

毎月、ほんのすこしだけど、
ためてたお金。
保険のきかないこの手術は、すべて実費だ。
金額の問題ではないけれど。
でも、
本当は、もっと高いって思っていた。
週十万くらい、って。

病院にもよるのかな?

などと考えながら、お金を払う。
でも、決して安くはない。
だけど、
命の代金なら、
これほど安いものはない。
なんだか、皮肉だ。
高い金額をはらいたいわけではないけれど、
この命は、これだけの価値なんですよ、と
少しいわれてるみたいで、悲しかった。
でも、その悲しさも、自分への罰のようだ。


待合で、またまっていると、
後ろのほうに、カップルが座ってきた。
会話なんかきこえないけれど、
なんとなく、雰囲気ですぐわかった。



あぁ、この人も、「同じ」だ。




なんでだろう?
本当に、すぐわかった。
そんな会話を、していたわけでもないのに。


幸せそうな、妊婦さんも待っている待合。
同じ空間に、
育むものと、途絶えさせるものが同席してるなんて。


まぶしくて、
顔があげられない。

雑誌を見ているだけで、
文字をおっているだけで、

読んでいるのに、
思考の上のほうでとまっている。
そんな感じだった。


彼氏と一緒に来院してる、
同じ事をする人。

アタシは、ひとり。

きてくれる。
そういってくれたことだけでも、嬉しかった。
正直一緒にきてほしいきもした。

だって、

怖いから。







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>>つづく・・・・




2004年02月17日(火)



 わすれられない戒。7
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「わからない」
なんて。
疑ってしまってきたことを、
たとへ、すこしでも。
不安におもっていたことを、
コトバにしてつたえるのは、
とてもこわい。
いつも、こわい。


アタシのコトバを
なきながら、つかえながら話す言葉を、
だまってきいてくれた。
抱きしめる腕に力をこめて。




「ごめんな・・・・」





コトバを選ぶように、
かみしめるように、

やがてはなしだす。



アタシは毎日実感してしまうとしても、
意識だけで、自分は実感できずにいると。
頭ではわかっているのに、
実感できずにいると。
だから、
「はなしがでたときだけ」
になってしまっているのかもしれない。

できることなら、
三人で生きていくという道をえらべたらいいのに。
そんな未来を、
考えなかったわけではないと。

街で子供づれをみたり、
妊婦をみたら、

無意識にアタシにかさねてみてしまったりしていると。


でも、


選択する道は
今はその方法しかなくて。

だからせめて、
自分はその罪を背負っていくしかなくて、
忘れないようにしていくしかなくて

でも、
嬉しくないわけがない。
自分と、スキな人との命が、
今、ここにいることが、
嬉しくないわけがなくて。

だから、
だから、









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考えることは、

同じだったのだろうか?



でもアタシは、
笑えない、という意味ではおなじじゃない。



>>続く・・・・




2004年02月16日(月)



 わすれられない戒。6
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どうしてそんなふうに微笑むことができるの?




アタシの下腹部を優しくなでながら、
堪能させて、と、アナタはゆう。
幸せそうに。嬉しそうに。
まるで、生まれてくる日を待ち望んでいる
そんな風に。

ねぇ、どうして?

数日後には、
殺してしまう命だというのに。




ドウシテソンナフウニホホエムコトガデキルノ?





急に態度がおかしくなったアタシに気づく。
「どうしたの?」
と相手がいう。
いいたくなかった。いいたくなかった。
でも、
その笑顔に普段からの不安が、
もう、わけがわからないよ、と、顔を出す。


「・・・何をかんがえているのか、全然わかんないよ・・・」


搾り出すように、きいた。


アタシは日々認識する。
「いつもの自分」でないことを。
体がアタシに自覚させる。
ここにいる命のことを。
産めない決断はわかっているのに、
イトオシクなってしまう。
でも結果がわかっているから、笑えないの。
微笑むことなんかできないのに。
大切にしたいと思って、
でもそれが偽善におもえたりして、
そのギャップに自分がばかばかしくおもえたり。
それえでもどうしようもなくて。

なのに、
なのにアナタは、
話題に出たときだけだ。
わかっているの?
私たちが選んだ道を、
わかっているの?
ここに、アナタと私の遺伝子をもった、
生命体がいるんだよ。
わかっているの?
そして、それを、
その命を捨ててしまうんだ。
わかっているの?
本当に。

なのに、何故そんなふうに、
そんなふうに微笑むことができるんですか?

わからない。
アタシにはできない。

何を考えているのかわからなくて
不安になる。
不安になるんだ。










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>>続く・・・・・




2004年02月15日(日)



 わすれられない戒。5
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「自覚」



決定的な違いは、コレだと思った。


妊娠がわかってからも
抱き合い慰めあい、愛し合いコトバをかわしつづけるアタシタチ。
未来についても話す。
今はこんな選択しかできないことを嘆く。

でも、

「ソノトキダケ」

だった。
そんな話題にならないとき、
そんな態度がでないとき、
アタシタチは普通すぎて、
何事もなかったかのようだった。


*******
妊娠。

わかるまで、自覚なんてない。
でも、
生理前のような、腰のだるさ。
胸の張り。

生理はこないのに、
整理前の症状が続く。

たまに鈍くいたむ下腹部。
まるで、生理痛のように。

そして、実感する。

普通のときの体の状態ではないこと。


毎日のような体のだるさ、
けだるい眠気
そして、
寝起きなどにおそってくる、
軽い吐き気。


自分たちの選択はわかっているのに。
わかっているのに、
いつもじゃない自分をひしひしと実感する。
ココに、
命がいるんだってことを、
実感する。



コーヒーを飲みたいと思わなくなる。
お酒を飲みたいとおもわなくなる。
風をひいても、熱がでても、
薬をのみたくないと思う。



せめて、
ココにいる間だけは、
大切にしてあげたい。なんておもう。


くるべく結果はわかっているのに。


バカみたいだ。

なんて思いながらも、
毎日毎日、
どんどん体内の生命がいとおしくなる。
イトオシクナル。









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父親は、
生まれてから父性にめざめる、なんていうけれど、
そうかもしれない。

見た目だけのなかでは、
何もかわらない。

本当にそこに、命があるのか

も、
理解はしていても、実感できなかったりするんだろう。

当然なのかもしれない。

オナカがおおきくなったわけでもない。
まだ動いたりするわけでもない。

超音波の写真なんかをみても、
人間の形をしているわけでもない。


実感できないことを責めるつもりはない。
でも、



でも、
悲しいと思う。






アタシだけが毎日実感する。
ココにいる命のことを。
そして、
イトオシクナル。イトオシクナル。
それがとめられない。
偽善的であるかもしれないけれど、
ココにいる間、
せめてその間だけでも
大切にしてあげたい、だなんて。



でも、



その日がくることがわかっているから、
笑いかけてあげられない。
ココにいる、命に、
私は・・・・・。



>>・・・続く




2004年02月14日(土)



 わすれられない戒。4
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ココのあらまし説明をつけてみました。
初めての方・概要を知りたい方などは、
>>コチラからどうぞ。
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『何を考えているのか、ぜんぜんわかんないよ』




それは、搾り出すような声だった。
いわないでいよう、いわないでいよう。
そう思っていたのに、
たえきることが、できなかった。


突然の態度の変化。
突然の涙に、
相手はどうしたのか、と、たずねる。

目を見ようとする相手から、
顔をそむけるアタシの肩をつかみ、
こっちをむけよ、という。

どうした?
顔をみせて。
目をみて?

優しく問いかけられる。


*******
その日、
ただ、二人で抱き合って横になっていた。
キスをしてハグをして、
ただそれだけだけど、
ベッドに二人で横になっていた。


手術の日にちがせまっていた。


アタシはたくさんの不安に、
押しつぶされそうでこわくて、
でも、
そんな不安定さをみせたくなくて、
いつものように微笑んで、
いつものような二人でいた。

でも、







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それはとても笑顔だった。
そして優しいてつきだった。

まるで、
生まれてくるコ子供をまちのぞむ、
ある家庭の父親のように。



アタシのなかで、
なにかがうごめく。


それは、
おさえこんでいた不安。


そしてゆってしまう。



『何を考えているのか・ぜんぜんわからないよ・・・』




涙があふれた。
声が震えた。


ねぇ、
何故、そんなに笑顔で、
何故、そんなに嬉しそうに、
何故、そんなに優しく、
何故、その命の行く末を知っていながら、
何故、アタシにいうことができるんですか?




>>続く・・・・・





2004年02月13日(金)



 わすれられない戒。3
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アタシタチは、
現実から、逃げ気味だったのかもしれない。

生理が遅れていることに気が付いてから、
妊娠検査薬を購入するまで、
一週間くらいは時間があいていた。
検査薬で陽性ってでると、
ほぼ、妊娠まちがいないことは、しっていた。
なのに、
陽性とでてから、病院にいくまで、
さらに半月くらいの時間が空く。

いいわけは、たくさんあった。
目の前の忙しさを理由に、
正当化するように、病院を避けていた。

だけど、

そのままでいいはずがない。


どうしなければいけないのかも、
わかっていた。
選択しなくてすむのなら、
選びたい道ではなかったけれど、
どうかんがえても、
その選択肢しかなかった。
わかってはいるのに、
それを選ばなくてはいけない現実から、
逃げていた。


妊娠がわかってからも、セックスする。
不安と恐怖から逃げたくて。
安心がほしくて。
いつもよりもぬくもりをもとめる。
いつもよりも抱きしめられたいと思う。
いつもよりもキスをねだる。


何の解決にもならないのに。


優しく下腹をなでられたり、
優しく下腹に口付けをされたり。
そして、時折まじめな話をしたり。

でも、
街を歩いたり電話をしたり。
あへてまじめな話をあまりしなかったのかもしれない。
だけど、あまりにも
「今妊娠していること」
そして、
「でも堕胎させること」
を、
この人はわかっているのだろうか、
というくらい、
アタシタチは普通だった。

そして、それが不満でも、
いえずにいた。
聞くのが怖かった。


『何を考えているか、わからないよ・・・』


病院にいって、
妊娠だと医者の口からきく。
おめでとう、という先生に、
堕胎する意向をつたえる。
どうしてそうするしかないのか、
離した上で、日にちが決まる。
同意書をもらい、
相手にサインをもらう。
元気ないアタシを優しく抱きしめてくれたり、
やさしく手をつないでくれたり。






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アタシが。
精神的に不安定なことをしめさなければ、
普段となにもかわらない二人。
いつもそれはやさしくて、
いつもそれはあたたかいけれど。


そして、手術の数日前。
きっと、
次に会うときはもう、
このオナカの中に生命体はいなくなっている、
という日。。。。








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いつも、
コトバがたりない。
昔から、今だって、

アタシはコトバがたりないで生きている。

>>続く・・・





2004年02月12日(木)



 わすれられない戒。2
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堕胎。




子供をおろすということ。
『出来たらおろせばいいじゃん』
なんていうひともいるけど、
ばかじゃないかって、思っていた。
そして、軽く軽蔑すら、していた。
いや、今だって、
つよがりではなく、
簡単にそう考えている男女共に、
あたしは軽く軽蔑心を持っている。
モチロン、
堕胎すべてを否定するきはないけれど。
それは、自分がしたからじゃなくて、
自分におこるまえから、そう思っていた。

もちろんだからって、
アタシは自分を正当化して許諾しているわけじゃない。


堕胎。
その方法を、しっているんだろうか?

まだ、完全な人間の姿をしていなくても、
オトをきいたり、心臓の鼓動をかなでる生命体。

たとへ、形的に人間でなくても、
それはまちがいなく生命体で、
生命体ということは
生きている命ということで。


******
膣から、はりのようなものを挿入して、
胎児の体を切り刻む。
そのままの形では体外にだせないから。
体はそれでちいさくなっても、
一番おおきな塊は、頭で、
だから、今度は、

頭を潰すんだ。

はさみに似た構造の器具で、
頭であった塊を、潰す。

そして、
体外にだして
子宮の中には、
生命体はいなくなる。
いなくなる。

小さな命は、
悲鳴をあげることもできない。
だけど、
拒否しようとする。
自分の命をうばわれようとすることに、
反抗するように、
まるで、
捕らえた魚が空気中で、
苦しい、水にもどりたい、と、
『ぴちぴち』するように、
動くんだ。


だけど、


そんなか弱い意思は
見事に無視されて、
その行為は行われる。

それが、
ある命の終わり方。


******
これが、
アタシの知っている堕胎のしかた。
完全にそうなのかは、あやふやだし。
もしかしたら詳細はちがうのかもしれないし、
他の方法もあるのかもしれない。
でもたしか、
それがテレビで一度だけみたことがある、
堕胎の映像。

当時はかなりショッキングで。
アタシは、
中学や高校の性教育で、
オブラートにつつんだような体験記をよませるより、
よっぽど、
きちんとした残酷な事実を
見せればいいのに、
なんて思ったことがある。
いや今でも、思っている。






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ききたくなんか、なかった。
そのオトが何を意味しているのか、
すぐにわかってしまったから。


>>・・・続く・・・かな?苦笑




追記
******
ネット上で、こんなことまで、
書くとは思わなかった。
かこうなんて、思ってなかった。
でも、
「あること」をきっかけに、
かこうかと思いました。



2004年02月11日(水)



 わすれられない戒。
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*****
グリーンのシートのかかったベッド。
まぶしいくらい明るい蛍光灯。
キレイな室内。
ほんのりと、
消毒薬の匂いがする。。。。。



その日。

何かの儀式が終わるかのように、
両の頬にゆっくりと口付けをして、
そして、
静かに抱きしめられた。

おだやかだった水面が波打つように、
急に感情がこみあがってくる。

抱きしめられる腕が優しかった。
あたたかかった。


『・・・・もぅ、やだ・・・』
『もぅやだよぉっ・・・・・』


無意識に抑えていた感情が、
あふれた瞬間だった。


抱きしめてくれてる腕に
力がこもるのがわかる。

子供のように
嗚咽しながらないた。


ほんの少しの時間だったけれど。


『大丈夫・・・大丈夫だから。』


しがみついてなく子供をあやすように
安心させるように
そう耳元でささやかれる。


『二度目はないから。絶対にないから。』


何度も何度も
優しく背中をさすりながら、
でも、腕にこめた力はゆるまずに、

だきしめられていた。
ただ
だきしめられていた。



あの日。。。。。。



きっと一生忘れることはない。






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まさか、自分におこるなんておもっていなかった。
そんな結果になる恋愛を
したくないと思っていきていた。



あの日。
抱きしめたかった命を殺した日。。。。



>>多分続きます。もしくは消します。





2004年02月10日(火)



 柵ばかりにトラワレテイル。3
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ビフォアーアフター
っていう、リフォーム番組が
結構スキ。

でも、最近きがついた。
家族の感動もののお話。
亡くなった旦那さんや父親を思って、
その面影を残した家にしていく匠。

最後には涙でしめくくられる。
それは、
とても感動かもしれないけど、


別の意味で胸が痛くなる。




バカみたいなのかもしれないことを考える。


生涯愛するひと。
恋愛をへて
共同生活をへて
子供と
ないたり怒ったり笑ったりしてすごして、
いくつになっても
年老いても
どちらかがなくなっても
その思い出をもちながら
写真をかざりながら、
想いあって生きていく。


あたしは、
そんな風に生きたかった。
老夫婦になっても
手を繋いで笑いあって
平凡でいいから穏やかに
一人の人と時間を過ごして、
そうして生きていきたかった。

それを、
失おうとしているんだ。

そんなふうに、
この人と生きていきたいと、
想ったのに。想っていたのに。
なのに。

旦那様の
優しい笑顔がフラッシュバックする。
幸せに笑いあえて、
この人だけを見ていて、
この人だけをスキで、
ただ、隣でよりそってるだけで、
街を歩いているだけで、
照れて嬉しくて楽しかったころ。

あのころのアタシは、本当にいないんだろうか?

・・・・いまさらだ。
いたとしても、だから?
だからって、もう触れたいとも思えない。
とらわれているのは、
スキだから?過去の幸せがうらやましいから?
『信頼』というものがもてない。
『優しく』なることもできない。
ひとりになることが、寂しいのだろうか?
不安定な将来の生活に不安なんだろうか?


テレビの前で、
連れ添った片割れを慈しむ姿をみて、
胸がしめつけられる。
アタシにはもう、
そんな日々はこないかもしれないことを実感して
切なくなる。

人から、
アノ人が今いる環境で、
他の人よりも優秀にがんばっているらしいことを聞いた。
アタシと別れたら、
いられなくなるその場所で。
がんばっているなら、
許さなくてはいけないのだろうか?

時折届くアノ人からのメールは、
申し訳なさそうで、優しくもある。
だけど、
日常連絡すら
とらなくなったに等しい。

アタシはどうしてまだ、
アノ人の妻でいるんだろう。

反対する両親。
同意しなくなった旦那様。

「お父さん好き?」に、
「ママがスキダよ〜」
としか、応えなくなった子供。

そして、
未だに何もしらない、
向こうの両親。


アタシ、なんだ?
なんなんだろう?






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なのに、
右手。婚約指輪。
はずせない。

アタシは、
何にとらわれているんだろう?





2004年02月05日(木)



 ナクシテシマウノダロゥカ。♭2 ぬくもり
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「よぉ・・・」



一瞬停止した思考回路。
アタシの目の前にいたのは、
予期するはずもない人物。
アイツ。
よっちゃんがいた。。。。


「・・・ど・どぅしたの?」

最初のコトバにも、
同様は現れていたと思う。


「・・・」


無言で箱をさしだす。
むきだしの、お菓子の小さな箱。


「ちょっとまってて」


家に上げるわけにはいかなかった。
あいかわらず、旦那様は居ない家だけど。
だけど、
家に招き入れることはできなかった。
だから、
サンダルをひっかけて、外へ出た。



なんだか、
とても久しぶりに見たきがした。
その姿は、
前回みたときの、
「ちょっとやヴぁそう」
な雰囲気はすこし、薄れていたきがした。


外にでても、
まともにあまり顔をみあげられなかった。

頭のなかには、
なぜ?
というコトバが浮かぶ。


連絡を絶ちますと、
そういったのは、アイツ自身なのに。

アタシをみているのがわかる。
深めにかぶったニット帽から、
視線を感じて、
ますます、顔をみれない。
みあげられない。








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なぜ、
何故、そんな優しい声でささやくのでしょう?
何故、そんな暖かい掌なんでしょう?


いじけた子供をあやすときみたいに、
頭をわしずかみにして
「くしゃくしゃ」
とされた。
掌が温かいとおもった。

だけど、


それだけだ。


・・・・続く




2004年02月02日(月)



 ナクシテシマウノダロゥカ。♭突然だ。
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「・・・よぉ。」




それは、本当に突然だった。
まったく予期もしていなかった。

夜の何時だったか。
何時だっただろう?
20じくらいかもしれない。
21じかもしれない。
はっきりわからない。
そのくらいの時間。


ピンポン


不意になったチャイム。
何気なくドアを開けた。

宅配か集金か近所の人か

ただ、そう思ってた。






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アタシは多分、
一瞬思考回路が停止したんじゃないかと思う。
それはほんの一瞬だったけれど、
状況把握に、
目に飛び込んできた映像と、
思考回路が、
おいつかなくて、
時間が止まったきがした。


>>・・・つづく




2004年02月01日(日)
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