愛玩人形の抱き方+
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あなたがまだくれるやさしさはまやかしだと、 そう決めたのはわたしで、 だってそう思っていれば、 つらくされた時さほど痛くない、 けれど、 やさしくされた時、 こんなにもわたしは冷えたままで、 いつかのようにあたたまったりは、 しなくなってしまったのでした。
それでも、その感覚はふかふかの毛布のようで、 あたたかくならなくても、いたくないので、 記憶の中から引きずり出した心地良さにほほえんで目を閉じる。
どうしてわたしのこと分かってくれないの。 という言葉の意味は、 どうしてわたしのことを分かろうと努力しているという姿勢を示してくれないの。 だ。
わたしのことを分かってるのか分かってないのかそんなのどうでもよくて、 分かろうとしてくれているかどうか、 そのポーズをわたしに伝えてくれているかどうか。 わたしはどんどん粗雑にあつかわれて、他の女をちやほやしているのを見ずとも知り、 そんなことが許容できるとでも? 都合のいい女にさせられていく。それが真実かどうかなんてどうだっていい、問題は、わたしにそう思わせたこと。
あなたのことは、まだ、尊敬している。 けれどそれ以上に、軽蔑した。憎んだ。眩暈がする。
くやしい。 くやしい。 くやしい。
初めて、心の底からあなたを憎んだ。 愛情の裏返しではなく、また、愛の織り交ざったものではなく、あなたを憎いと思った。
どうしてそこまで自分のことしか考えられないでいられる? あと、たったの数ヶ月、どうして私を尊重してくれない?
あなたに、ここまで強い憎悪を覚えるなんて思ってもみなかった。
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この指にもっと力があれば。 いままでみたいに、優しくそっと目を閉じるようにそう思うのではなく、止まらない震えと叫びを持て余しながら。とまらない。とまらない。憎しみの連鎖。
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