Fly Me To The Moon

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次の季節も  2004年08月31日(火)


夏休み最後の日でしたね。
恵比寿の街を少し歩いたのですが、人がすごく少なくって
お祭りの後のようにすごくさびしかった。


そろそろ季節が変わりますが
季節より先に、課題曲が変わりました。
次の季節もまた、いつもの仲良しメンバーと一緒です。


************



「キーの決定をしますからね。 ワンコーラスずつですから」




歌の先生が、わたしたちに向かって説明する。



「キーがAの人、手上げて?
 1、2、3、4。 じゃあ4人、Ab」 
 

「Gの人? OK。 じゃあ、Fの人は? 4人?」



先生の質問に、自分のキーで手をあげるわたしたち。



「あのね、間奏があいだ4小節ありますからね。
 その間に次の人次の人とドンドン歌ってください」


「じゃあ、Ab組みからいきまーす。
 その後ろにGの人並んで、最後Fの人ね!」



自分で手を上げたキーのグループに並んで
ワンコーラスを一人ずつ歌う。


スイッチのないマイク。
そのずっしりと重いマイクをスタンドからとる。
すごい緊張する瞬間。


すぐ目の前には、じっとこちらを見つめる目。
怖くて目を合わせることができないから
窓の外の遥か遠くにそびえる高層ビルを見ながら歌う。


選んだキーにはOKがでた。
キー的には、「C」 とか「G」 とかメジャーのほうが
歌があかるっぽく聴こえるらしいけど・・・


あまりにも単調な曲なので、リズムのとり方に気をつけないと
童謡になってしまうというこの曲。



「1拍ずつに歌詞を入れるんじゃなくて
 シンコペーションを使ってください」



そうみんなにアドバイスする先生。


裏からリズムをとって前掴みに歌ってくださいって、そう言われて
アドバイスどおりに歌えることができたら
こんなに悩まなくてすむんだけれど・・・


ひとりため息をついて、窓の外に目を移す。
薄い、薄いベイビーブルーの空。


そうか、もう夏も終わるんだ・・・


どんなことでもそうなんだけど
「終わり」っていうのは、やっぱり寂しい・・・




forget-you-not  2004年08月27日(金)


夕食の準備中、冷蔵庫の中の材料を探す。
ガラスの器にラタトゥーユが入っていた。


けれども、それをいつつくったのか記憶がない。
週末前だったのか後だったのか、まったく思い出せない。


「ねぇこのラタトゥーユ、いつつくったんだろう?」


わたしの外部メモリーである夫に聞いてみる。


「火曜だよ」


即答だった、すごい・・・。




自分が調理した日付を他人に訊くという
呆れる質問を再びする。


「そっか・・・、週末前じゃなかった?」



「ちがうよ」




はぁ・・・、わたしが忘れっぽいのは、遺伝だと思う。
まぁ、父親の場合アルツじゃないかっていうぐらいひどいんだけど・・・。
たぶん父は、思い出すのが面倒くさい、っていうのがあるんだと思う。


母が今でも繰り返していうのは、
わたしのことをどこに連れて行っても、そのことを覚えてないから
連れて行く、その甲斐がまったくないという。
・・・、そうかもしれない。


理由はわからないけど
わたしにとって過去を思い出すという作業は
ひどく疲れるのだ。


思い出すことをしないでいたら
いつのまにか思い出すことができなくなっていた、という・・・


そんなわけで、、、


今週初めにあった哀愁男の誕生日を
わたしは忘れていたのだ。


すでに過ぎてしまっているわけで・・・・・・






動かない日常  2004年08月24日(火)


今朝、窓を開けたら秋だった。
吹いてくる風がとても涼しい。


昨日の朝もそうだったかもしれない。
急激な温度変化で、きょうは少し風邪気味。


けれどもアテネはまだ熱い。
連日のオリンピック観戦で、かなり寝不足気味。


好調とはいえない体調。
仕事してる人なら許されないだろうけど
してないので半醒半眠状態で過ごす日。


そろそろオリンピックも終わるだろうし、夏も終わる。
思えば、今年の夏は東京から一歩もでなかった。
所詮、半径数キロのライフスタイル。


東京に戻ってきた友人と会って
帰省から戻ってきた友人と会って


わたしは彼女たちに、「おかえり〜」と言ったけれど
「ただいま〜」とは、一度も言わなかった。


それは日常でも同じ。
「おかえり〜」と言うのがわたしの役で
「ただいま〜」という台詞は、わたしにはない。


わたしの役目はいつも、待つことで・・・


わたしの日常は、、、
どっしりとこの場所に張り付いていて、動かない日常だ。





サマータイム  2004年08月22日(日)


レッスン後、歌の仲間と恒例のお茶をする。



「ヘレンメリルきてたね?」



スコーンにブルーベリーと生クリームをのせながら
彼女がわたしに訊いた。




「帝国ホテルのジャズフェス?」



その質問に、チャイにシナモンとペッパーの
両方をふりながら答える。




「うん。あそこの小林社長がJAZZ好きでやってるらしいけどね」



「でもさ、宴会場を移動して聴きわたるのってどうなの?」



「面倒よね?」



「大きなパーティーもそうなんだけど、会場の移動って面倒。
移動で忙しくてステージ見るの疲れる・・・」



「それもそうだよね。

 あ、そういえばさ、9月にポーギー&べスも来るね!
 わたしチケットとれたから行くの」



カフェオレのカップを片手に、彼女がうれしそうに破顔する。



「あ、いいね。Bunkamura?」 と確認しながら羨ましいわたし。




「うんっ☆」 





ポーギー&べスいきたいかな・・・
サマータイム聴いてみたいし。


そういえば、9月に東京JAZZもありますね。
けれども、歌の仲間たちはこちらには誰も行かないようです。



・・・なぜか・・・




「いつ気づくかと思って・・・・」  2004年08月19日(木)


例の哀愁男がいるだろういつもの所へ行ってみる。
辺りを見回すけど、きょうはいないみたいだ。


どうしようかとしばらくその場で立ちつくして
ショートメールを送った。


そこから立ち去ろう思ったとき
少しはなれたところでこっちを見ている彼と目が合う。



「やぁ」




「え・・・? いつからそこにいたの?」




「いっちゃんが来る前から・・・」




「気づかなかった。どうして声かけないんだろう・・・」




「いつ気づくかと思って・・・・」




迷っているわたしの様子を観察していたらしい。
いったいなんなんだろう・・・、この、お遊びは?




まだ真夏・・・  2004年08月17日(火)


携帯からMaroon5が流れる。
携帯を開く。あゆみさんからだ。

休みをとったので会いましょうという。
そうだった、そんなメールが週末前に来ていたかもしれない。
返事をしないでいた・・・


午後に会う約束をする。


表参道。友人とのケヤキ通りを歩く。


夏休み中の学生らしい人たちが歩いている。
外国からの観光客も歩いている。
英語が聞こえ、韓国語も聞こえる。


すべての店がもう秋物のファッションになっていて
彼女が秋物のスカートを物色しているのをそばで見ていた。


ディスプレイされたブランドファッション。
襟にファーがついたジャケットにロングブーツ。
ショップの中はもう、秋の匂いがする。


そのなかで去年と変わらないものをみつけた。
ブラックのロングマフラーのメンズファッション。
去年、中田がしていたのと同じもので
引きずって歩く、あの長さのやつ・・・
あれ、今年もありなの・・・?


店々のディスプレィを眺めながら青山に向かって歩いて
目的地の店に着くと、その陶器店は閉店していた。
このあいだまではあったのに・・・・
ここ数年、少しの間行かないでいると
閉店してしまう店が多くてがっかりする。


途中で雨も降りだして、目的を失ったわたしたちはそこで別れた。


彼女は銀座に移動するらしい。
わたしはどうしようかと迷ってバックの携帯を見る。


着信4件。メッセージを聞く。どの件も返事をせず、
そのまま渋谷に向かって歩きだす。


通りを歩く女の子のファッションはまだ、露出度が高い。
ウィンドーの向こう側は秋でも、ウィンドーのこちら側は夏。


そう、まだ真夏。




自由気ままな匂い  2004年08月15日(日)


週末。赤坂のホテルロビーで友人と。
毎夏この時期に日本に戻ってくる高校の同級生。


お茶をしながらアメリカのお茶事情を聞く。
アメリカでもだいぶコーヒーがおいしくなってきて
今は、スタバでなく Peets coffee が流行っているとか。


そんな話をしながらも
それぞれの近況を話をしてロビーから外に出た。
少し歩いて近くの日枝神社を参拝。
わたしたち以外にも観光客がちらほら歩いている。
蝉の声でときどき会話がかき消された。
青い空。蝉の声。まだ真夏。


時間がまだあるからと、
境内の石段を降りて赤坂見附に向かって歩く。


このあたりを歩くと懐かしさでいっぱいになる。
3人がOLだった頃を思い出す。
丸の内に移転する前、会社は赤坂にあった。


ああ、このカレー屋さんもなつかしい。
うぁ、Tokyo Joe 's まだあるんだ?
あ、ベルビーもなつかしいね。


通りを渡るたび、街の角を曲がるたびに
昔を思い出すものをみつけては歓喜の声。


単純に懐かしいけど、もうあの頃とは何かが違う。
結婚してわたしたちはバラバラに離れてしまった。
西海岸に。千葉に。東京に。
好きな人にそれぞれついていったんだからしょうがない。


夕食までには戻らないとね、、、と3人が口をそろえて言う。
何かが違う。もう昔のように3人だけの時間には戻れない。


戻らなくちゃいけない時間ができて
戻らなくちゃいけない場所ができて


それぞれが所属するところが違ってしまって、帰るところが違う。


駅に辿りついて、また来年ね、と再会を約束する。
けれども何か物足りなくて寂しい。


地下鉄の階段を降りる途中で
最後にもう一度、地上を見上げ街を見回す。


この街の匂いがなつかしい。


でももっとなつかしいのは
帰るところがまだなかった頃の


あの自由気ままさ、かもしれない・・



Every Inch of You  2004年08月13日(金)


カラダも洗わず
イヤホンをしたままバスタブに片脚をつっこんで
そのままカラダを沈める。


お湯の中で全身を揺すってリズムをとる。
Maroon5 の This Love。歌詞が過激だ。


”この恋に疲れきってしまったんだ
彼女は何度も別れを告げた
僕の目の前で悲嘆に暮れる彼女
他に道はない 
もうサヨナラは言わないよ”


My pressure on her hips
Sinking my fingertips
Into every inch of you
Cause I know that's what you want me to do


”彼女を押すこの感触
君の中に少しずつ
埋もれていく僕の指先
これが君が僕にして欲しいことだって知っているんだ”



想う気持ちが強すぎて
別れる以外どうしようもなくて
別れてもどうしようもなくて
もう過激になるしかない・・・、ってかんじかな


曲にあわせて頭を揺すった弾みでイヤホンが耳からはずれ
お湯の中におちた。


ふと時計を見る。4時過ぎ。汗がすごい。
3時からバスタブに浸かったままだった。


コントレックスが切れていてミネラルウォーターがない。


というかコントレックス、成分変わったみたい。飲みやすいように。
今はヴィッテルのほうがミネラルが高いらしいけど・・・


バスタブから立ち上がって身をかがめて窓の外を覗く。
青い空。白い雲。まだ夏なんだ。


水分も補給できないし倒れそうだったので
しょうがなくバスルームから出た。




すべて終わりに  2004年08月11日(水)


テーブルにつきアイスティーをオーダーし終えると
バックの中の携帯のランプが光っていた。


メッセージをチェック。
Out of Office のAutoReply がそっけない。
自動返信メールだ。


そうだった・・・
あゆみさんがバケーション中だったことを思い出し納得する。


レスするのをやめ、バックから単行本をとりだし
読みかけのページをひらく。
歴史物。


聴いていたMP3の曲がかわったので、ボリュームを上げる。
ロック。


アイスティーを飲みながら歴史物を読み、ロックを聴く。


甘い声のヴォーカル。


”明日もし晴れたら
あの列車にのっかって
誰もいないところへいってしまいたいな・・・
地図にはないところへ”


そんな歌詞を聴いていると、
わたしもこのまま、ここから掻き消えてしまいたいと思った。



このざわついた店内から

この異様な暑さの東京から

この混沌とした世界から



掻き消えて、しまいたいな・・・・



アイスティーに浮かんだペパーミントの葉をじっとみる。
アイスティーの茶色にクッキリとした緑が鮮やかだ。


耳元で鳴り響くロックとは別の遠いところで
Earth's Cry Heaven's Smile のギターの音が切なく鳴り響く。



このまま、、、


このまま成田に向かって、どこか遠くに飛んでしまおうか

それともすべて終わりにしてしまおうか




深海、青、底、イルカ、くじら。  2004年08月09日(月)


日曜。昼の新宿。


ルミネ6F、待ち合わせ用のオブジェのような椅子。
その椅子に座ってメールチェックで時間を潰していると
真正面から元気な声であいさつされる。


「おひさぶり〜!」


待ち合わせたこの人は、わたしと同じ名前の友人。
夏らしいブラックのサンダルにモーヴ色のペディキュアが渋い。


ベトナム料理か和食か少し迷って
結局和食レストランに入る。


色とりどりのきれいな和食料理をつつきながら
お互いの近況を話した。
彼女は水曜から夏休みをとるらしい。



「来週水曜から休みなの。
水曜は六本木のシネコン行こうと思ってる」



「Deep Blue?」



「そう」



いいかもしれない。とても。




涼しい映画館、深海、青、底、イルカ、くじら。




東京のこの暑さから逃れるには、一番いいかもしれない。
前日のサッカーの話をするよりも、ずっといいと思った。


スポーツは代理戦争。
スポーツなのに政治が絡んでるとがっかりしたり
中国に対して怒りを覚えてもしょうがない。
民族性からいって中国の国際化は無理だと思うし。


2国間に昔あった戦争の話とか
これからあるべき理想の国家関係とか


もっともらしい顔をして、


過去と未来をごちゃまぜにしたような
そんな話をするのは無意味だ。


この呪わしいほど暑い東京で、これ以上怒って熱くなるより
それよりも夏休みの話をしていたほうがいい。絶対。


真夏の映画館&ブルーの海底と魚たち。


このほうがいい。
美しいものをみて素直に感動しているほうがずっといい。




その日  2004年08月05日(木)


その日。
重いドアを開けたとき、人差し指のツメが折れた。
ツメが・・・、といって指をみせると
まぁ、大変と言って真っ先に自分のバックから
ネイルボンドを出してくれる優しい人。


その日。
あはは、と笑った瞬間に目にごみが入った。
目にごみが・・・、といって真っ赤な目で言うと
あら、大変と言って
洗面台まで手を引いてくれる人。


その日。
胃がいたくて胃に手をあてながら話をしていた。
それを見て、あら、痛いの?と言って
後ろにまわって自分の手のひらをずっとわたしの背中に当てて
温めてくれながら発声練習をする人。


その日。
これから会うというのに
今日もよろしくね、と毎回メールをくれる人。


その日。
夕食の約束をしたら
それまで何して時間潰してるの?
映画でも観てる?と空き時間を心配してくれる人。



みんな優しい。歌の仲間はみんな優しくて繊細な人。



その日、その優しさに、
わたしは上手く反応できてるだろうか?



え? 

うまく反応しようとして演技過剰になっているって!?








夏はすべてに容赦ない  2004年08月03日(火)


ブラックのエナメルバックに
ブラックのポーチ&パース
ブラックのコームを入れ
ブラックの手帳とブラックの日傘をもって外出。


わたしのバックの中身は真っ黒で
まるでわたしのお腹の中みたいだ。
そう、腹黒い・・・



地下鉄をおり雑踏の中を歩いて教室に向かう。
陽ざしが烈しく容赦ない。真夏。


夏休みのせいなのか女の子の肌の露出度も烈しい。
おへその下10cmもあるだろうジーンズは
骨盤の張り具合まで露見していて真夏の開放感200%!


街を歩く人の露出度の高いファッションを眺めながら
教室のあるビルにたどりついた。


すぐに壁一面の鏡に向かって体操。
つづいて発声練習をひとりづつさせられる。


声がぜんぜんでない。
体調が悪い・・・、きょうだけは許してほしいと思った。
けれども容赦なく何度も発声させられその場を免れない。
できるまでやらされる。


甘かった・・・、先生はみやぶっていて逃げれないなとおもった。
エアコン。不摂生。寝不足。練習不足。


季節のせいにする。全部。




そう、夏のせい。 夏はすべてに容赦ない。






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