琥珀色の時
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2002年05月13日(月) 小池真理子「肉体のファンタジア」

初出誌「青春と読書」は若い人向けの雑誌なのかな、肉体の各部分について少女時代に感じたことから、今の自分の有り様まで様々な思い入れが書いてあります。
骨から始まって、最後は子宮。
とてもエロティックなすてきな文章です。
すこしフェチズムも入ってしまう性的な高揚が各パーツにはあるんですねえ。
美しい鎖骨、細い指などにクラッとする女性、豊かな贅肉、長い髪に溺れる男性、感性の違いも色々あります。
懐かしい映画「あの胸にもういちど」も「指」の所にでてきます。
アラン・ドロン扮する大学教授の親指がマリアンヌ・フェイスフル(彼に恋する人妻)の着ている黒革ジャンプスーツのジッパーにかかるところがとても官能的だったとか、なんかもう一度映画見たくなりますね。
この映画ラストシーンで馬に乗り、モン・サン・ミッシェルへ行くってのありませんでしたかね?アラン・ドロンの一番美しかった頃じゃないかな。
さらに「顔」、そう、自分では自分の眼で確認できないパーツですね、鏡で見る自分の顔が、本当にわたしなのか?友達に鏡の顔の真贋を問うところは、ちょっとホラーです。

装幀は白地に白銀色のFantasiaの文字、シンプルで美しい本です。


琥珀 |MAIL

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