散歩主義

2008年04月19日(土) 暖かくはないよ

ここ二、三日、朝の散歩で出会う人たちと「ひんやりしますね」と言葉を交わしている。
昨日までは激しい雨だったし、風も強かった。で、今日、すっきり晴れたかといえばそんなことはなくて、薄墨の筆が暴れたような空の下、今日は薄ら寒かった。

そんなひんやり加減が嫌いかというと、実は結構好きなのだ。
今朝四時半頃に起きだして、片づけたり珈琲を淹れたりしながら作品のことを考えた40分ほどのひんやりとした静かな時間は、ぼくにとっては素晴らしい時間だった。

いろんな角度から連載小説の次回の風景を描き出そうとしていたら、ビートルズの曲が口をついて出た。作中で響かせてもいいし、この曲のトーンで書いてもいい。

それをメモをしてから、「街函」の製作に移る。今日はまず妹夫妻に贈るためのもの。
23日にロンドンに帰るので、それまでに渡さなくてはいけない。
羽織袴のキースと高島田の妹の写真も添えて準備しておく。

それから岐阜の方へ発送する分の製作を済ませる。

あいまあいまに脳神経外科の先生の書いた本を読む。
脳というのは制約があってこそ動く。「自分のため」というのが一番しんどいし、得るものは少ない。「何をやってもいいよ」というのがとても苦しいのと同様。「誰かのため」に動く方が、実は脳は動きやすいのだ、と。

経験からとてもよくわかる。

それともうひとつ。
「何かをするための『まとまった時間』なんて存在しない」
これは重要なテーゼだ。ほんとうにそうだ。
細切れの時間にどれだけ集中できるか、そしてそれをどれだけ繋いでいけるか、だと思う。



 < 過去  INDEX  未来 >


にしはら ただし [MAIL] [HOMEPAGE]