夜の11時前。ようやくメルマガの明日配信予約が終了した。 最後に一番時間がかかるのは画像のアップロードだ。限度いっぱい近くの大きさにしているのと、動画があるからである。
パソコンの単純作業をしながら、井上ひさしさんへのインタヴュー番組を見ていた。 原稿の書き方について尋ねられ、清書でワープロは使う程度だとおっしゃる。 「使えない」のではない。 井上さんはブラインドタッチでキーボードを操作する。それでもなお、手書きです、と。
そこで出てきたのが「手は記憶する」というゲーテの言葉。 井上さんの発言に職人の手仕事に小説家の文字を書く作業もなぞらえることができる、という意志を感じた。確信しているご様子。
パソコンで、ワープロで打ち込むものはなにも憶えていない、という。 手で書いたものこそが自らに残る、と。
ぼくはここのところずっと二重手間でも、ノートに縦書きで書いてからパソコンに打ち込む。物語が生まれやすいと感じているので。 そして「流れ」が生まれていくのがわかるからだ。 そして日本の字は、やはり縦に流れていくようにできている。
「手は記憶する」 ギタリストやピアニストばかりでなく、井上さんのおっしゃるとおり詩人も小説家もそうなのかもしれない。
とまれ、やりやすいようにやることが一番、というのが基本であることには変わりはない。 なにせ時間というのはそんなに多くは残されてはいないから。
明日、メルマガ届きます。
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