散歩主義

2004年07月26日(月) ツール閉幕の日にパンターニを思う




ツール・ド・フランスが閉幕しました。
この間、この日記で何度か取り上げてきましたけれど、今年はこれでお終い。
ツール観戦の時間が音楽、読書、シッピツに振り向けられます。寝不足も大幅に解消されるかも??

一般の新聞やニュースでも取り上げられたので、ご存知の方も多いでしょう。
ランス・アームストロング前人未到の6連覇。
2位クレーデン、3位バッソ、山岳賞ヴィランク、スプリント賞マキュアン、新人賞カルプテス。
ぼくの好きなヤン・ウルリッヒは総合4位。そして最優秀チームがウルリッヒとクレーデンの所属するドイツのT−mobile。
これでウルリッヒはこれまで参加した全てのツールで表彰台に立ったことになります。これも偉業だとぼくは思いますけどね。

まぁ勝敗はともかく、全力を出し切った後の顔は素晴らしいですね。
みな輝いていました。

ランスは現在34歳。来年走るかどうかはわからないといっています。一番輝いている時に身を退くというのもひとつのスタイルだと思いますが…。

実は同じ年齢で天才といわれた男がいました。その名をマルコ・パンターニというイタリア人。
ヒルクライムに関してはこの男を超える人間はまず出てこないでしょう。
絶頂時にはジロ・デ・イタリア、ツール・ド・フランスをともに制覇するという「ダブル・ツール」もやってのけました。

スキンへッドにバンダナという風貌。そして感覚で走るタイプ。スピードメーターも心拍計もつけない。そんな彼が絶頂期にドーピングに引っかかり、そこから躓き始め、さらになんどか事故にもあい、ゆっくりと駄目になっていくのはわかっていました。だけど自転車で走る以外に何もないような男だから、きっと出てくると思っていたんです。またフラッシュのようなアタックを見せてくれると。
しかし、そんな彼が今年の2月にホテルで薬物中毒で亡くなりました。

生存率2%といわれた癌を克服し、さらにそこから6年連続してツールを制覇したアームストロング。彼が癌と戦っている頃。アルプスをそれこそ跳ぶように走っていたのがマルコ・パンターニでした。
その後もアームストロングとの名勝負をいくつか残しながらも、不調が続きいつしか走れなくなっていったのでした。
うちには昔からのツールのビデオが残っているので、往年の姿を見ることができます。本当に速い。まさに天才としか言いようがない。

ウルリッヒは彼らから4歳年下です。ドイツの生んだやはり天才レーサーとして彗星のようにデヴューしながら、同期にアームストロングやパンターニがいたため、ツールを制覇したのは一度だけ。万年2位といわれつづけています。(それも実はすごいことなんですが)それでもアタックすることを止めない。
それに対してアームストロングは絶対に負けない。

そしてただひとり消えていったパンターニ。
あまりに寂しいです。
彼がホテルの一室でコカインや精神安定剤の錠剤のカラに埋まるようにして発見されたのは、バレンタイン・デイでした。

シャンペンを持つアームストロング。
実はこのあとウルリッヒと長かったツールを振りかえるように、走りながら談笑するシーンが見られました。

マルコ、あんたは一番レースには向いていない人間だったのかも知れないな。
二人を見ながら、ついそんなことを思っていました。


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