散歩主義

2004年02月01日(日) 呼吸

去年に引き続き、京都美術工芸選抜展に行ってきました。
時間があまり無いので、三条高倉の京都文化博物館の開館10時ちょうどにつくように、コルナゴで市内を滑走。

日本画、洋画、版画、彫刻、染織、陶芸、諸工芸、ミクストメディアの各分野からの選抜です。
条件は年齢が35歳以下で、京都を主たる創作活動の拠点としているということ。
今回は各界から156人の推薦があり。40人が選抜されました。

去年に引き続き、というかぼくは絵画ばかり見ていますけど、日本画、洋画が興味の対象。全体の中の最優秀と優秀の賞が設けられていて、今年はミクストメディアがほぼ独占していました。

ミクストメディアとは、それこそ様々な技法のミックス。表現方法は自在の分野です。確かに狙いはわかるし、面白い。「新しい」という観点から見れば、他のジャンルにはない新しさがあるのは確かでした。

絵画部門はだいたい一人の人しか見にいっていないので、全体の印象を言っては悪いけれど、綺麗なんだけれど、ぐっときませんでしたね。
一人の人というのは、竹林柚宇子さん。
この日記を延々と読んでくれている人がもしいるとしたら、去年も彼女の絵のことを書いているはずです。

日本画の方。
今回は2点。「ながれゆく」と「めぐりくる」。竹林さんは人物画が多いんですが、今回は渚に仰向けに寝てこちらを見ている少女の絵が「ながれゆく」。
まるで胎児のように膝を抱えたり、横になっている子供たちの絵が「めぐりくる」。

グレーと白の絵。この絵を見ていて「呼吸」のことを考えていました。
このモデルたちの髪の先から足の先までの姿が、臨済禅の瞑想のいちばん基本、「横になり、力を入れずに全身を伸ばし、眠らずに、腹式で深呼吸をする」
まさにその姿を連想させたからです。
とくに「ながれゆく」のほう。眼がこちらを向いていて背景の白と脚の肌色とが溶け合って、人の気配が消えていきそうな感触。

この「気配が消えていく」というのが、特に「禅」を感じさせたのかもしれません。「めぐりくる」のほうはさらに進んで、横になった子供たちは半分、灰色の中に溶けこんでいます。これから白くなっていく、その前段階のような。

じっと見ていたら、絵の中から静かな呼吸が聞こえてくるようでした。
竹林さんの絵が好きで、京都で出品がある時は必ずいくようにしています。
今回は「めぐりくる」が特によかったです。

で、帰りにリーフレットを買おうとしたら、できていないんです。
2月末にできるとかで、お金を払って予約しておきました。
ま、いろんな分野があって、展示しないと作品にならないものもあるから仕方ないですね。

竹林さん、また素敵な絵をかいてください。

*京都府美術工芸新鋭選抜展2004
2月8日まで。京都文化博物館にて。午前10時から午後6時まで。
月曜日は休館日です。明日はお休みです。
住所は京都市中京区三条高倉です。



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