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2002年09月01日(日) |
『リターナー』を観た |
山崎 貴監督、出演:金城 武、鈴木杏、樹木希林、岸谷五郎 東宝映画 ワーナーマイカルみなとみらい にて鑑賞
11時15分、劇場に到着。 開映は11時35分。 さすがは『映画の日』の日曜日。 チケット売り場の前には、 普段の倍はいるのではと思える程の列ができている。 いつもこのくらいの人が観に来てくれていれば、 劇場も次から次へと潰れなくて済むのに・・・。
私が観る『リターナー』は公開2日目。 ワーナーマイカルみなとみらいで 一番大きいスクリーンを割り当てられているのだが、 私が到着した時点で、席は最前列しか空いていない。 昨日予約しておいて正解だったね。
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日本でもこういうSF映画が作れるんだと、嬉しい驚き。 ハリウッドのVFXを見慣れた目には陳腐な特撮、 そういう作品しか観たことがなかったが、 少なくともこの映画は鑑賞に耐えるものに仕上がっている。
どこかで見たようなカットが多いが、 監督自身がVFXも担当しており、 こういう映像を撮りたいんだという心意気を感じる。 ストーリーは、まあこんなものかなとも思うが、 テンポ良くまとめられているので、楽しめる。 勧善懲悪で分かりやすいし。
この映画に好感を持てるのには、 主演の鈴木杏の演技も大きく貢献している。 まだセリフ回しは上手いとは言い難いが(金城くんと良い勝負)、 アニメキャラのように豊かな表情と、 (微妙な感情表現は今後がんばれ!) アクション的なシーンも無難にこなす身のこなし。 (結構体育会系なメリハリ) もちろん、監督の演技指導はもとより、 カメラマンと編集の勝利かもしれないけど。
脇役では樹木希林が、味のある演技で要所を締めている。 どこかで見たことあるよな、お約束のキャラではあるけれど、 さすがは樹木希林、存在感あり。 悪役岸谷五郎も良いのだが、役作りは分かりやす過ぎか? キレてはいるが、怖さがない。 チンピラ以上に見えないのが残念。
この映画で良いと思ったのは、映画らしい色。 私はこういうざらっとした映画独特の フィルムの雰囲気(空気感)が好きだから。 最近の日本映画で弱いところは、 セットや小物などのいわゆる美術だった。 作り物が作り物にしか見えないライティングと撮影。 この映画ではそういう難点をほとんど感じなかった。 今回はSFが絡んでいたので難しかったと想像するが、 美術スタッフとライティングはがんばったと思う。 また、ロケハンもしっかりやっているようで、 画面の切り取り方も上手いと思った。
それにしても 時々不自然に画面を横切るジャンボジェット機に そういう意味があったとは! 何だろう?と思ってはいたが、監督にしてやられた。
オリジナリティはないけれど、 時間潰しに楽しむには良い映画。
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