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2002年08月30日(金)  『月のひつじ』を観た



ロブ・シッチ監督、サム・ニール主演、豪映画。
文部科学省選定 シネスイッチ銀座にて鑑賞


1969年7月、アポロ11号が月面着陸に成功。
そしてアームストロング船長が月に降り立つ瞬間の
あの有名な映像を受信して、全世界に発信していたのは、
オーストラリアの片田舎パークスの牧草地に建つ
巨大なパラボラアンテナだった。
実話を基に、その田舎町の騒動と受像できなる危機を乗り越えた
模様をコメディタッチで描いている。

原題は"THE DISH"で、このパラボラアンテナの愛称。
邦題は随分違う。
個人的には、なかなか感じが良い邦題だとは思うのだが、
いまいち意味がよく分らない。
一瞬、オーストラリア人はクレーターの影をそう見るの?
と日本の[月のうさぎ]のような連想をするが、
邦題考えたのは日本人だろうから、あまり関係ないか。

作品説明には[月を夢見る名もなき羊たち]という文章があり、
(偉業の陰にいる、知られざるオーストラリア人達という意味か?)
そういうのをタイトルに反映したかったのかも。

チラシは映画の内容をあまり表現していないと思うが、
TVと羊という組み合わせを見ると、
ハヤカワSF文庫の『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』
(P・K・ディック著 ご存知『ブレードランナー』の原作となった小説)
の表紙のイラストを思い出す。
そこそこ良いデザインのチラシだとは思うけど。

オーストラリアのコメディ映画らしく、
爆笑するシーンは少ないが、分かりやすい小さな笑いが
数多くちりばめられている。
パラボラアンテナ施設のスタッフを始め、
その田舎町に住む住民の強烈なキャラが、
充分に楽しませてくれる。
アポロ11号計画の側面的知識も得られるのも好感。

緊迫したシーンもあるのだが、
演出不足で危機感が伝わらず、惜しい気がした。
ここはもう少しハリウッド的な表現があっても
良かったのではと思う。


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