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2005年12月21日(水) ロングテールとパレートの法則

今年、気になった言葉は「ロングテール」である。
ロングテールは、パレートの法則を打ち破った。

パレードの法則とは、「利益の80%は20%の顧客がもたらす」というもので、利益の多くをもたらす忠実で効率の良い20%の顧客にマーケティング資源をフォーカスして、利益をもたらさない80%の顧客には出来る限りコストをかけないようにしましょう、というもの。
これまでパレードの法則はマーケティングの常識、とされてきた。
マーケティングコンサルタントと呼ばれる人々も、この20%の顧客をどのようにして識別し、そこにどのようにアプローチしていくべきか、を議論の中心に据えてきていた。

このパレートの法則を打ち破ったのが、ロングテールであり、GoogleやAmazon、Overture。
Web2.0と呼ばれる企業群。

ロングテールとは、これまでどうでもいい、とされてきたユーザーを商売にする手法である。
今まで利益をもたらさない、と無視されていた80%の顧客を機械化によって取り込む手法だ。

ゴミも積もれば山となる。

今までマトモに相手をするとマーケティングROIを正当化することのできなかったマーケティングを機械化することにより、正当化する。
機械化されたマーケティング。
機械が勝手に営業をするシステムだ。

パレートの法則に従えば、忠実な顧客に対してマーケティング資源を割かなくてはならないのだけれど、ロングテール戦略においては、ゴミ顧客を大量に集めて数で勝負。
当然ながら、人間が営業をしていては、効率が悪いので、機械化。

このサイトにもGoogleのアドセンス広告が表示されている。
アドセンスは、ロングテールの典型例。
Googleの成功の理由は、ロングテールであり、営業、マーケティングの機械化である。

逆に、アドセンス広告を貼っている側から言えば、Googleはアコギだなあ、とも思う。
アドセンスで実際に支払いを得るには100ドル広告収入が必要。
100ドルの広告収入が得られて初めてGoogleからの支払いが実行される。
100ドルの壁を越えて収益を上げられている個人サイトは少ないだろう。
僕の実験によると、100ドルの収益に必要なPV数は6〜7万程度。
僕の場合は何とかなっているけれど、個人サイトで6〜7万PVを稼ぐのは、容易ではない。
Googleは100ドルの壁を作ることにより、アドセンス広告を貼っている多くのサイトにお金を支払っていない。
ゴミ債務、と言えばゴミ債務なのだけれど、ロングテールなので、ゴミ債務でも集まれば、とんでもない金額になる。
6〜7万PVを達成する個人サイトが、どの程度存在するのかはわからないけれど、結果的には、100ドルの壁が破れず、Googleからの支払いが留保されているサイトが多いのだろう、と思う。
しかし、時間の問題で、アクセス数の少ないサイトも何年かかかって100ドルの壁を突破することになると思われるので、Googleには、このゴミ債務が将来的にじわじわと効いてくるはずだ。
Googleは、財務諸表には見えない将来発生するであろう巨額の債務を抱えている。

ロングテールは、これまでのマーケティングの概念をひっくり返した。
機械が勝手に営業してくれる。
全自動資本主義、というか全自動マーケティングというか。
万全の戦略か、というと一概にそうも言えないのだけれど、おもしろい戦略であることには違いない。

Googleの場合は、ネットに閉じたロングテールなのだけれど、これをリアルビジネスと結びつけたらどうなるか?
パレートの法則も死んではいない。
パレートの法則に従い、重要な顧客にはきちんと個別対応する。
一方で、ゴミ顧客に関しては、機械化する。
この両者を組み合わせることができれば、最強のビジネスモデルが構築できる。

!!!!!。

思いついたっ!

続きはまたいずれ。




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