斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
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先日、レーシックの定期検査を受けてきた。 僕は、2年前にレーシックの手術を受けている。
そして、僕の目には、3年間の保証書がついている。
手術後、3年の間に視力が落ちたら、再手術できる、というもの。 保証書のために、年に一回は定期検診が必要なのだ。
検査結果は、異常なし。 良好とのこと。
が、しかしだ。
例によって、暗いところにいくと、ハレーションが強い。 明るいところでは、完璧な見え方なのだけれど、暗いところで光源が多いと、ハレーションで見づらくなる。 僕の瞳孔の周辺に、角膜を切ったときに出来たと思われる「バリ」のようなものができているせいである。 暗いところで瞳孔が開くと、角膜の外周のバリの部分が露出するので、ハレーションが起きる。
通常は、半年程度で自然治癒するらしいのだけれど、僕の場合は、まだハレーションが残っている。 日常生活には、これといった支障はないので、構わん、といえば構わないのだけれど、完璧ではないのが気になる。 特に、夜にクルマやバイクに乗る際にはハレーションは鬱陶しい。 前を走っているクルマのテールランプや信号の矢印が、にじむので疲れるのだ。
視力は問題ないし、ハレーションは再手術でどうにかなるものでもないので、保証の対象外だ。 何とかならんのか?と、医師に聞いてみた。
すると、目薬を処方してくれた。 本来は、緑内障用の目薬だそうだ。 瞳孔をあまり開かないようにする目薬。
夕方にその目薬をさすと、その夜だけに効くらしい。 一晩で効果は消えるので気になるときにさしてください、とのこと。 健康保険対象外の処方なのに、1本150円。 保険外の診療なので、診療報酬のほうが圧倒的に高い。 一般の眼科では処方してもらえないので、診療予約も面倒だ。 とりあえず、2本処方してもらった。
実際に試してみた。 何の刺激もなく、効いてんのかよ、という不安がよぎる。 が、夜になって外に出てみるとあら不思議。 ハレーションがあっさりと消えていた。 瞳孔をあまり開かないようにする薬なので、視界が暗くなるのか、と思ったけれど、視界が暗くなったようには感じない。 光源を見てもハッキリクッキリ。
目薬がなくても、日常生活にはこれといった支障はないので、クルマやバイクに乗る前に気づいたら、さすことにしよう。 こんなに効くなら、10本くらいまとめて処方してもらっておけば良かった・・・。 1本150円なので、10本でも1,500円だ。
ケミカルによって、睡眠時間の自由なコントロールに加えて、眼も調整可能になった。 クスリのおかげで早寝早起きの規則正しい生活。 クスリのおかげで裸眼視力でクルマの運転。
便利な世の中、というか、手術やケミカルで超健康体をキープしている、っていうのもオールドタイプの僕にとっては、まだ少し違和感がある。 メガネもいらないし、生活は規則正しいし、人間ドックの成績はオールAだ。 現在の僕は、一般の人と比較しても医学的には完全な健康体である。 ネットワークによる脳の拡張に加えて、手術やケミカルによる身体調整。 僕の身体の健康は、テクノロジーで保たれている。
保険ではなく、保証書がついている僕の身体。 僕は、どこまでが生身なんだろう。
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