斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
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村上春樹の新作、アフターダークが発売されたので読んだ。
僕たち庶民にとって、「ドラクエ」、「FF」、「村上春樹」は発売日ゲット&速攻クリア、読了が義務化されている。
薄っぺらい内容かつ活字が大きいので、あっという間に読了。
せっかくなので、感想文をamazonのレビューに書いてみた。 僕がamazonのレビューを書いたのは初めてである。 速攻でレビューを書いて送ったのだけれど、ようやくamazonのサイトにアップされた。 amazonはレビュー内容をきちんとチェックしてから掲載しているようだ。 字数が短いとやはり書きづらい。 以下、amazonのレビューに書いた内容。
『★★★☆☆ 村上春樹は既に古典なのか? オクノ総研
かつて村上春樹は時代を超越したところにいた。「アフターダーク」を読み終えた今となっては時代からズレていた、というべきか。僕は「アフターダーク」を読みながら、1,024回ほど「ダサっ!」と心の中でつぶやいた。
「アフターダーク」は村上春樹節が288ページに渡って続く「短編小説」。ジャン・リュック・ゴダールにデューク・エリントン。CDではなく、LPレコード。四半世紀の間、変わらない事が村上春樹。村上春樹は2004年に生きてはいるけれど、彼自身は1980年のままだ。
独特の静謐感は健在。現代の「動」の世界を舞台に「静」を描く。だけど、残念ながら今回はそれが成功していない。時代を超越した村上春樹ではなく、「時代に取り残された村上春樹」がここにはいる。村上春樹は既に「古典」なのか。
村上春樹は1949年生まれ。50歳半ば。現代の夜の渋谷を舞台にした小説を書くには無理がある。「世界のこちら側とあちら側」。若い読者である僕たちは「あちら側」にいて、村上春樹は「こちら側」にいる。文学は残酷だ。
アフターダークはこれまでの村上作品と比較すると難解さはない。すらすらと一気に読める。容易であるが故に、僕は違和感を憶えた。リアルな物語なのに、リアルとの乖離が大きい。
「冒頭の10行めまで」は、★★★★★。
かつての村上春樹に敬意を表し、厳しめの評価。』
■アフターダーク 村上春樹(著) ■海辺のカフカ 村上春樹(著) ■オクノ総研 WEBLOG 2002年09月16日(月) 海辺のカフカ
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