斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
β版
目次 | <<前へ| 次へ>>
「中小企業挑戦支援法」が来月から施行される。 僕のパソコンに「ちゅうしょうきぎょうちょうせんしえんほう」と入力したら「中傷企業朝鮮私怨砲」と変換された。 IME2000はバカなのか天才なのか良くわからない。 たぶん天才なのだと思う。
「中小企業挑戦支援法」とは、貧乏で何の信用もないアホでも株式会社を設立しても良し、という法律である。 本来、株式会社設立には最低でも1、000万円の資本金が必要なのだけれど、この「中小企業挑戦支援法」によって、設立後5年間は資本金が1円でもよし、ということになった。
■法律案の概要
株式会社、有限会社の最低資本金等の商法上の規制に関する特例(新事業創出促進法の一部改正)
(1)商法の最低資本金規制に係る特例を設け、新たに創業する者について、株式会社の場合は1000万円、有限会社の場合は300万円という最低資本金規制の適用を受けない会社設立を認めるとともに、設立後5年間は当該規制を適用しない。
(2)併せて、払込取扱機関の保管証明を受ける義務等を免除するとともに、債権者保護等の観点から、開示義務、配当制限等を課す。
(3)これらの措置により、会社設立時点での資本金の確保など資金集めが創業のハードルとなっている点を大幅に緩和する。設立に係る手続を簡素化することによって、サラリーマンや主婦などが無形財産やアイディアなどのソフトな経営資源によって創業することなどを容易とし、中小企業等の「挑戦」を支援する。
アホな法律だな、と思う。 僕は会社概要を見て、資本金が株式会社として最低の1、000万円だったらその企業を信用しない。 「とりあえず、最低の資本金だけ積んどきました」的な匂いがプンプンする。 「ヤバくなったら、いつでも逃げるぜ」の気合十分と見る。 設備投資が一切いらない会社ならともかく、普通は資本金1、000万円でできることなどたかが知れている。 中小企業というより、零細、場合によってはインチキ企業である可能性もある。 資本金1、000万円でも信用できないのに、資本金30円でも株式会社が設立できてしまうのである。
資本金30円の株式会社を設立する側はお気楽で結構だけれど、取引先はたまったもんじゃない。 資本金30円の企業なんて、普通、信用するか? 取引時にトラブルが起きたら、対処の仕様がない。 恐ろしくて、取引なんてしない。
また例によって、学生のクソベンチャーが乱立し、資本金30円のくせに「最高経営責任者」などと名刺に刷り込み、合コンで配って回るのだろう。 で、デートの時などに飲食店でワザワザ領収書をもらい「僕の会社の経費で落とすから大丈夫だよ」などとホザくのだろう。 時給800円のコンビニのバイトくせに、コンビニの店長に「バイト代は節税のために、僕の会社経由で振り込んでください。経費とか計上できますし」というおバカが続出することだろう。 おい、そこのお前、お前の年収は基礎控除を含めると課税最低限度額より、ずーーーーーっと低いんだから、そもそも税金なんて払わなくてもいいんだよ。
とか言いつつ僕も株式会社を作ってみようかな。 で、名刺を刷って配りまくったり、領収書をもらいまくったり・・・。
■中小企業挑戦支援法(中小企業等が行う新たな事業活動の促進のための中小企業等協同組合法等の一部を改正する法律)案の概要(中小企業庁) http://www.chusho.meti.go.jp/hourei/14fy/021025chousen.html
目次 | <<前へ| 次へ>>
|