2005年05月13日(金) |
環境経済委員会〜鵜野森斜面緑地〜 |
昨日、急遽、環境経済委員会が開かれました。議題は標記に関する陳情の審査です。2,000名を越える方の署名が伴って昨年度議会に提出されています。3月定例会で審査した結果、継続審査になっていたものです。
内容を掻い摘んで記すと・・・
○市内鵜野森地区の境川沿いに緑地帯の斜面地がある。 ○市街化区域に残された少ない自然地と位置づけられる。 ○同地区には稀少種とされる苔等がある。 ○近隣住民が保全に向けた様々な活動を行ってきた。 ○過去に宅地開発が計画されたが留意された経過あり。 ○一部を市が買い取り、大野中地区公園として整備予定。 ○その後、転売され新たに開発計画が持ち上がる。 ○市内の緑地帯は購入よりも地権者の協力により保存してもらうのが方針。 ○近隣住民が市に買い取りを要望。 ○議会への陳情。3月議会で継続とする。 ○地権者が開発に向けた申請手続き準備を開始。 ○最短で、5月末に開発許可となる見込みにより議会で再審査。
自然や緑地は誰もが守りたいと考えます。一方、財政難の市では買い取りは市内全域で少しづつしか出来ないのが現状。よって、地権者に協力いただき保全に務めている。(実際、市内に多数あり) しかし、地権者が開発等を行うことは市街化区域である以上、手続きに瑕疵がなければ可能です。
広大な土地を買い取ることは以後の活用計画も出来ていないと有り得ないし、各地で同様の事が起きる可能性がある以上、正直、難しいのが現状です。そして、議会も市と同様に「買い取れ」と決めることも出来ずにいた訳です。
ところが、「買い取るのも選択しの一つ」と同委員会での助役答弁。大きな方針転換です。理由は「人口増かや公共施設が多数ある地域であること等を総合的に判断した結果」だとか・・・。一方、「特例」とは言明せず、「市全体の方針転換ではない」とのこと・・・。
従来の方針転換や政治判断をすることは何等問題ないと考えます。しかし、その位置づけについては明確にしなければなりません。いち地域でなく市内全体を考えてです。それがないとなし崩しになるのは明らかです。大変、危険なことですし、公明正大な市政運営とは言えなくなるのではないでしょうか。苦渋の判断なのは解りますが「総合的な判断」だけでは片付けることはできません。
このような書き方をすると、地域の方に誤解を受けるかもしれません。が、非常に大切なことだと思っています。無論、緑地が維持されることを望んでいることには違いないのですが。
ですが、一番ダメなのは私も含めた議会全体であることが改めて解りました。本当に自分が情けないです。
本来、このような決断は議会が行うべきです。しかし、今回も決断できませんでした。 穿った言い方をすると「自らは決断できなかったが、市行政が行うというのだから見守ろう」です。本当に議会としてこれで良いのでしょうか・・・。私は、そうは思いません・・・。
委員会閉会後、傍聴に来ていた地域の方に「良かったですね」的に話していた議員がいました。「自ら(議会)が決断せずに他(行政)に決断させる責任逃避をして」本当に、それで良いのですか・・・?
結果は「買い取る」「買い取らない」どちらにしても議会としての決断を行うべきであったのではないかと・・・役割を果していないのでは・・・と深く深く反省をしています。
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