2004年10月23日(土) |
キャンプ座間への米陸軍第一軍団移転についての要請 |
米軍の世界規模での再編成(トランスフォーメーション)に関連して、日米両政府でも協議が始まっています。我々相模原も大きく関係することであります。キャンプ座間へ米陸軍第一軍団司令部が移転してくると言われています。 これについて、10月13日に相模原市長と座間市長が中央政府に対して要請活動を行いました。少し遅くなりましたが、全文を掲載します。
キャンプ座間への米陸軍第一軍団等の移転問題に関する要請
このたびの、米軍再編に伴うキャンプ座間への米陸軍第一軍団司令部、沖縄海兵隊等の移転構想に係る問題に関しては、これが事実とすれば、基地機能の強化・恒久化に繋がるため、相模原・座間両市としては容認できない旨、再三にわたって政府に申し入れてきたところであり、貴職におかれましては、十分ご認識いただいているものと受け止めております。 本件に関しては、連日おびただしい量の報道がなされております。これに対して、名前が挙げられた当の基地地元市として、機会あるごとに、政府に事実の確認を求めておりますが、「米側からの正式な提案はない」という、毎回同じ答えで、具体的な情報の提供をいただけない状況が続いております。このような国の姿勢に対し、両市市民の不信感は募るばかりであります。
こうした中、先般、小泉首相の「沖縄以外(の自治体)も、少しは責任がある対応をしてもらう」という発言が伝えられました。これは、沖縄に所在する基地の本土移転についてのみを言及されたものか、あるいは、「米側からの正式な提案はない」とされる米陸軍第一軍司令部等の新たな部隊を含むのか、また、国内全ての自治体について言及されたものかどうか不明でありますが、いずれにいたしましても、両市に限って申し上げれば、戦前戦後を通じ、70年近くの長きにわたって広大な基地を抱え、十分過ぎる責任を果たして来たと申し上げて過言ではありません。 国の防衛・安全保障については、国民の一人ひとりが、そして、全自治体が自らの問題として受け止め、共有すべき重要解題であると認識しております。そのためにも、沖縄県や、相模原・座間両市のような特定の自治体に基地が偏在している現状は、早急に改善されるべきものと考えます。 報道の中には、キャンプ座間への第一軍団司令部等の移転を是認する声も一部ございますが、これらは基地を抱える自治体の痛みや市民の不安などへの配慮を欠いた発言であると言わざるを得ません。基地の位置付けが高まり、機能が強化されるということは、すなわち、基地が恒久化し、両市及び両市市民が長年求めて来た基地返還の望みが絶たれることに外なりません。
私どもは、日々市民の生活を守り、そして、次世代に誇れるまちづくりを進めていく重大な責務を負っています。首都圏の人口密集地域に、かくも長い間、基地が固定されねばならない理由は、那辺にあるのでしょうか。いま政府に求められるのは、このような現状の検証と見直しを早急に行い、基地の整理・縮小・返還への道筋を示すことであると考えます。よって、両市としてはここに改めて反対を表明するものであります。 貴職におかれましては、こうした両市の実情及び両市市民75万人の意向を十分に斟酌賜り、今後の米側との協議に望まれるよう、強く要請します。
平成16年10月13日
外務大臣 町村信孝 殿 防衛庁長官 大野功統 殿 内閣官房長官 細田博之 殿
相模原市長 小川勇夫 座間市長 星野勝司
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