お見舞いの日が近づくにつれて…。
あたしはなんだか少し怖くなった。
あたし 彼のこと支えられる?
もし 彼とお父さん 殴り合いとかになったら どうしよう…。
まだ彼もお父さんのこと受け入れられてないのに…
お父さんが彼のこと拒否ったらどうしよう…。
色んな不安が渦巻いて 落ち着かなかった。
けど あたし以上に不安なのは彼。
朝。
いつもなら起きたとき 家を出るときに連絡があるのに何の連絡もない…。。
きっと落ち着かないだろうから 彼は早めに来るんじゃないかって思ってて。
だから早めに用意して連絡待ってたんだけど…。
あれ?
こんな日に寝坊するとか…
そんな彼の神経は図太くない…
なんか心配になった。
電話しても メールしても 連絡つかなくて…。
しばらくして メールが着た。
実はもう着いてる。 と。
落ち着かなくて 早目に家を出て 今は気持ち落ち着かせるためにスロットやってると。
やっぱり…。。
けど あたしには頼ってこなかったこと なんか少し寂しく感じちゃった。。
待ち合わせ時間より早く彼に逢った。
複雑な表情をしている彼。
彼は…
やっぱり行くのやめようかな…。
そうつぶやいた。
あたしは…
せっかく逢うって決心したんだから 顔見るだけでもいいから行こう?
彼は…
うーん。。 とりあえずメシでも食いに行こう。
ゴハン食べに行って。
コンタクト作りたいと言いだして コンタクト買いに行って。
なかなか病院に向かおうとしない彼。
今どういう状態か分からないから 食べ物はよくないかもだから…。
お見舞いに花買いたいなぁー。ってあたしが言って。
花屋サンに行った。
元気が出るように ビタミンカラーでアレンジメントをしてもらった。
時間も夕方近くになって…
花も買ったから彼も行くしかないって思ったみたいで…
やっと病院に向かうことになった。
やっぱり今日の彼はいつもと違う。
そりゃ… 緊張もするよね。
逢うのを迷ってた もうひとつの理由は…
きっと変わり果てた姿になってるんじゃないかっていうこと。
記憶にある殴りあうくらい元気なオヤジじゃなく
きっと今はもう弱って管に繋がれてるかもしれないって。
そんな姿見るくらいなら 元気なオヤジのままの記憶の方がいいんじゃないかって。
彼のキモチも分からなくもないんだけど…。
でも後悔だけはやっぱりして欲しくなくって。
なんか逢うことをすすめた責任も感じてた。
2人共落ち着かず タバコをぷかぷか…。
彼はあたしの手をずっと握り締めてた。
いつも落ち着いてる彼だけに 彼のキモチが伝わるだけに
どうしていいか分からなくなった。
そうこうしてると 病院に着いた。
しばらく車から降りない彼。
タバコを吸って キモチを落ち着けてから 車を降りた。
受付けで病室を聞いて…。
オマエはちょっとここで待ってろ。
とりあえず 部屋がドコか俺が確認してくる。と。
しばらくして彼が戻ってきた。
そして… 彼の目に涙が溜まってた。。
潤んでた。。
そんな彼の姿を初めて見たから あたしはすごく動揺した。
彼はホントに泣かない。
小さい頃泣き虫で そのトラウマからか 今は泣かないし 感動してなくとか 悲しくて泣くとか 大人になってしたことないって。
もし泣くとしても人前で泣くようなことはないと思う。
そんな話を聞いてただけにビックリ…。。
オヤジいたよ。
けど 寝てるようだった。と。
オヤジ小さくなってた。
顔は見れなかったよ。
すぐ病室出てきちゃった。と。
このまま帰っちゃおうかなー。って言う彼。
もしホントに寝てるんだったら 意識がないような感じなら
お花だけ置いて 手紙書いて帰ろうか。とあたしは彼を説得。
じゃぁ オマエも一緒に行こう。って。
病室に行ったら お父さん起きてました 笑
おぉ! と… お父さん。
かなりビックリしてました。
彼はこいつ俺の彼女だから。とあたしを紹介してくれて。
あたしも初めまして。と。
あたしに椅子を出してくれて 彼はお父さんのベットに腰をかけ…。
話始めた。
お父さん 久しぶり過ぎて 彼のこと分からなかったみたい…。
オヤジ 息子の顔もわかんねぇーのかよ。 と彼。
分からないっていうより 来てくれるって思ってなくってビックリしたみたいだけど。
退院したら逢いに行こうと思ってた。 とお父さん。
色んな想像してただけに あたしはホッとした。
彼が頑張ってる感じだったけど 普通に話できることにすごく安心した。
お父さんは相当うれしかったみたいで ずっとしゃべりっぱなしで。
彼も大人の対応をちゃんとできてたと思う。
昔話なんかをしてて そうなんだぁーと あたしは微笑ましいなぁーって見てた。
けど 彼はすでに帰りたそうで…。
お父さんの話を切り上げようとしてるのが見てて分かった。
そしてお父さんの話を遮るように
じゃぁ そろそろ帰るから。 と彼が言って。
お父さん 寂しそうな顔をしてた。
けど それを振り切るように…
彼は立った。
あたしは慌てて椅子を片付けて…。
お父さんに挨拶をして 彼のあとを追った。
|