彼女のことを知ってから。
あたしは もう落ちるトコまで落ちるしかないって
すべてが投げやりになってしまった。
彼に逢うキモチにもなれず…
だからといって じゃ さようなら とあっさりできるはずもなく…
1人でぐるぐると同じとこを行ったり来たり…。
浮き沈みもいつもに増してひどかった。
彼からの電話では もう別れる! 最低! ばっかり言いつづけてるあたし。
だって 絶対そんなことする人じゃないって思ってたんだよ!
信じてたんだよ!
同じとこで立ち止まってるあたしに。
彼は 逢って 顔が見て ちゃんと話したいんだ。
ちゃんと俺の話を聞いて欲しいんだ。
ななに逢いたいんだ。 と。
でもやっぱり逢う気になれず イヤだと拒否り続けてるあたし。
そんなあたしに彼が強引に日にちを指定してきた。
絶対この日空けとけよ。と。
そう言われるとあたしが弱いのを知っていての行動だと思う。
そして 今日 逢って来た。
逢ったら 彼の顔見たら きっと泣いちゃう。
そう思ってたけど
普通に彼に逢うことができた。
けど やっぱりいつもと違う空気。
あたしも作り笑顔。
いつもは手を繋いで歩くのに 彼と距離を置いて歩くあたし。
彼はあたしの腰に手回したり 手繋ごうとしたり…
けど あたしは頑なに拒否り続けた。
そんなあたしに悲しそうな顔をする彼。
とりあえず メシ食いに行こう!って。
何度か行ったことあるお店へ。
そこでもやっぱり微妙な空気…。
あたしはなるべく明るく振舞おうって 作り笑いしながら話す。
彼はたまに神妙な顔をしてタバコをぷかぷか。
あたしもいつもよりタバコがすすんで 2人でぷかぷかと。
彼はあたしが泣いちゃうと思って。
だから2人だけで話ができるカラオケに行こうと連れていかれた。
部屋に入って ちょっと沈黙。
そして彼がしゃべり始めた。
こうなってしまったことの経緯。
謝罪。
あたしへのキモチ。
これからのこと。
あたしは彼の話を黙って聞いた。
何故か涙は出なかった。
一通り話したあと 彼はあたしのことを抱きしめた。
本当にすまないと。
ななのこと大好きだから ずっと一緒にいたいと。
ななのことを失うのが1番怖くて 言えなかったと。
彼女と同じ会社だから やっぱり気まずいし
転職決まったら そのとき別れようと思ってたと。
不謹慎だけど ななにバレてホッとしてる。と。
ずっと隠し続けるのは無理だと思ってたと。
だからバレて安心した部分があるって。
ずるいよね。
あたしにも彼女にもバレずにうまくやろうとしてたんだもん。
それよりなにより 彼のやり方がキライだった。
彼女とこのまま距離置いて フェードアウトしていこうとしてたのだ。
だからメールも返事したり しなかったり。
そうやってどんどん距離置いていってたって。
2人っきりでなんてずっと逢ってナイって。
今 何を言われても 信用できない。
あたしはそうとしか言えなかった。
彼は時間かけて 信用してもらえるように頑張るって。
あたしとあんだけ逢ってて 彼女と逢う暇なかったこと
あたしが1番わかってるんだけどね。
あたしのこと1番に考えてくれてたこともわかってる。
だけど やっぱり許せないよ。
あたしがハルの存在を伝えたときに
やっぱり彼にもちゃんと伝えて欲しかった。
そうしたらこうなってなかったよ。
あたし達が付き合うこともなかったのに。
なのに なんでこうなっちゃったんだろうね。
久々に夕方から2人で飲みに行った。
睡眠不足だったりしたせいか 2杯であたしは歩けないほどに酔っ払った。
そんなあたしを彼はすごく心配して。
あたしを送ってくれて 酔いが覚めるまで ずっと一緒にいてくれた。
つまんないワガママをいっぱい言って いっぱい彼のこと困らせた。
結局 何も答えは出なかった。
そして なんとなくよりが戻ってしまった。
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