生きる。を消費する

2002年10月11日(金) 思い出話

かおるさんの日記に人に嫌な想いをさせる患者さんの話があった。

祖父のことを思い出す。
私は祖父が入院するたび憂鬱だった。
祖父は家族に対してもそうだが、こと看護婦に対する態度は見ていられないくらいであった。「おい、おい!」「ちょっとあんた」と看護婦を呼び、ちょっと何か失敗しただけで「まったくここの奴らはバカばっかりだ」などと悪態をつく。

おじいちゃん、この人達はね、おじいちゃんの病気を治すために居るんだから、そんなこと言っちゃダメだよ。

その言葉をグッと飲み込む。
そう、私だって「能なし」と怒られるのが怖いのだ。

今思えば、祖父は何となく死ぬのが怖かったんだと思う。
だからたぶん看護婦の格好を見るだけで不安になっていたのかもしれない。

それに気付いたのは、死ぬ1ヶ月前だった。
明治生まれの頑固じじい(それも下町育ち)だから、弱音は吐かないがすごく寂しかったんだと思う。よくがんばったね、家族が同居してたとはいえ奥さんと子供に先だたれ一人で寂しかったでしょ。
大好きなおじいちゃんがもう居ないと思うだけで寂しいけど。
でももう大丈夫。

1年弱経ってやっと言えるようになりました。
おじいちゃん、どうもありがとう。







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