***☆For My Dearest☆***



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男でも女でも関係ない。1人の人間として。
そうるはあたしにとって。かけがえのない最愛の人。

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2006年06月10日(土)笑うのも泣くのも。

いつもの帰り道。あたしが涙目になったのは。
これといった難しい理由があったわけじゃない。

だいたいあたしは。もともと感傷に浸りやすいし。
人がそんなことでいちいちうっとりすんなよって思うようなことで。
ありえへんほどぽーっとなって。どっかの世界に行ったりするわけで。

今日にしたって。別にたいしたこと考えたわけじゃない。

ただ。帰り道に見た三日月がキレイで。
真っ暗な空にぼんやり灯る明かりがキレイで。
細くて折れそうで。でも柔らかいその光を見てたら。
なぜかすごく優しい気持ちになれて。

そしてふと。夏に蛍を見に行こうかと言ったそうるを思い出した。


都会暮らしのあたしに比べて。
この春からちょっと田舎に住んでるそうるは。
「なんか名所とか探しといてやー。」と言うあたしに。
「見たら分かるやろ。なんもないやん。」って言った。

確かにそうるの家の近所は何もないところで。
のんびり穏やかなあたしの実家周辺といい勝負って感じで。
生活するには十分でも。見所なんて探すのはだいぶ難しそうではある。

それでもしつこく。どっか行きたいと繰り返してたあたしに。
そうるはある日。「ほんじゃ蛍でも見に行く?」と言ってきた。
あたしは途端に。テンション最高潮でまくし立てた。

「蛍?!蛍見れるん?!」
「みたいやで。なんか隣の山が名所らしい。」
「まじで!見たい!めっちゃロマンチックやん!」
「ロマンチックかは知らんけど、けっこうキレイらしいで。」

ほわほわ。あたしの頭の中で広がる空想ワールド。
夜の暗闇の中で。ぼんやり光るたくさんの蛍。
そうると一緒に浴衣でも着て。手をつないで。
優しい光の中を歩きながら。2人してだらしなく笑ってる。

やばいー。めっちゃ幸せだ。かなり好きな感じ(笑)。

盛り上がった後で静かになったあたしを見て。
そうるは笑いながらぺちっと後頭部を叩いてくる。
嬉しいくせに。あたしはまたきぃきぃ言ってしまう。

「もーなんやねん。痛いやんか。」
「もーにやにや笑いなや。きもいし。」
「きもいゆーな。もとからこんな顔やの。」
「あーそうやったなー。そりゃ失礼。」

最高に憎たらしいそうるの顔を見て。
どっちがにやにやしとるねんって思うけど。
たぶん目の前のそうる以上に。あたしはにやにやしてる。

それが分かるから。嬉しくて。悔しくて。この胸はまた泣く。


ねぇそうる。あんたに向かうこの気持ちは。
こんなにも容易くあたしの心を緩めてしまう。
ほんまだらしなくにやにや笑えたりするし。
人目のある帰り道でも涙が溢れたりする。

こんなにも幸せで思いっきり笑えるのに。
こんなにも簡単に泣けてもくるんよ。
愛しいってなんやろう。ほんまたまらん。この感情。
どこまであたしを支配したら気がすむんやろう。

何よりも穏やかやのに。何よりも強い感情。
それがたぶん。あたしのあんたへの想い。
これまでも。これからも。きっと永久に続く想い。

あんたのあたしへの想いも。そうであってくれればいい。





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