***☆For My Dearest☆***



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男でも女でも関係ない。1人の人間として。
そうるはあたしにとって。かけがえのない最愛の人。

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2004年02月17日(火)消せない痛み。

そうると一緒に暮らし始めて。幸せなことだらけやった。
ただ好きな人のそばにいられることが。こんなにも自分を満たすこと。
あたしは今まで。ほんまの意味では知らんかったんかもしれんと思った。

「ただいま」も「おかえり」も。
「いってきます」も「いってらっしゃい」も。
「おはよう」も「おやすみ」も。
やばいくらいくすぐったくて。にやけまくってた。

同じ食器を使うこと。
色違いの歯ブラシを並べること。
洗濯物が一緒に風にそよぐこと。
そーゆう小さなことが。ひとつひとつ心に沁みた。

そうるが好きなんやと思った。大切なんやと思った。
毎日毎日。抱えきれんほどの愛を思い知ってた。

雑誌会の日。久しぶりに早く終わったからって。
たまには外でごはん食べよっかーって誘ってくれた。
「最近ちょっと胃が荒れてるんよなぁ。」とか言って。
軽くうどんをすすっただけやったけど。あたしには十分やった。
胃が荒れてるとか言うくせに。店に入ったらてんぷらまで注文して。
「なんか食べたくなってんもん。」って笑うそうるがかわいかった。

バレンタインは。帰宅こそ深夜やったけど。
なんとびっくり。ちゃんとチョコを持って帰ってくれた。
「すっかり忘れててん。こんなんでごめんや。」とか言って。
くれたのはコンビニで買ったやつやったけど。本気で嬉しかった。
あたしの用意してた生チョコと自分のを食べ比べて。
「あーやっぱコンビニの味やなー。」って笑うそうるが愛しかった。

幸せなんていっぱいある。たぶんどこにでも落ちてる。
それを見つけるチカラが。自分にあるかどうかなんやと思う。
大丈夫。あたしはあたしの幸せを見失ったりはせーへん。

そう思うけど。今日はちょっとだけ辛い日。


2月17日。あたしはまた痛みを思い出す。
胸の奥にある小さな傷が。ちょっと疼くのを感じる。
最悪やと思う。しつこいと思う。情けないと思う。
もういい加減にしろよって話やとも思う。
でもあたしは。どうしても忘れられへん。

あの日感じた痛み。押しつぶされそうな痛み。
そうるの照れた声。あたしの無理した笑顔。
失うのがこんなに辛いなら。好きにならんかったらよかった。
なんでこんなに苦しいのに。嫌いになれへんのやろう。
そう思って。ひとりで声を殺して泣いたあの日。

こんな痛い日が。あたしにはいくつかある。
そして悲しいことに。そーゆう痛みほど忘れられんかったりする。
あたしとそうるには。幸せなことの方が多いはずやのに。
幸せを見つけるのが得意なあたしやから。間違いなくそうやのに。
痛みの方が記憶に残るってのは。どうしてなんやろう。


ねぇそうる。あんたにはもう何も言わんけど。
あたしは今朝。ふと思い出してもた。
「もー眠いわー。あと4日で提出とか無理やー。」って。
いつもみたいに文句言いながら。出て行くあんたの背中を見て。
やわらかい幸せと同時に。苦い痛みを覚えた。

幸せ探しが得意なあたしやけど。
それにどっぷり浸りきることはできんくて。
いつだって10%ぐらいは不安がある。
それはきっと。喪失と言う名の恐怖。
いつかの痛みが。あたしに深く刻み込まれてる証。

あたしだけじゃない。愛し合う2人になら必ずあるもの。
相手が愛しいから。失いたくないと思うのは当然のこと。
そう思う反面。なんで未だにこんなに痛いんやと思ってまう。
世間の恋人はみんな。こんなに苦しいもんやろうかと思ってまう。
あたしって。ちょっとおかしいかもしれんと思ってまう。

ねぇそうる。あんたは知ってるかな。
目の前で笑うあんたを見ながら。泣きたいぐらい切なくなるあたしを。
もう疑ってるわけじゃないし。乗り越えたはずやのに。
いつかあんたが消えそうな予感を。未だに拭いされんあたしを。

そうる。あんたはちょっとぐらい知ってるんかな。





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