***☆For My Dearest☆***



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男でも女でも関係ない。1人の人間として。
そうるはあたしにとって。かけがえのない最愛の人。

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2003年12月05日(金)真夜中の涙。

昨日の夜。ふと目が覚めた。
携帯を見たら3時半で。外はまだ真っ暗やった。
そうるを起こさないようにベッドを出て。キッチンに向かった。

冷蔵庫を開けて。ミネラルウォーターを飲んで。
すぐまた寝ようかと思ったけど。あんまり眠くなくて。
しょーがないから眠くなるまで起きてようと思った。
上着を羽織って。ベッドにもたれて座って。ぼんやりしてた。

暗闇の中で。時計の針の音だけが聞こえて。
ちょっと心細くなって。振り返るとそうるの寝顔があって。
せっかくやから。久しぶりに見つめてみるかーとか思った。
でも静かなその寝顔を見てたら。楽しむつもりが苦しくなった。

愛しいなぁ。大切やなぁ。幸せやなぁ。
そんなことを思ううちに。どんどん苦しくなった。
そうるとあたしは。いつまで一緒にいられるんやろう。
もしそうるがあたしの前からおらんくなったら。
あたしはいったいどうなるんやろう。

失いたくないなぁ。手放したくないなぁ。
そう思ったら。涙がじんわり溢れてきた。
もしもそうると一緒におれんくなったら。
ある日突然そうるがあたしの前から消えたら。
そんなことを考えてもて。いきなり怖くなった。
眠ってるそうるを揺り起こして。抱き締めたくなった。

そうるはここにおるのに。なんでこんなに怖いんやろう。
考えるうちに。あたしはひとつのことを思い出した。

それは去年の夏。突然やってきた友達の死やった。


彼女は。高校時代の友達やった。
クラスも部活も別やったけど。共通の友達を介して仲良くなった。
一緒に自転車で帰ったり。カラオケでバカ騒ぎしたり。
くだらんことで笑い合える大切な友達やった。

高校を卒業してから。ずっと連絡をとってなかった。
どうしてるんやろうと思い出すこともなかった。
悲しいかな。あたしの毎日は忙しくて充実してて。
彼女のことは完全に記憶の彼方に追いやられてた。

彼女の死は。友達からのメールで突然告げられた。
車と自転車の交通事故で。彼女は完全な被害者やったこと。
意識不明の重体が数日続いた後で。帰らぬ人となったこと。
そんな事実のみが淡々と綴られたメールやった。
たぶん送ってくれた友達も。まだうまく受け止められてへんかったんやろう。

あたしはびっくりしすぎて。声も涙も出んかった。
その場にもえかが一緒にいたけど。2人して呆然としてた。
彼女とは何年も会ってなかったから。全然実感が持てんかった。

ただ同年代の友達が事故で死んだという事実で。
「死」というものを。初めて身近に感じた。
普通に年をとって。眠るように死を迎えるのが当然と思ってたけど。
生き続けていけることは。当たり前じゃないんやって思った。

どこかで何かが間違えば。あたしも消えるかもしれん。
あたしだけじゃなくて。あたしの大切な人たちも消えるかもしれん。
そう思ったとき。あたしの頭に真っ先に浮かんだのはそうるやった。
バイクで事故って。真っ赤な血に塗れるそうるが。脳裏をよぎった。

途端に怖くなって。全身が震えた。背筋が寒くなった。
ありえへん。そうるがおらんくなるとか。ありえへん。
そうるを失ったら。あたしは本気でどうにかなってしまう。
どうしよう。どうしよう。そんなこと絶対にあったらあかん。
あかんことやけど。可能性はあることなんや。
ぐるぐる考えるうちに。気分が悪くなって倒れそうになった。

友達の死を知って。その日のうちにそうるに会った。
話すうちに感情が高ぶって。あたしは泣いた。
「お願いやから死なんといて。」って。
「あんたが死んだら生きていけへん。」って。
安っぽいドラマみたいなセリフを。大真面目に吐いた。
どうしても言わずにはおれんかった。

そうるはあたしの話を。真剣に聞いてくれて。
泣き出したあたしを。ちょっと困ったように見つめて。
「じゃああんたも死なんといてな。」って。
「約束とかできるもんじゃないけど。約束な。」って。
やわらかい笑顔で。優しい声で。言ってくれた。

そうるは忘れたかもしれんけど。あたしは今でも覚えてる。


そんな夏のことを。ふと思い出しながら。
目の前で眠る愛しい人を見つめてた。
失いたくないなぁ。手放したくないなぁ。
そう思うと。やっぱりどうしても涙が溢れた。
眠るそうるを起こさんように。口元を押さえて泣いた。

あたしは確かに幸せやのに。そのせいで何かが怖い。
幸せを手に入れてしまったから。それを失うのが怖い。
そうるはここにおるのに。あたしのそばにおるのに。
なんでこんなに怖くなるんやろう。なんでこんなに涙が溢れるんやろう。


ねぇそうる。あんたを思うとね。
あたしはこんなにも簡単に泣けてくる。
静かに眠るあんたの横で。苦しくてたまらんくなって。
祈りにも似た思いで。あんたの名前を呼んでる。

ねぇそうる。なんでこんなに愛しいんやろう。
ねぇそうる。なんでこんなに悲しいんやろう。
なんでこんなに嬉しいのに。なんでこんなに苦しいんやろう。
あんたを好きになってから。あたしはいつだってこんな感じ。

自分でも説明のつかん思いが。あたしの中で渦巻いて。
容量を越えてまうから。後から後から涙になる。
ぽたりぽたり。落ちていく涙の雫。
1滴1滴に。あんたへの愛が詰まってる。
涙はいつか乾いて。跡形もなく消えるけど。
あたしの中では。変わらずにあんたへの思いが溢れる。

ねぇそうる。生きててくれてありがとう。
あたしと出会ってくれて。あたしを見つけてくれてありがとう。
でももうひとつだけお願い。お願いやから死なんといてね。
あんたと離れたくない。あんたを失いたくない。
わがままなあたしは。ついあんたにも多くを望みがちになるけど。
ほんまはあんたが生きててくれれば。もうそれだけでいい。

その先の幸せは。あたしが守っていくから。





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*追加*
この日記を書きながら。ある曲を思い出しました。
最近聞いて。やっぱり泣かされた曲です。
あたしの今回の状況とすごく似てて。
あぁこれはもう載せるしかないなーと(苦笑)。
優しいメロディーラインがたまらない曲。お勧めです。

あーしかし。槇原敬之。やっぱり好きやなぁ。

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真夜中に目が覚めた
月明かりは横向きの
君の寝顔を照らして

あまりにも青白くて
冷たそうに見えて
息もしてないように見えて

「もし君が死んだら」
あるわけもない事だと
今までは思いもしなかったのに

君を見ていたら涙が
あふれて あふれて 止まらなくなる
馬鹿みたいだと 自分で笑いながら

それでもまだ涙が
あふれて あふれて 止まらなくなる
頼むから一緒に 長生きしよう

長生きしよう / 槇原敬之 より一部抜粋

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