***☆For My Dearest☆***



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男でも女でも関係ない。1人の人間として。
そうるはあたしにとって。かけがえのない最愛の人。

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2003年04月02日(水)大事にされてた。

今日は朝から雨で。洗濯物が干せんくてちょっと不機嫌。
でも今日干さんかったら明日の練習着がないってことで。
しょーがなく部屋の中に干してみるものの。
なんとなくジメジメして気持ち悪い。気分もちょっと沈む。

あたしは。こーやって簡単なことで影響されやすい。
晴れていい天気の日とかは。やっぱり気持ちいいからご機嫌やし。
雨が落ちてくる冷たくて暗い空を見ると。それだけでどよーんと落ち込む。
せっかく桜がキレイに咲いたのに。そんなに雨が降ったら散ってまうやん。
あかんあかん。もっと長く楽しみたいんやから。降るな雨。止めよ雨。


暗い気持ちを終わらせようと思って。部屋の片づけをしてたら。
懐かしい手紙を綴じたクリアファイルが出てきた。
それは。サークルの同学年の仲間が。引退のときにくれた手紙。
あたしには。いつ読んでも間違いなく泣ける言葉たち。

泣くと分かってるのに読みたくなるのは。
あのとき感じた幸せな気持ちをもう1度感じたいと思うからで。
自分がみんなに愛されていたってことを再確認したくなるからで。
そんなあたしは。やっぱり寂しがりなんかもしれん。

そして読んで。あたしはやっぱり泣いた。
机の上にポタポタ涙が落ちて。小さな水たまりができた。
ほんまにほんまに熱い思いで過ごしてたんやなぁと思って。
そんな思いを一緒に抱えて。一緒に駆け抜けたメンバーのことを思って。
大事で大事でしょーがない気持ちが溢れて。涙が止まらんかった。


ところで。ほんまなら14通そろうはずの手紙は。まだ13通しかない。
そう。そうるとだけはまだ手紙の交換をしてへん。
渡す時期を完全に逃したって感じで。もうどっちからも言い出せん感じ。

いやいや。言い訳みたいやけど。あたしはちゃんと1回言ったんよ。
サークルのみんなで会うときに。他にも交換してへんメンバーが交換すると思って。
それに賛同するわけじゃないけど。みんなもやってる状況なら渡しやすいような気もして。
「いい加減交換しようや。賞味期限が切れてまう(笑)。」って。前日に言ったのよ。
「おーけー。じゃあ持って行くわ。忘れるかもしれんけどな。」ってそうるは言って。
ちょっとだけイヤな予感がしたんやけど。それが見事に的中(苦笑)。

あの野郎。お約束のようにバッチリ忘れてきやがったんやもん。
しかも。「ごめん。やっぱり忘れた(笑)。」とか言って。それっきり。
電話もメールも好きじゃないそうるにとって。手紙なんてそんな程度の重いかいな。
あたしがそうるを思って並べた言葉も。何度も何度も書き直した内容も。どうでもええんかいな。

そのことがあって。半分ぐらい呆れて。半分以上悲しくて。もう知らんーと思って。
あたしからばっかり言い出すのもむかつくし。それ以来放置してる。

でもでも。読みたい。本気で読みたい。
そうるがあたしにどんな言葉を残してくれてるんか。
あたしを思ってどんなことを書いてくれたんか。かーなり気になるし。
やっぱりあたしが折れて言い出すしかないんかな。うーむ。


まぁそれはさておき。手紙を読むうちにひとつ懐かしいことを思い出した。
それは。毎年4月にやってた学年の締めくくりの飲み会のこと。
これだけは絶対に全員参加のもとでやって。そして恐ろしいほどに無礼講で(苦笑)。
出し物とか一発芸とかもやらなあかんくて。それはそれは盛り上がる(苦笑)。
その初回のことを思い出して。あたしはひとりでニヤニヤ笑ってた。

15人参加したその飲み会で。なんてことでしょう。
最後まで意識がちゃんとあったのは2人だけやったのね(爆)。
そのうちの1人がそうるなんやけど。それはもうえらい状況やったらしい。
13人は記憶がないわけやから。そうるともう1人のコの発言を信じるしかないんやけど。

店の2階を貸し切ってたからよかったようなものの。(←よくないけど。)
やんややんやのお祭り騒ぎで。店側としてはかなり迷惑やったと思われ。
最後には店員も。「もういいから出てください。」とか言ったらしい(焦)。
正気のそうるともう1人のコは。ひたすらに謝りまくり。

あぁそうる。ほんまごめんね。そうるはいっつもそーゆう役回り。
酔いつぶれるってことがほとんどないから。最後まで大忙し。
酒強すぎるのも困りもんやね。ほんまありがと。


あたしはというと。まひろの隣で飲んでたんやけど。
大好きな熱燗をいつもよりハイペースで飲んでたまひろに付き合って。
飲めもせーへん日本酒を飲んだせいで。早くからやばかった。
フラフラしながらトイレに行こうと思って席を立ったら。
そうるはすぐにあたしを迎えに来てくれたんよね。

フワフワした視界の端に。あたしは確かに捉えた。
あたしが立ち上がるのを見てすぐ立ち上がったそうるの姿。
それはほんまに。あたしの様子を注意して見てくれてたってことやと思う。
じゃなきゃ15人もおるのにあたしの動きが見えるはずがない。

酔ってる意識の中で。あたしは確かに感じてた。
そうるはあたしのことを。ちゃんと気にかけてくれてるんやなーってことに。
ついつい飲みすぎてまうあたしのこと。まひろに捕まってるあたしのこと。
日本酒なんかあたしが飲めるはずないこと。でも調子に乗って飲んでること。
ちゃんと分かって見ててくれたんやなーってことに気づいて。嬉しかった。

壁をつたって歩いてたあたしの肩を強く抱いて。
「ちょー・・・大丈夫か?」って。そうるは言ってくれた。
トイレぐらい一人で行けるっちゅーねん。そこまで子どもじゃないっちゅーねん。
でもあの頃のそうるは。怖いくらいにあたしに対して過保護やった。

トイレから戻ってきても。これまたすぐ迎えにきてくれてて。
「吐いた?大丈夫?」って。あたしをしっかり支えてくれて。
その後はまひろの隣にはもう戻してくれんくて。あたしの手からも酒を奪いまくり。
あたしはというと。凝りもせずにその目を盗んで飲んでたんやけどね(苦笑)。
ずっとずっと隣におってくれて。ずっとずっともたれさせてくれた。

店を出てからも。酔いつぶれた13人の面倒を見るのに大忙しで。
あっちこっちの家に送り届けた後で。あたしのとこに戻ってきてくれて。
バス停まで手を引いてくれて。家までも送ってくれて。
寂しがるあたしのために。そのまま泊まってくれて。

大事にしてもらってたなぁ。大事に大事にしてもらってたなぁ。


ねぇそうる。今はそんなあんたじゃなくなったね。
というより。そこまで派手に飲みまくることがなくなったからかな。
いつだってあたしのことを見てくれてて。自分が面倒みなあかんってふうに。
ひそかに責任感とか持ってくれてたようなあんたは。もうおらんよね。

それは寂しいことではあるけど。あの頃のあんたにもう1度会いたくなったりもするけど。
あたしは。あの頃のあたしが知らんかったようなあんたを知ってる。
抱き締めてくれる腕のあったかさを知ってる。重ねる唇のやわらかさを知ってる。
ときに平気で放置する冷たさを知ってるし。キツイことも言ってくれる優しさを知ってる。

いつまでも同じじゃないし。時間の流れとともに思いのカタチも変わっていくし。
悲しいかな。絶対に忘れたくないと思ったことさえ忘れてしまったりもするけど。
それと同じくらい。ううん。それ以上に。いっぱいあんたを知っていくから。
時間が過ぎていくことを。悲しむばっかりじゃなくてもいいって思う。

ねぇそうる。あんたとあたしには。これからもずっと。
今よりももっといい未来が続いていくって。そう信じていたい。
ええよね。そうる。そんなふうに思っててええよね。





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↑それでも介抱してくれたそうるは。ほんまに出来た人間です。いやマジで。





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