昨日そうると電話をして。仲直りをして。 久しぶりに。抑えきれんくらいに恋しくなって。 どうしようもなく会いたくなった。 こんなにもそうるを求めるのは。ほんまに久しぶりで。 なんか自分でも扱いきれんくて困った。
落ち着けよ。今は会いたくても会えん状況やん。 実家に戻ってるあたしとそうるとの物理的距離は電車で2時間以上。 それに今週は就活で忙しいそうるやし。どう考えても無理やん。 ちゃんと考えれば分かることやろ。なに子どもみたいになってるん。
そうやって自分に言い聞かせても。 そうるに会いたい心は。そうるを欲しがる体は。止まらんかった。 欲しいものが与えられんだけで。世界はモノクロみたいで。 何もかもが暗くて重くて。つまらなく思えた。
そしてあたしは。ぼんやりと思った。 そうるに思いを馳せるうちに。気づいた感じやった。
これから先。あたしの目は。たくさんの像を映すやろう。 これから先。あたしの耳は。たくさんの音を聞くやろう。 これから先。あたしの指は。たくさんの物に触れるやろう。
繰り返される日々の中には。刺激がいっぱいあって。 そのひとつひとつを受け取って。いろんなことを感じながら。 あたしはたぶんこれからも。生き続けていくんやと思う。
でもあたしは思う。確信に近いくらいの強さで思う。
もしこの目が。もしこの耳が。もしこの指が。 この先そうる以外の人から。どんなに刺激を受けたとしても。 そうるがくれる以上の喜びは。そこにはないやろうって。
どんな像を写しても。どんな音を聞いても。どんな物に触れても。 あたしの目は。そうるの姿を映したときほどの喜びを知らない。 あたしの耳は。そうるの声を聞いたときほどの喜びを知らない。 あたしの指は。そうるの体に触れたときほどの喜びを知らない。
そう。あたしの五感にとって。そうるを感じる以上の喜びはない。
口元だけを動かす笑顔。真剣にプレーする表情。 そんなそうるの姿すべてを。この目に映すこと。 普段話すときの低い声。ケラケラ笑うときの高い声。 そんなそうるの声すべてを。この耳で聞くこと。 あったかい頬。冷たい指先。固めの髪。柔らかい唇。 そんなそうるの体すべてに。この指で触れること。
全部なんでもないこと。日常に転がってる小さなこと。 でも。よく考えて。よくよく考えてみて。 これ以上幸せなことがあるやろうか。 あたしにとって。これ以上喜びをもたらすことがあるやろうか。
そう思ったら。また涙が零れそうになった。 嬉しいけど。怖くて。怖いけど。幸せで。 言葉にならん気持ちが溢れて。苦しくなった。
ねぇそうる。どうしよう。あたし。 こんなにも強い気持ちで。あんたのことを思ってていいんかな。 こんなにも抑えようのない心で。あんたを欲しがっていいんかな。
ちょっと離れてるだけやのに。あたしの目も。耳も。指も。 ずっとずっとあんたのことを探しているんよ。 いるはずのない場所でも。あんたのことを探してるんよ。 その姿を映したくて。その声を聞きたくて。その体に触れたくて。 いつだってあたしの感覚器官は。あんたのことを探してるんよ。
ねぇそうる。こんなあたしでいいんかな。 理性と本能のバランスがおかしくて。壊れそうなあたしでもいいんかな。 きっと今あんたは。あたしのことなんて考えてるはずないし。 あたしがどんなにあんたを思っても。どんなに求めても。 あんたの思考は別のとこにあるはずやのに。 そんなあんたに。こんな思いを送っててええんかな。
あぁ。あかん。また思考がマイナスに進む・・・。 止まらんくなる。どんどん落ちていく。 なんなんやろう。どうしたんやろう。自分でも分からん。
そうる。会いたい。何でもいい。あんたに会いたい。 |