戯言。
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2005年02月18日(金) 思考飛びすぎ。
なんかバイオに煮詰まったので(プレイする方ね)、ちょっとDQやってみたら前書いたクク主の別ver.思いついたのでメモ。
前半は同じだけど後半がおかしなことになっている。
なんだかんだ言ってククとゼシカたんのコンビは書いてて楽しいらしい。
でもクク主だ。誰がなんと言おうとクク主だ。
ついでに三上と宍戸さんの仲良し話も思いついたがまたの機会に。
*****
「バッカじゃないの?」
酒場に呼び出して明日の計画を聞き終わったゼシカの最初の一言がこれだった。
「そんなに悪い話か?我ながら結構イイ線いくんじゃねーかと思ってるんだがな」
「そうじゃなくて、バカなのはアンタよ、ククール!」
「何言ってんだ、眉目秀麗、頭脳明晰、非の打ち所の無いオレ様のどこがバカだってんだ」
「全部」
「........」
笑顔で即答しないで欲しいな、ゼシカちゃん。
言ったらその場で燃やされるので、賢明なオレは口をつぐむ。
そして、予め用意していた言い訳を口にした。
「あのな、オレ達はアイツの仲間だろ?だったら協力してやるのが筋ってもんじゃねぇ?」
「そんなこと私だって分かってるわよ。当然協力だってする」
「じゃあ」
「でも、あなたはそれで本当にいいの?」
まったく、これだから女ってのは。
せっかく人が今にも溢れ出しそうな心の内を必死に抑え込んでるってのに。
「いいんだよ」
「本当に?」
「しつこい女は嫌われるぜ?オレがいいって言ってるんだからいいんだよ」
修道院生活で鍛えた上っ面だけの笑顔でそう言い切ると、肩をすくめて「ならいいけど」と呟いた。
この顔は絶対納得いっちゃいねーな。
このオレにとって絶対にあり得なかった男と女の友情なんてもんをいつの間にやら築き上げてしまったこの女傑には、何度説教されてきたことか。
また絞られるんだろーな、今回はどうやって切り抜けるかなと考えを巡らせていたオレの耳に、信じられない言葉が聞こえた。
「で?私は具体的にどう動けばいいわけ?」
「....え?説教しないの?」
どうやらオレはかなりの間抜けヅラをしていたらしい。
ひとしきり笑った後、「説教されたいならしてあげるけど」と言われたので丁重に辞退した。
そして話は明日の計画に移り、通りがかりのヤンガスも巻き込んで作戦会議は無事終了した。
「行っちゃったわね」
遠ざかる馬車を眺めながら、ゼシカが呟いた。
「そうだな」
同じところを見つめ、答える。
「ほんとに、良かったの?」
「何が」
「言わなくても分かってるでしょ?」
「....いいんだよ。昨夜も言ったろ?」
そう、これでいい。
「でも」
「いいんだって。恋敵とはいえ、美人な姫君があんなクソ王子んとこに嫁に行くなんて許せねーし」
「まあ私もそう思うけど」
「それにさ、あのまま放っといたらエイトの奴、いつまで経っても姫の心配してオレは二の次になりそうじゃねーか」
「....はい?」
「これでアイツも心配事が無くなって、心おぎ無くオレんとこに来れるだろ」
「ち、ちょっと待ってよククール、まさかあなた」
「よっし、じゃあ次はオレの姫さん取り戻しに行くとすっか」
「そんな話、聞いてないわよ!?」
「そりゃそーだろ、言ってねーし」
何か不穏な気配を感じて飛び退くと、ちょっと前までオレが立ってた場所が焼け焦げていた。
おいおい、いくらなんでもそれはやりすぎだろう。
そう言おうとしたオレの目の前には、鬼がいた。
「....ゼ、ゼシカさん?」
以前杖に取り憑かれてた時よりも恐怖度高いんですけど。
やべー、足がすくんでるかも。
「....ほんとに悩んだんだから」
「ゼシカ?」
「姫を思うエイトの気持ちも分かるけど、あなたの想いだって知ってたから、ほんとにこれでいいのかって何度も考えて」
禍々しいオーラが霧散して、ゼシカが俯く。
「無理して笑うあなた見て痛々しいとか思っちゃったりして」
「....悪かったよ」
さすがに申し訳なくて、俯くゼシカの頭をそっと撫でる。
するとそのままもたれかかってきたので、当然の如く抱きとめた。
.....筈だったのだが、何故かオレの視界は反転し、ゼシカを見上げることになっていた。
そう、思いっきり押し倒され、ゼシカはオレに馬乗りになっていた。
一昔前のオレだったら喜んでお付き合いしただろうが(何に、とか聞くなよ)、今のオレはそれよりも今後の展開が気になるというか上からオレを見下ろすゼシカの笑顔に恐怖を感じていた。
「ほんっとに悪かったと思ってる?」
「も、勿論だとも」
「本当の本当に?」
「ああ、ホントに悪かったって」
「反省してる?」
「もうこれでもかってくらい」
ならいいんだけど、とオレを見下ろすゼシカの笑顔は、いつも通りのものだった。
ただ、その後に続く言葉はとんでもないものだったが。
「じゃあ、私もその救出劇に参加させてくれるわよね?」
「........え!?」
「だってこんな面白いイベント、見逃せないわよ」
「ちょっと待て。イベントってお前なぁ....」
「それにククールっていざという時にヘタレるから、一緒に行って喝いれてあげる」
「なんだよそれ....」
「じゃあ例えば、エイトがあなたと一緒には行けない、って言ったら」
「その時はまあ、仕方ねーよな。潔く」
諦める、と続けようとしたら額を殴られた。
「痛ってぇ!」
「やっぱりヘタレじゃない。そんなに簡単に諦めるとか言わないの!」
「でも、無理強いするのは」
「あの子の場合、少々強引にいくくらいでいいのよ。だいたいあの忠誠心はちょっと行き過ぎだもの、自分の為に何かをするってこともあなたが教えてあげないと」
「そういうもんか?」
「そういうものよ」
それに、とさっきまでとは少し違った真面目な顔で続ける。
「エイトだけじゃない、あなたももう少し自分のこと考えてもいいんじゃない?」
「オレ?オレはいつだって自分のことばっかだぜ?」
その通りだろ、と言い返すとまあそうだけど、と目を細めて笑った。
だがその直後、やっぱり真面目な顔つきでゼシカの話は続いた。
「でも、あなたは肝心なところで退いちゃうのよね。」
「そんなことは」
「無いって言いたいの?」
「....できれば」
「それは無理な相談ね。事実は事実、ちゃんと認識しときなさい」
本当になんと言うか....スバリ言ってくれちゃって。
「分かっちゃいるんだけど。やっぱ昔のこと思い出しちゃってダメなんだよな」
あの時の兄貴の豹変振りはある意味トラウマになってるのかも。
差し出した手を振り払われるのが、オレは怖いらしい。
「あのねえ....あなたはもう少し人を信じるってことを学びなさい」
「何ソレ」
「大丈夫、エイトはあなたを拒絶したりしないから。そんな人じゃないってあなたも知ってるでしょう?」
「....そう、だよな」
「当然よ。ほんっと手がかかるんだから。これじゃ心配でリーザスに帰れないわよ」
勿論連れてってくれるわよね、と笑顔で凄まれたら首を縦に振らないわけにはいかない。
オレがヘタレてるっつーかお前が強すぎなの。
ンなこと口にしようもんなら即燃やされるから黙ってるけど。
「ほら、いつまで転がってるの。行くならサッサと行くわよ」
「え、もう?」
「もうって....ククール、あなたやる気あるの?」
「そりゃあるさ、でも....」
そんなに急がなくてもいいと思うんだけど。
そう言う前に「あなたの場合、放っておいたら有耶無耶にしちゃいそうだから」と。
完全に見透かされている....ほんと敵わねーな。
「分かったよ、まあ確かに味方がいるってのは心強いしな」
「でしょ?じゃあ行くわよ!」
「あーはいはい」
なんか予定とは全然違ってしまったが、これはこれでいいのかも。
思えばアイツに厄介払いされて始まったこの旅だが、かけがえのない人と何でも言い合える友人という、修道院にいたら絶対に手に入れられない大事なものを得た旅だった。
そう考えるとオレ、実はアイツに感謝しないといけねーのかも。
でもまあ、まずはエイトを奪還してからだな。
兵士どもはともかく、問題はトロデ王と姫....特に後者だ。
ゼシカほどではないが、かなりの魔法の使い手だと思う。
....とにかく最初はマホカンタ、だな。
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結局マホカンタ落ちかよ!(爆
なんかもちーと弾けるはずだったんだが、まあいっか。
寧ろこっちのがクク主らしいかも。
そしてあいかーらずゼシカたん、男前だ。大好きだ!!!!!