戯言。
2004年06月04日(金)  駄目だこりゃ。

お題に使おうと思ってたんだけど、救いのカケラも無いので却下。
てか跡宍じゃねぇしコレ....はは。
レギュラー落ちネタ大団円は跡宍+菊Ver.でな。


*****


自分の決断が宍戸をどん底に突き落とした。
そこから這い上がる彼の隣にいたのは、鳳だった。
当然の様に育まれた、2人の間の信頼関係も見せ付けられた。

それと同時に、広がってしまった彼との距離を思い知った。

憎まれ口を叩き合いつつ、笑い合う。
隣にいるのが当たり前だった。
もうあの頃には戻れない。
そう分かっていながら、視線は彼から離せなくて。
隣に並ぶ後輩に向かって笑いかける、その笑顔すら愛しくて。

でも、あの笑顔はもう自分には向けられなかった。
決して目を合わせず、背中に感じる視線は射抜くように強いもので。

なら、もう必要ない。
全て忘れて、これまで通り前に進めば良い。
こんな想いは捨ててしまえ。
心の奥に閉じ込めてしまえ。
そして、この想いがまだ存在すらしなかった頃に戻れば良い。

でも最後にもう一度だけ、彼の為に。
切り落とされた黒髪。
寄り添う後輩。
頭を下げる自分。
心の軋む音とともに、彼のレギュラー復帰が決定した。
だが彼の隣には、自分の為の場所は無い。

「二度目は無ぇぞ」

そう言って、踵を返す。
嬉しそうに寄り添う二人から離れ、1人屋上で佇む。
瞳を閉じても目の前に浮かぶ、鮮やかな笑顔。
どこまでも青い空を見上げ、彼を想った。

「今日で、最後だ」

青い瞳から、一筋の雨が流れ落ちていく。
想いが、泡となって消えていった。


*****

当初の予定では、見ていられるだけで幸せだとか終わらせようと思っていたのだが、うちの跡部様はそんなこたしないよなぁ、と。
いくら望んでも手に入らないものは切り捨てる。
思いを残したまま進むことは出来ないから。
だから無理矢理忘れて、前に進みつづける。
誰よりも強くて、本当は誰よりも弱い。
それがワタシの中の跡部景吾らしい。


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