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■ 「突きつけられた事実」が「揺るぎない事実」とは限らない
思いながらこっそり呟く きっとあたしは前より強くなれる
星のない冬の空は凛とした輝きを放ち 水面に浮かぶコトノハの欠片に陰をつくりだす あたしは頬を切るような風の中に立ち 鼓膜の裏に静寂の音を聴く
はらはらと零れたことばをひとつひとつ掬いあげ 両腕いっぱいに抱えるとゆらりと溶けていく きらきらとあふれた青い光が照らした闇の先に ただ立ちすくんで見送るだけのあたしが映る
無色透明のやさしさと穏やかな温度を見つめ あたしは少しだけ躊躇いながら笑ってみせる いつか懸命に伸ばしたか細い蔦が 夜の帳と頂の星をふわりと絡めとることを願う
想いながらひっそり呟く きっとあたしは前より強くなれる もっと静謐な心とずっとやわらかな笑顔と 本当の意味での強さを憶えてゆっくり歩きだせる
2003年12月03日(水)
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