ミドルエイジのビジネスマン
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2009年07月05日(日) 湯西川温泉への道

湯西川温泉への道路沿いに、真新しい立派な木造住宅が立ち並んでいる場所があった。以下は、バスの中から見た情景と憶測。

ダム事業の保証金で村落ごと移転してきたか、それと類似のことが起きたのだろう。広い敷地に、同じようなデザインの木造住宅が立ち並んでいた。温泉に向かう途中で見た時は、こんな人口の少ないところで、公共事業を行い、一部の人だけが、立派な家に住むことができるのは不公平だと単純に思っただけだったが、帰りに再びバスの中から見ると、そこに見たのは、縁側に腰掛けた数人の老人がお茶を飲む光景と、おじいちゃんが家の中を掃除する姿だった。

真新しい家を建ててもらっても、そこに住むのは人生あと20年もないような人が大半であるに違いない。若い人は残らないのだ。国ごとお金がなくなっていくことが予想される今の日本で、こんなことをしていて良いのだろうか。

政治とは一言で言えば、将来の国土の姿をビジュアルに描くことだ。30年後の都会では若者が生き生きと学んだり働いたりしていて、農村には醜いコンクリートの建物などなく人々は木造のエコ住宅に住み、緑の農地に囲まれて十分な経済力と心の安らぎを得る。山村の限界集落はあらかた姿を消し、敢えてそこに住む少数の人は自然の中に住む自由とリスクを十分理解している。30年後の国民の数と人口構成の姿をベースにグランドデザインを描くことが政治だと思う。


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