ミドルエイジのビジネスマン
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2009年05月31日(日) 奇跡の脳

さてさて、週末は町内の側溝清掃と自動車の任意保険の更新、そしてウッドデッキの上のビールで終わってしまった。後悔先に立たずだ。

そういえば、図書館に本を返しに行って、また借りてきた。自転車で行ったのに夕立に遭ったので、雨宿り気分で小さな図書館の静かな雰囲気を楽しんできた。新しく借りてきた中では、女性の脳科学者が若くして自分が脳卒中になっちゃったという、「奇跡の脳」(ジル・ボルト・テイラー著)は楽しみにしている。まだ最初の方しか読んでいないが、脳内出血のために脳が機能を弱めていく過程で、体の外と中を分けている境界の意識が薄れていき、肉体が頭脳の指令だけ動く機械ではなく細胞単位の統合体であること、あるいは自分が分子レベルで宇宙の一部であるという意識が強くなったという。肉体的には頭の中から冷たいカキ氷を食べた時のキーンという強い痛みを感じるけれども、精神的には外界と自分の境い目が韜晦していくような幸せな感じがしたという。

これらは、以前読んだ立花隆の「臨死体験」に体験例としてしばしば描写されていた現象と共通するものがある。多分そうだろうと思う。死が苦痛に満ち、暗く重いだけのものであれば、最初から「生命(いのち)」などもらい受けない方がいいくらいだから。

昔であれば、このような経験をした人は宗教家になるしかなかったであろうが、今の世は快復した後引き続き脳科学者として発言し、その内容が社会的にも受け入れられ、その後の快復過程が、リハビリに苦しむ人や病気の予備軍に希望を与える。ちょっと読んだだけで、良い本だと予感させる。


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