ミドルエイジのビジネスマン
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| 2006年11月12日(日) |
都心のコーヒーショップにて |
11月の小雨は降り止まない。親指と人差指で輪を作ったほどの大きさの鎖を伝って雨の雫は落ちていく。雫はリングの空間をポタッと落下しては一旦止まり、再び雫を作ってまた次の段に降りていく。外を行き交う若者たちは長い足を自慢するかのように男も女も細身のパンツ姿で急ぎ歩いている。
いつの間に、どこのコーヒーショップでもジャズを流すようになったのだろう。表通りとも裏通りとも判別のつかない小さな通りに面したコーヒーショップの奥からはエアコンの生暖かいが風が流れてくるが、大きなガラス窓からは足元に冷気が忍び寄る。
季節はずれ籐の椅子は既に古びて、一本、二本と、あちこちで折れたり、飛び出したりしている。こんな席を選んで座るのは、訳ありの女や、することのない男だけだ。女はとっくに空になったカップをどけて、なにやら書類を覗き込み、男は時折女を見やりながら、あれこれと憶測している。
人の流れの止まった店内では、カウンターの中、アルバイトの男女が高校の必修科目をどんな形で履修したかをささやき合い、時事問題にかこつけて、それとなく相手の境遇を探ろうとしている。
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