ミドルエイジのビジネスマン
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この度の異動で、主力メンバーのH君を送り出すことになった。戦力的に言えば「抜かれた」と表現してもいいだろう。彼が去った後、部がどのようになるか考えると、改めてH君に負っていたところの大きさを噛み締めることとなる。
大部長が来たときから、彼は主力部員であった。いつも大きな案件を担当し、法律や制度が変更になるごとに率先して調査研究し、関係部署に貢献することを当然のように考え、行動していた。そんな絵に描いたような立派なことを続けていれば、自分の時間はほとんどなくなる。実際、彼はそのような生活を送っていた。
時々、そこまでやらなくても、君が怠けていると思う人などいないから家族と顔を合わせる時間くらい取るようにしたらどうかと言っても、ニコニコ笑うだけだった。自分がこの部署を支えているという自負を強く持っていたから、あのような仕事振りを続けることができたに違いない。
彼の持っていた案件は、みんなで分けて分担しよう。問題は個別案件以外の研究や報告がこれまでのように黙っていても自主的に提案され、部内や関係部署に報告されるかどうかだ。ただでさえ、各自の分担は増加するのに、かてて加えて身を削る思いで文献を読み、事例を探してレポートを作成することが果たしてできるのであろうか。しかし、そうしなければ、ジリジリとレベルが低下していくので、何とかやり抜くしかない。
H君が新しい部署に行ったら、せめて朝か夜のどちらかは家族の顔を見ることのできる程度の生活になってもらいたいものだ。H君、いつも大部長が言っていただろう、今の半分しか仕事をしなくても文句を言う奴は誰もいないよ。
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