ミドルエイジのビジネスマン
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2002年08月06日(火) 地曳き網(伝聞)

家族で九十九里浜に海水浴に行ってきた。
予定では8月5日に休みを取って私も「地曳き網」に加わるはずだったが、お客様との会議が入ってしまい、家族を浜に送った後、その足で会議に向かうというトホホな状況に追い込まれた。くそ暑い車の中でTシャツからスーツに着替え、コンビニの駐車場でパンをかじりながら時間調整をすることほど楽しいものはない。

ともあれ、参加した子供の説明によれば、昔のお父さんが想像するような、みんなで力を合わせてロープを引く、のどかな「地曳網」ではなく、強力ウィンチで巻き上げ、ブルーシートにぶちまけた魚を我れ先に拾うという代物だったらしい。「地曳き網というよりつかみ取りだね」という我が子の賢いコメントが全てを物語っている。それでも、一人20〜30匹はピチピチ跳ねる「小アジ」を手にすることができたようだ。全体では1,500匹獲れたというわが子の報告はこの上なく正確だ。

ところが、慈悲深い母親は自分たちが食べる4匹を残して、全て海に戻させたのだという。うーむ、ある日突然九十九里の砂浜及びブルーシートなる異次元世界とキャップをかぶった子供達というモンスターを目撃してしまった数十匹の小アジたちの経験はその生涯にいかなる影響を与えるのだろうか。そこでお父さんは鎖国の江戸時代にロシアはペテルブルグまで見てしまった大黒屋光太夫を紹介した井上靖の「おろしや国酔夢譚」を思い起こすのだが、その話はまた別の機会に。

最後に一つ確認しておきたい。お父さんは、会議があるのに海水浴に行こうとしたのではなく、子供より楽しみにしていた地曳き網を犠牲にして会議に駆けつけたのだと。くやしーっ。


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