written by 田村 MAILHOME
#ロハス、お前もか。
2005年12月13日(火)

LOHAS(ロハス)って言葉があります。


LOHAS〜ロハス(Lifestyles Of Health And Sustinability)地球環境保護と健康な生活を最優先し、人類と地球が共栄共存できる持続可能なライフスタイルと、それを望む人たちの総称。


仕事柄、環境問題にもほんの少しだけ携わっており、ロハスも最近身の回りで聞く機会が増えてきました。

マーケティング的にも、「ロハス層」というターゲットに絞り込んだサービスなんかも、注目されていた矢先だと思うんですが、そのロハスがやってくれました。


ロハス(LOHAS)の登録商標の無断使用でシャープが三井物産とトド・プレスから警告
LOHASの登録商標からライセンス収入を目論むのは「のまネコ」の二の舞?
実践ビジネス発想法

なんだこりゃ。
簡単に言うと、シャープが「ロハス」と記載した即販チラシを作成したところ、実は「ロハス」という言葉自体が三井物産によって既に登録商標されており、シャープの「無断使用」に三井物産が警告文を出す予定、っということらしいですが。


ロハスって、一般的な用語かと思っていたのだが、違ったとは。驚いたのと同時に、結構普及しつつあるロハスって便利な言葉に、商標登録の権利チラつかせるとはねぇ。

ビジネスとしての環境対策って、結構難しいと思うのだ。省エネで電気の使用量が○○円減ります!という、直接的な「オトク感」がなけりゃ、普通の人は環境問題に対してあまり関心を持たないと思うんだよね。そりゃ意識の高い人も居るだろうけど、絶対数としては多くないはず。


あまりにもでかすぎるテーマ&直接的に肌で分かりにくいってのが、環境問題への理解を妨げる要因だと思う。何がどう効果があるの?もっと言うと、自分にとってどんな利益があるの?っていう。


そうだとすると、企業が本気で環境ビジネスをやっていくと考えるなら、前述したような「環境問題に取り組むとこんなに良いことがあるんですよ」という具体的な効果を提示したり、あとは「ちょっとは環境について考えなきゃな」と意識下に刷り込ませるようなことが必要なんでは。そのためには、イメージってのは大事だと思うんです。そうすると、ロハスって言葉は面白い。結構新しい切り口になるんじゃないかと思っていたのです。


んで、私がそー考えていた矢先に、三井物産の登録商標ですよ。クリーンな環境問題に、表立って利権チラつかせてどーする。とんでもないマイナスイメージだと思うね。


ボランティアとか、社会貢献とか、共感を得てナンボな活動にとって、何よりクリーンなイメージって重要でしょう。言ってる側が胡散臭かったり、利権むき出しだったら、どうですか。昨日取り上げたホワイトバンドと同じ。三井物産のこのやり方、色々な可能性を持っていたかもしれない言葉と可能性を、自らぶっ潰しているようにしか思えない。ロハス、がっかりだ。

【参考】LOHAS(ロハス)から学ぶ教訓大西 宏のマーケティング・エッセンス




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