午後7時50分過ぎ。 家の電話のベルが鳴った。 と同時に、なぜだろう。胸騒ぎがした。 「でも、どーせ私にかかってきたんじゃないだろーし。」と思っていたら 突然、1階のリビングから母の声がした。 「深藍、Kから電話ー!」 母が先生のことを呼び捨てで呼んだことが多少気にかかったけれど (^^;) それよりも、先生から電話がかかってきたという事実に、ひどく驚いた。 「もしもし。」 「あ、紺野?」 「うん。」 「『うん。』てなあ、おまえ…(^_^;) それはそうと、2つ話があるんやけどな…。」 そう言って先生は、私に2つの話をし始めた。 1つ目は授業の話。 2つ目は「去年受けたテスト問題を持ってきてくれー(;><)/」という話。 「えー…ないよ。捨てたもん。」 「そんなことないって。先生、知ってるで。 おまえ、『持ってる♪』って自慢してたから☆」 「…してないっ!(-_-;) もぉー、他の人に頼んでよぉー。Rとか。」 「え…だってR、怖いもん…。 あ、紺野。おまえ、言うなよ。」 「言いませんよ…(^_^;)」 「紺野、頼む!紺野しか、おらんのや!」 「嘘ばっかり。」 「ホンマやって!紺野しかおらんのや!」 冗談だと知っていた。 嘘だと知っていた。 それでも、電話をしている最中は嬉しかった。 すごくすごく嬉しくて、顔が自然とニヤけてしまう。 近くにいた母はきっと気付いただろう。 私が先生を好きだと言うことを。
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