朝、教室にいると女子たちの会話が聞こえてきた。 彼女たちの視線の先にはD君。 机の上に俯せになって寝ているように見えるけど、実際はばっちり起きてる。 彼女たちが「寝てるから聞こえないよ」と思っている悪口も丸聞こえ。
私とD君とは小学5年からの付き合いで、もう6年も同じクラス。 私にとってD君は、好きでも嫌いでもない。 ただ、小学6年の時に「それでも女か?」と言われたことを未だに覚えてるけど…。
D君は、特に女子たちと交流はない。 それなのに、悪口を言われている。 彼女たちは、D君のどこを見て、悪口を言っているのだろう。 どうして、一回も会話をしたことない人の悪口を言えるのだろう。 自分の悪口を聞くことの辛さを、彼女たちは知らないのだろうか。
「わぁー♪Yちゃん、辛口〜♪」
私が思うに、それは辛口ではなく悪口。 彼女たちがやっていることは、 辛口トーク ではなくただの悪口大会。
Yに「自己中心的」だと言われたあの日。 Yはきっと、自分の未来に輝きを感じただろう。 いや、今も自分たちは一番輝いていると思っているだろう。 クラスの中心核のグループにいれば、怖いものなんて何もないのだから。
僻みにしか聞こえないかもしれない。
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