「楽しいこと」のあとには、必ずと言っていいほど、「嫌なこと」があるもの…。
高3クラスでの授業、七日目。
別に用があるわけでもないのに 昔のプリントを引っぱり出してきて、先生に会いに行った。 いつもより、少し強引なのは、今日は私の誕生日だから。
先生が、ある用でデータをフロッピーに入れて貸してくれると言った。 パソコンをいじる先生。 その瞬間、画面がパッとあかちゃんの顔に切り替わった。
今年の初め頃、塾の男子の中に 子供に向かって怒っている先生を見たと自慢げに話してるやつがいた。 「怒るってことは年齢的に前の奥さんとの子供かな」と思っていた私だったけど 今の奥さんとの子供だったのね。 私が言うのもなんだけど、すごくかわいかった。 子供が嫌いで、しかも大好きな先生の子供だけど、かわいいと思った。
先生は焦っていた。 先生は私が先生のことを好きだと知っているし 私が、先生の子供の存在を初めて聞いたとき 「帰る!!帰るぅ o(>< )oo( ><)o 」と、ダダをこねまくったことがある。 先生は、また私がダダをこねると思ったのかもしれない…。
私は一生懸命、見ていないフリをした。 けれど、無理だった…。 先生と私の間に流れる微妙な雰囲気…。 先生は、一生懸命、話題を作ろうとしていて 隣の席で、仲の良いI先生に話をふろうとしていた。
そのあと私は、今日が誕生日だという話をした。
「先生!今日、誕生日!(^o^)」
「お?I先生に歌ってほしいんか〜?」
…I先生は好きだけど 「おめでとう」って、あなたに言ってもらいたかった…。
ひとしきり話をし終わって話題がなくなったので、自習室に戻ることにした。 少し淋しそうに帰ろうとした私に先生が
「おめでとうな‥(^^)」と言ってくれました。
ありがとう(^-^) 今までで一番うれしい「おめでとう」だったと思う。
教室に戻って一人になった私…。 自分がどんどんダメになっていくのを感じた。 勉強が全然、手につかなくて 気分転換に街に出ることにした。 照りつける太陽。 熱いはずなのに なぜだか、クーラーのかかった建物の中よりも外のほうが寒く感じて その熱さが心地よかった。
「先生と生徒」以上の関係になりたくて 「彼氏と彼女」が無理なら 「父親と子供」のような関係に、塾でいるときだけでもなりたかった。
けど、それも無理なのですね。 先生の子供の顔を私が見てしまったのは、不意のアクシデントとは言えど…
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