2002年08月01日(木) |
書きかえられた思い出 |
高3クラスでの授業、六日目。
失望とは、このことを言うのかと、すごく真剣に思った。
今日は、塾に行く前に 小学校時代の恩師に会えると思い、とある音楽コンクールの会場へ行って来た。 きっと、いると思った。
小学校時代の恩師、M先生は吹奏楽部の顧問で 私に「音楽」と「人生」を教えてくれた。 挫折しかかったときに立ち直らせてくれた。 本気で怒ってくれた。 私は、そんな先生が大好きで 先生も、「紺ちゃん」と言って可愛がってくれた。 そんな先生に私は、恋をしていた。
いた…。 コンクール会場の受付でパンフレットを手渡ししている彼。
「M先生ですよねえ?」
「‥あぁ、ひさしぶり。見にきたん?」
「…あ、はい…。」
久しぶりと彼は言ったけれど 彼はきっと、とっくに私のことを忘れていると感じた。
彼の笑顔は枯れていた。 私はあなたの枯れた笑顔を見に来たんじゃないわ。 私は、楽しそうに、そして真剣に、タクトをふるあなたが好きだった 今のあなたは見たくない。失望したわ。
先生との皮肉な再会をはたしたあと 私は一曲だけ聞いてから帰ることにした。
久しぶりに生で聞く本物の音に鳥肌が立った。
先生や部員たちと練習した日々。 怒られて泣いた日。たまにしかなかった誉められた日。 私の演奏は、お世辞にも上手じゃなかったけれど 毎日が、すごくすごく充実していた。
そんな日々を思い出していると、なぜだか泣けてきた…。
ずっと私の中で、1番だと思っていた小学校時代の先生が 2番でも3番でもなくて、それ以下になったかもしれない事実に、すごく複雑だった。
そのあと、塾に行って、先生に会った。 先生がいつものように優しくて、すごく楽しくて.....
人は、こうも変わってしまうものなのだろうか。
先生も変わってしまうの?
変わらないで…。
思い出は、思い出のままのほうがいいのですか?
先生のことは好きだけど、「塾の先生」が一番の恩師だなんて、少し戸惑い…。
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