2004年04月30日(金)  翻訳は 「やりたいこと」に なってから


シドニーは寒くなってきました。昼間はサンサンと日が照っているので感じませんが、夜になると空気が冷えて冬のにおいがするようになりました。この間日本に帰ったときに冬物を買い込んできたので、結構楽しみだったりして。けどまぁ、もうすぐ日本に2ヶ月間帰るので出番は少なそうなんですがね。ああ、シドニーと東京を行ったり来たりしているうちに、季節感がまったくつかめなくなってきているような。

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最近、精神が安定しているからか、腹が立つことがあんまりないんだけど、ちょっと「は? 何それ?!」と思った話。

去年の学期末(11月)に学校でNAATI(ナーティ。翻訳家のオーストラリアの国家試験のようなもの)を大枚はたいて受けたんだけど、その結果がいつまでたっても返ってこない。聞くとクラスの誰にも返ってきてないとのこと。もうかれこれ5ヶ月も経つので、絶対におかしい。しかも、どこからも何の連絡もない。

そうしたら、先日学校からメール。なにやら、NAATI側の日本人採点者が、うちの大学が選んだ課題文がNAATIの基準を満たしていないとかなんとかで、採点を拒否しているらしいのだ。中国語、韓国語、タイ語、スペイン語も同じ課題文を使っていてさっさと結果が出ているのに、日本人の採点者だけが認めていないという。

てかね、その課題文はNAATI側がOKを出したものなんですよ。何をいまさら。実は、答案を失くしたとか、そういうオチなんじゃないだろうな。結局、テスト代は全額払い戻ししてくれるからいいんだけど、あの緊張感と集中力の分を慰謝料としていただきたいほどだ。いったいなんだったんだ。

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相方と一緒になることになって、オーストラリアで生きていくために選んだ翻訳家という道。実を言うと、急速に熱意が冷めている。半分あきらめかけていた教材ライターという職が(このことで相方とは結婚前にずいぶん喧嘩になった。私だけがなぜ夢を諦めなくちゃならんのかと)、思いもよらずシドニーにいながらにして可能になりつつあるからだ。

つくづく、どんなに不可能に見える境遇にいても夢はあきらめず追い続けるものだなぁと思う。ひょんなことから実現したりするのだから。そして、もし夢を持っているのなら、「とりあえず」というレベルのものに時間を費やすべきではないと思う。夢は簡単に日常に埋もれて見えなくなってしまうし(そうなってしまってからでは、もはや心の声を聞こうにも聞こえなくなってしまう)、いくつものチャンスを逃しているかもしれないのだ。

あんなに教材ライターになりたくて日本を出て、オーストラリアで書いて帰るつもりだった教材もほっぽり出して、「翻訳家になるのだ」と言い聞かせて過ごしてきて、この経験は絶対に無駄ではなかったと思うけど(そもそも無駄な経験なんてない)、やっぱり夢には遠回りしたなと思う。そして何よりも、夢を(延いては自分を)少しの間でも裏切ったようなイヤな気持ちが残る。

これからは、ここで学んだ翻訳の技術を教材開発に向けて行こうと思う。そして、いつかどうしても伝えたいメッセージに出合ったときに、「本当にやりたりこと」として翻訳をもう一度勉強し直してもいいなと思う。もう自分の心の声に嘘をつくのは止めよう。


つづく。


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>>「匿名メールフォーム」へのレス

・それってすっごい奇遇! 世の中がそういう向きになってたりして。
 彼女のページは日記にリンクしてあったから行ってみたよ。
 すごいねー。私もあんな風に作れるようになりたいな。
 住所はメールでお知らせしまっす!

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