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高校は別の学校に進学したから、私はあまりあの頃の彼女を知らない。 たまに電話で話して、ごくたまに逢って話した。 美術が好きだった彼女は美術部に入り、 素敵な先輩とおつき合いを始めたとも聞いた。
ある時、彼女の美術部が野外活動をしたときに どうしてだろう、私も参加した事があった。 「お姉さん?」 と聞かれた私、彼女と顔を見合わせ苦笑いをした。
2年の頃からか、彼女とまったく連絡をしない時期が続いた。 私はアルバイトなどで忙しく、彼女も元気でいると思ってた。 ずっと時間が経ってから、あの頃の彼女が交通事故に遭ったと知った。
彼女が入信していた宗教は、原則として医療行為を受けない。 だから事故後の彼女は、ずっと自宅で療養したのだと聞いた。 後遺症もなにも残らなかったから良かったようなものの、 笑い話として彼女の口から聞いた時には寒気がしたものだ。
どんなに仲が良くても、環境が変われば遠のく友はいる。 悲しいけれど、どこにでもある話しだ。 それでフェードアウトしてしまうのか、 またつき合いが濃くなるのかの分かれ道はなんだろう。
彼女と私、そして仲の良かった5人組。 近くもなく、まったく離れもせず、 そんな微妙な関係を維持しながら大人になった。
だけど、大人になってからの私達は、 5人が揃って顔を合わせたことはない。 そしてそれももう決してできない。
それが悲しい。 とても悲しい。
入院してからの彼女のイラストには、ピクニックをしている絵が多かった。 何度もピクニックへ行こうと約束もした。 果たせなかった約束。
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