たそがれまで
DiaryINDEXpastwill


2003年06月15日(日) 友のこと 3





高校は別の学校に進学したから、私はあまりあの頃の彼女を知らない。
たまに電話で話して、ごくたまに逢って話した。
美術が好きだった彼女は美術部に入り、
素敵な先輩とおつき合いを始めたとも聞いた。

ある時、彼女の美術部が野外活動をしたときに
どうしてだろう、私も参加した事があった。
「お姉さん?」
と聞かれた私、彼女と顔を見合わせ苦笑いをした。




2年の頃からか、彼女とまったく連絡をしない時期が続いた。
私はアルバイトなどで忙しく、彼女も元気でいると思ってた。
ずっと時間が経ってから、あの頃の彼女が交通事故に遭ったと知った。

彼女が入信していた宗教は、原則として医療行為を受けない。
だから事故後の彼女は、ずっと自宅で療養したのだと聞いた。
後遺症もなにも残らなかったから良かったようなものの、
笑い話として彼女の口から聞いた時には寒気がしたものだ。




どんなに仲が良くても、環境が変われば遠のく友はいる。
悲しいけれど、どこにでもある話しだ。
それでフェードアウトしてしまうのか、
またつき合いが濃くなるのかの分かれ道はなんだろう。

彼女と私、そして仲の良かった5人組。
近くもなく、まったく離れもせず、
そんな微妙な関係を維持しながら大人になった。


だけど、大人になってからの私達は、
5人が揃って顔を合わせたことはない。
そしてそれももう決してできない。

それが悲しい。
とても悲しい。











入院してからの彼女のイラストには、ピクニックをしている絵が多かった。
 何度もピクニックへ行こうと約束もした。
 果たせなかった約束。









東風 |MAILHomePage

My追加