『キスしてもわさぁ〜？』

『・・・うん？』

『そしたら下のほうもぐおさぁ？』

『もぐぉさ？』

『（大きい声で）下のほうもぉぐおさぁ？』

あーん！何言ってんのかゼンゼン分かりません。

一応、亜美はエッチな声を出しながら上の会話をしてたんですが。
「もわす」や「ごわす」に似てるから、九州の人かなと思ったら

『いや、生まれも育ちもオオサグワァ（大阪）？』と言って譲らない殿方。
なんか嘘バレバレなんですけど・・別にどこの人だっていいんですけどね。

たまに、やけに神経質に名前や住んでいる地域を隠す人がいるの。
何も身上調査じゃあるまいし、適当に答えればいいものを
きっと正直すぎる人なのかなー。生真面目な口調で

『え、なまえ？それは内緒だよ。』

なんて言われると、亜美のサービス精神は、ササーッと引くんですねー。

だから最近は『なんて呼んだらいい？』とか聞くようにしてるんだけど。
ほら、会話中に『○○さんはぁ』とか名前を入れると、何となく
親近感がわくじゃないですか。これって亜美の思いこみ？

亜美は『そんな女いねーよレベルの「ぶりっ子キャラ（死語）」』で
お仕事をしてるんですが、何故かこの存在しないはずの「ぶりキャラ」が
通用してしまうのが２ショットダイヤルの怖いところです。

たまに普通の人につながると、気持ち悪がられてチェンジされるんだけど
ほっとんどの殿方はオッケー！まさにイリュージョンです。

時々、なんでだよ！って不思議になるけど、素で喋るとズバズバ本当の事を
言い過ぎて嫌われちゃうし、通用するうちは「ぶりキャラ」で稼がせて
戴きましょうって感じなのです。が…

この真面目な殿方達には、あまり通用しないんですね。「ぶりッ子」が。

だから普通の人なんだろうなぁって思うの。本当に。普通の感覚だからこそ
実際に生きてたら気持ち悪いであろう「ぶりっ子亜美」に引くんだろうけど
だからってチェンジするわけでもなく、引いたまま会話が続くのです。

もう、やりにくいったらないよ。素に近くすると逃げられちゃうし。
やたらとデリケートなので、取り扱い注意なのが、この種の殿方。

でもエッチだけは一人前なんだよね。あ、この言い方は偉そうですね。
うーんと、普通の会話はぎこちないのに、エッチモードに入ると
豹変するの！怖いの！どーしてー！！

『おら、ちんぽぶちこんでほしいんだろ？』

『わたしの淫乱まんこにブチコンデクダサイって言ってみな』

『もっと嫌がれよ、ﾊｧﾊｧ…服やぶくぞ、ほら叫んでみろ！』

これ、最初からエロ全開の人や、その手のキャラの人なら驚かないんだけど
さっきまで几帳面なくらい真面目だった人が、多分7:3横分け？って感じの
イメージしか湧かない殿方が、いきなりこんな事言うのでビビるんですー。

よく、真面目そうな人ほど裏ではイヤラシイとか聞くけれど
まぁイヤラシサは他の人達と変わらなくても、そのギャップが凄くて
「むっつりスケベ」とか言われちゃうんだろうね。

人は外見で判断しちゃいけない、というのは、こういう人達のために
ある言葉なんだと実感した亜美でした。なんか違うけど、まぁいいか。

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