台所のすみっちょ...風子

 

 

世界で一番好きな言葉 - 2004年03月16日(火)

私が世界で一番好きな言葉は

「満腹」である。


先週の木曜日。一年ぶりの友人Yと2年ぶりの友人Jと、

表参道で食事をした。

店は京懐石ふう中華の店だった。

懐石のスタイルにならい、和風のお皿に乗せられて

順々に出くる春の食材を使った中華料理は、私を本当に驚かせた。

上品な分だけ量が極端に少ないのだ。

例えば、「竹の子の炭火なんちゃら焼きです」と

仲居さんが持ってきた皿には、

「竹の子」というより「笹の子」といったような、細すぎる

年端もいかない小さい竹の子が、皮つきのまま真っ二つに割られて

乗っていた。

「柔らかい実だけお食べください」

仲居さんは柔らかな笑みを浮かべながら皿をテーブルの上に

置いてくれる。

だが、実際に食べられる実は小指の第二関節ぐらいしかなく、

もの足りない私は「皮は柔らかくないのか」と

実を食べ終わった後、一部、皮まで口にしてしまったぐらいで、

次の「春竹の子となんちゃらの炒め物」では

皿の上に薄く盛られたそれが、てっきり一人分だと

思っていたので「お取り分けしますね」という

仲居さんの声を聞いた途端、思わず口が半開きになり

涙が出そうになった。


で、これだけ悲しい思いをして、払った料金は5千円ちょっと。

場所は表参道だから仕方ないのかもしれないが、

私にしてみれば正気の沙汰とは思えない料理たちで、

釈然としない気持ちでいっぱいだった。


この世には「医食同源」という言葉がある。

それと同じで、料理というのは本来は「量味同源」なのでは、

ないだろうか。

「量も美味しさも食事を楽しいものにし、幸せを感じるためのもので

その本質は同じだ」ということである。

量が少なければ食事本来の楽しさやそれによってもたらされる

幸せが半減してしまう。


おかげで、せっかく久しぶりにあった友人たちとの

時間に幸せを充分感じることが出来なかった。


何度でも言う。

私は「満腹」という言葉が世界で一番好きである。


おしまい。


...




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