2003年01月17日(金) |
「プランク・ゼロ」スティーヴン・バクスター著 2002年早川書房 |
あちゃー、バクスター先生・・・量子力学が全くわかりません! 超が付くハードSFといえばJ・P・ホーガンも有名ですが、叉一味違ったハードな世界を描いてくれちゃってるのがこのバクスターです。 個人的にめちゃお気に入りなのがジーリーの「ナイトファイター」ですね。 収納時は長さ100mの単座?の宇宙船です。稼働時は幅150キロになります。 何故宇宙船なのに翼があるのか? 「動力は空間構造そのものから得ている」 「その翼は空間の不連続性のシートだ。つまり空間の回復力が船を前進させるわけだ」 そうで。 1時間で100万光年飛べます。はい。
<ジーリー・クロニクル1>と銘打たれたこの作品、過去のジーリーシリーズの裏話的短編が収録されています。 ビッグバン直後に生まれ出た超種族ジーリーさん、もの凄いです。凄すぎです。 人類他様々な種族がこのジーリーさんの遺物を探して宇宙を探検するんですが、肝心のジーリーさん、そんな連中には目もくれません。ええ、全く無視です。 人類もまた様々な種族に支配されては打ち負かしという壮大な歴史を刻んでいきます。そして人類はジーリーに並ぶ支配種族になっていくのですが・・・。 お馴染の「シュレジンガーの猫」を始めとする様々な理論を基に、とても楽しいストーリーが展開します。 風邪ひいて死んでる脳には多少つらい部分もありますが、いや、そんなパウリの排他原理だの量子分離不可能性だのフェルミのパラドックスだのを知らなくても、問題なくストーリーは楽しめます。 私も理解なんか出来はしません。
小柴さんがノーベル賞を貰ったカミオカンデでの観測結果に「ちっ」と舌打ちをしたのは私だけではないはず。そんな楽しみも増えちゃうハードSFをあなたもどうぞ。
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