レプリカントな日々。

2002年10月10日(木) オヤジたちの熱い水泳部。ーーXマスパーティ編・ほらー?・ーー


 まさに宴たけなわ、喰うだけ喰って飲むだけ飲むと、次から次へとイベントが開催されます。人生ゲームみたいな時間のかかるものもありましたけど、ごく簡単なゲームで予め用意してあった商品を争奪するんですね。
 そうした商品は前々からメンバーに意見を聞いて買っておきます。

 そんなゲームも落ち着いた、時刻も午前と呼ばれる頃にさしかかると、えー、メインイベントが開催されるわけです。
 いやむしろ、皆さんそのために集まっているというか、そのために皆さん無い知恵を絞り、親戚に聞き込み、本屋で立ち読みなんぞして年末のその夜に備えてたわけです。

 頃合いだなぁと私が判断して、おもむろに立ち上がり、前々から用意してあった桐の箱の中から、私が厳選したロウソクを皆に配ります。
 「さ、いくぞ〜、みんな所定の位置に座れ〜」
 そう、百物語をおっぱじめちゃうんです。

 私が一番最初に火をつけ、その火を順に回します。
 全員で丸い大きなテーブルを囲んで座り、目の前に火のついたロウソクを立てます。
 ついで一人ずつ「怖い話」をしていくんですね。
 話を終えた人は目の前のロウソクを吹き消します。
 そして、最後のロウソクを吹き消した後・・・。

 最高に盛り上がったのは中二の時。
 最後のロウソクを私が吹き消した後、皆で手をつないでテーブルターニングを始めました。(当時はもう何でもごちゃまぜでしたから)
 (中略、ということで)
 真っ暗な中でじっと耳を澄ませます。
 結局その夜も何も起きませんでした。
 「おっけー、電気つけよう」と私が言い、皆にホッとした雰囲気が流れた瞬間、何かが破裂したような音とともに、何かが壁にぶつかる大きな音がしました。
 気の弱い奴の叫び声が上がる中、私は近くの電気をつけました。
 最初は誰もその音の正体がわからなかったんですが、よく見ると・・・長辺1mくらいの大きなアグネス・チャンのパネルが壁にもたれかかるように下に落ちていく所でした。ずずっと壁に沿って落ちる瞬間を、その音に気がついた皆で見ていました。
 それは別の壁から1mほど離れた位置の天井に、ガムテープや釣り糸でつり下げてあったものだったんです。どうやらそれが壁まで飛んで音をたてたようです。しかも、つり下げてあった角度とは90度回転してその壁に飛んでいったようです。
 「どうして?どうやって?」と話し合っている最中、今つけたばかりの壁の電気が音もなくふっと消え、また真っ暗になりました。
 この時はさすがに私も慌てましたね。
 勉強机のライトをつけ、天井のライトもつけました。
 今消えた壁のライトのカバーをそっとはずしてみると、電球が奇麗に真っ二つに割れていました。
 まだ熱いその電球を、そっと手で持ち上げると、すっぱり切れた?電球の上半分が持ち上がった感触を、今でもはっきりと覚えています。

 その夜の出来事はそれで最後でした。
 でも・・・。

 私が高校生になった時、親が新しい家を建てて引っ越したんですが、無理を言ってその家に一人で居残ったんです。
 私が受け継いだ時に、車道側にあった玄関を封鎖してしまい、くみ取りトイレはコンクリートで埋め、新設した水洗トイレの横のドアから出入りする、カギなどかからない家でした。
 元々あばら家と呼んでもさしつかえない小屋のようなものでしたし、何年かすると家全体が傾いて、木枠の窓はすき間が出来てしまい、冬には部屋の中で息が白くなるような家でしたけど、何より大変なのは。
 普段から当たり前のように誰もいない部屋で足音がしたり、ピアノがぽーんと音を立てたり、怪談をしていると部屋全体がいきなり揺れだし、カーテンが部屋の中に向かってはためくというお化け屋敷になってしまったことです。
 そこに13年間一人で住んでました。

 私も遊びに来る友人達も、色んな経験をしました・・・。
 今でも眼を覚ました瞬間などに、あの部屋の光景を探してしまうことがあります。







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