あまおと、あまあし
あまおと、あまあし
 2009年10月14日(水)

わたしの手が
何をまもっているのか
たぶん知らない

気づかれないままに、秋の風があたりを満たして
あなたの小さな足を後押ししている
よる、よる、あっちから
やってくるのね、あなたの所へ
私の指先からではなく
柔らかくて薄い髪をなでながら思う
あなたがまだお魚だった頃のこと
わたしがまだ、母ではなかった頃のこと
日の光は、今日よりもずっとまぶしかった

めをとじて、めをとじて、夜を呼んでくるから

白い爪も貝殻になって
寝息をとじこめて今日をおしまいにする

めをとじて、めをとじて

それから おやすみなさい

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 著者 : 和禾  Home : 雨渡宮  図案 : maybe